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7話
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ある晴れた朝、カリナの家の扉がノックされた。
振り返ると、宮廷の服装をした使者が立っていた。王家の紋章が輝く封筒を手に、緊張した面持ちである。
「カリナ様……王宮より、急ぎお越しいただきたく……」
使者の声は小さく、どこか怯えていた。かつて「役立たず」と嘲笑した令嬢や侍臣たちの依頼だと、カリナは瞬時に察した。
しかし、以前のように胸を痛めることはない。
冷静に、そして柔らかく微笑んだ。
「事情は分かりました。では、手助けできる範囲でお応えしましょう」
◆
宮廷に着くと、空気は緊張に包まれていた。
王子レオンハルトは額に汗をにじませ、顔色は青白い。エリザベート令嬢は床に膝をつき、侍女や側近たちを叱責していた。
「……聖女カリナ、来てくださったのですね」
令嬢がかすれた声で告げる。
カリナは静かに首を垂れるだけで、余計な感情は見せなかった。
「どのような症状でしょうか」
王子は力なく身を起こし、震える声で答える。
「頭痛が治まらないのだ……昨夜も眠れず、儀式も失敗した。お前を追い出したのが、間違いだったのかもしれぬ」
カリナは薬箱から湯薬を取り出し、脈を測りながら淡々と指示を出す。
「水を多めに、涼しい場所で安静に。少量ずつ薬を飲ませてください」
手際の良さと落ち着きに、廷臣たちは思わず息をのんだ。
一方、エリザベート令嬢と側近たちは、顔を赤らめて恐縮するしかない。
「……私たちがあんなにひどい態度を取ったのに……」
令嬢の瞳に、ほんの一瞬、羞恥が浮かんだ。
カリナは彼らを睨むことも、怒ることもなかった。
ただ、必要な助けだけを提供する――それだけで十分だと分かっていた。
王子が薬を口に含むと、少しずつ顔色が良くなっていく。
「……おお……楽になった……」
周囲からは小さな驚きの声が上がる。
侍医たちが見守る中、カリナの冷静さと確かな技術が、王宮に存在感を取り戻していた。
使者や廷臣たちは、深く頭を下げる。
「……ありがとうございました、カリナ様」
カリナは微笑んで答えた。
「私はただ、手助けできることをしているだけです。それが私の務めですから」
◆
王宮を後にするカリナの姿を、遠くからそっと見つめる者たちがいた。
かつて彼女を侮辱した者たちの目には、驚きと後悔、そして静かな畏敬の念が混ざっている。
カリナは心の中で微笑んだ。
役立たずと嘲笑された聖女は、もう誰のためでもなく、自分自身の価値を証明していた。
宮廷からの使者が去った後も、村では人々の感謝の声が絶えない。
小さな奇跡を積み重ねるたび、カリナの存在は確かなものとなり、王宮での過ちと宮廷人たちの焦燥はますます大きくなるのだった。
振り返ると、宮廷の服装をした使者が立っていた。王家の紋章が輝く封筒を手に、緊張した面持ちである。
「カリナ様……王宮より、急ぎお越しいただきたく……」
使者の声は小さく、どこか怯えていた。かつて「役立たず」と嘲笑した令嬢や侍臣たちの依頼だと、カリナは瞬時に察した。
しかし、以前のように胸を痛めることはない。
冷静に、そして柔らかく微笑んだ。
「事情は分かりました。では、手助けできる範囲でお応えしましょう」
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宮廷に着くと、空気は緊張に包まれていた。
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「……聖女カリナ、来てくださったのですね」
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「どのような症状でしょうか」
王子は力なく身を起こし、震える声で答える。
「頭痛が治まらないのだ……昨夜も眠れず、儀式も失敗した。お前を追い出したのが、間違いだったのかもしれぬ」
カリナは薬箱から湯薬を取り出し、脈を測りながら淡々と指示を出す。
「水を多めに、涼しい場所で安静に。少量ずつ薬を飲ませてください」
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一方、エリザベート令嬢と側近たちは、顔を赤らめて恐縮するしかない。
「……私たちがあんなにひどい態度を取ったのに……」
令嬢の瞳に、ほんの一瞬、羞恥が浮かんだ。
カリナは彼らを睨むことも、怒ることもなかった。
ただ、必要な助けだけを提供する――それだけで十分だと分かっていた。
王子が薬を口に含むと、少しずつ顔色が良くなっていく。
「……おお……楽になった……」
周囲からは小さな驚きの声が上がる。
侍医たちが見守る中、カリナの冷静さと確かな技術が、王宮に存在感を取り戻していた。
使者や廷臣たちは、深く頭を下げる。
「……ありがとうございました、カリナ様」
カリナは微笑んで答えた。
「私はただ、手助けできることをしているだけです。それが私の務めですから」
◆
王宮を後にするカリナの姿を、遠くからそっと見つめる者たちがいた。
かつて彼女を侮辱した者たちの目には、驚きと後悔、そして静かな畏敬の念が混ざっている。
カリナは心の中で微笑んだ。
役立たずと嘲笑された聖女は、もう誰のためでもなく、自分自身の価値を証明していた。
宮廷からの使者が去った後も、村では人々の感謝の声が絶えない。
小さな奇跡を積み重ねるたび、カリナの存在は確かなものとなり、王宮での過ちと宮廷人たちの焦燥はますます大きくなるのだった。
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