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溺愛の始まり
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「ごめんねローズ、怖かっただろう」
帰りの馬車の中、ベルギアは隣に座るローズの片手を優しく握り、微笑んだ。
(えっと、なぜ向かいではなく隣に座っているのでしょう?しかもさりげなく手も握られているし)
「だ、大丈夫です。庇ってくださってありがとうございました。あの、でもあのように宣言してしまってよかったのですか?まだ魔法省には報告していなかったはずでは……」
「良いんだ、魔法省には明日報告するつもりだったし。それにケイロンにはすぐにでも君との婚約を知らせたかったからね」
ローズがベルギアからの熱烈なアプローチを受け入れ、婚約をしたのはつい昨日のことだ。ローズがケイロンに振られてから一ヶ月、ベルギアはローズが困らないように気を使いつつ、ローズへアプローチをし続けた。
「君にとって俺はまだ兄のような存在かもしれない。でも、俺たちは赤の他人でそもそも兄妹なんかじゃない。俺を一人の男として意識してもらうまで俺は君を口説き続けるよ」
そう宣言されてから、ベルギアは言葉通りにローズを口説き続けた。ある時はローズの良さについてさりげなく口にし、ある時は自分にとってローズの存在がどれだけ大きいか、どれだけローズのことを愛しているか、ことあるごとにローズに告げてくる。それも押し付けるようにではなく、ローズが受け取れる分量だけ伝えてくるのだ。
それに以前までと違うのはローズへの接し方だ。今までは可愛い妹へ接するかのようだったのに、突然距離がぐんと近くなった。気づけば隣にいるし、ふとした瞬間にローズの髪を優しく撫でたあと頬に少しだけ触れたり、一緒に出かけるときにはさりげなくローズの手を握ってはぐれないようにしたり。
今までも頭を撫でたり手を繋いだりしたことはあった。だが、今までとは明らかに違う、その時のローズを見つめる瞳が熱く蕩けてしまいそうな瞳なのだ。
そんな態度を取られてしまってはローズもベルギアを一人の男として意識せざるを得ない。あれよあれよという間に、ローズはベルギアに恋に落とされてしまったのだった。
もちろんローズの両親は二人の婚約に大喜びで、父親にいたってはベルギアに泣いて感謝を述べたほどだ。それほどまでにローズの両親からのベルギアへの信頼は厚く、それもローズのベルギアへの想いを加速させていく一つになった。
(そもそも、こんなに素敵な方の隣に私なんかがいて良いのだろうか)
そんなことを思いながらそっとベルギアを見上げると、ベルギアはそれに気づいてローズと目を合わせ、一瞬目を見開いてから微笑み、静かに口づけた。
(えっ、ええっ!?)
「ごめん、あまりにも可愛くて。君の思ってることは大体想像がつくよ。でもごめん、君を手放す気はないし、他の誰にも渡すつもりはないから」
ベルギアの言葉に、ローズは赤かった顔をさらに真っ赤にする。
(あぁ、可愛いな。そんな無意識に煽るようなことをして)
愛おしそうにローズを見つめながら、ベルギアはローズの髪の毛を優しく指でとかしそのまま頬に手を添えると、また優しく口づけた。
帰りの馬車の中、ベルギアは隣に座るローズの片手を優しく握り、微笑んだ。
(えっと、なぜ向かいではなく隣に座っているのでしょう?しかもさりげなく手も握られているし)
「だ、大丈夫です。庇ってくださってありがとうございました。あの、でもあのように宣言してしまってよかったのですか?まだ魔法省には報告していなかったはずでは……」
「良いんだ、魔法省には明日報告するつもりだったし。それにケイロンにはすぐにでも君との婚約を知らせたかったからね」
ローズがベルギアからの熱烈なアプローチを受け入れ、婚約をしたのはつい昨日のことだ。ローズがケイロンに振られてから一ヶ月、ベルギアはローズが困らないように気を使いつつ、ローズへアプローチをし続けた。
「君にとって俺はまだ兄のような存在かもしれない。でも、俺たちは赤の他人でそもそも兄妹なんかじゃない。俺を一人の男として意識してもらうまで俺は君を口説き続けるよ」
そう宣言されてから、ベルギアは言葉通りにローズを口説き続けた。ある時はローズの良さについてさりげなく口にし、ある時は自分にとってローズの存在がどれだけ大きいか、どれだけローズのことを愛しているか、ことあるごとにローズに告げてくる。それも押し付けるようにではなく、ローズが受け取れる分量だけ伝えてくるのだ。
それに以前までと違うのはローズへの接し方だ。今までは可愛い妹へ接するかのようだったのに、突然距離がぐんと近くなった。気づけば隣にいるし、ふとした瞬間にローズの髪を優しく撫でたあと頬に少しだけ触れたり、一緒に出かけるときにはさりげなくローズの手を握ってはぐれないようにしたり。
今までも頭を撫でたり手を繋いだりしたことはあった。だが、今までとは明らかに違う、その時のローズを見つめる瞳が熱く蕩けてしまいそうな瞳なのだ。
そんな態度を取られてしまってはローズもベルギアを一人の男として意識せざるを得ない。あれよあれよという間に、ローズはベルギアに恋に落とされてしまったのだった。
もちろんローズの両親は二人の婚約に大喜びで、父親にいたってはベルギアに泣いて感謝を述べたほどだ。それほどまでにローズの両親からのベルギアへの信頼は厚く、それもローズのベルギアへの想いを加速させていく一つになった。
(そもそも、こんなに素敵な方の隣に私なんかがいて良いのだろうか)
そんなことを思いながらそっとベルギアを見上げると、ベルギアはそれに気づいてローズと目を合わせ、一瞬目を見開いてから微笑み、静かに口づけた。
(えっ、ええっ!?)
「ごめん、あまりにも可愛くて。君の思ってることは大体想像がつくよ。でもごめん、君を手放す気はないし、他の誰にも渡すつもりはないから」
ベルギアの言葉に、ローズは赤かった顔をさらに真っ赤にする。
(あぁ、可愛いな。そんな無意識に煽るようなことをして)
愛おしそうにローズを見つめながら、ベルギアはローズの髪の毛を優しく指でとかしそのまま頬に手を添えると、また優しく口づけた。
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