(完結)相談女とお幸せに!(なれるものならの話ですけども。)

ちゃむふー

文字の大きさ
17 / 34

17.長い道のり1(リリアン視点)

しおりを挟む

明日は卒業式。


学園であの人を一目見てから今日まで本当に長かった。


私はダーソン子爵令嬢リリアン。


私の運命の相手、クロード・タバリア様に出逢ったのは入学式。

入学式の入り口で緊張する私に、
"新入生の入り口はあちらですよ"
と笑顔で声をかけてくださった。

私は一目でその笑顔に心奪われた。
運命だと思った。


しかし、素敵なクロード様には群がる女コバエがたくさんいた。


「負けてられないわ…!」


しかし、ファンクラブの女達が邪魔で中々近づけやしない…。


(うかうかしていたら誰かに取られてしまう…!)


毎日毎日クロード様を見守る。


しかしその中で気付いた事がある。



ミレイユ・ハーブス……!!


クロード様はあの女ばかり見つめているのだ…!!

(どうして!?私を見て…!?あの女どんな手を使ったのよ…。)

ギリッと歯を噛み締める。


(何とか……!何とかしないと…!!私の方がクロード様の事を知っているわ…!!クロード様の食の好み、家族、文字の癖……何でも知っている。あんな女に負けないわ!!)



焦った私は家に帰り、父に掛け合うことにした。

「お父様!!」


「やぁ、リリアンお帰り。どうしたんだい?そんなに慌てて…。」


「何とか私をクロード様の婚約者にして!!」


「タバリア侯爵のか…。我が家は子爵家で特段裕福な訳でも無いし…厳しいな…。」


「そんな事は分かっているのよっ!だからそれを何とかするのが父親ってものでしょう!?」


「リ、リリアン、子爵令嬢がそのようなはしたない態度を…。」

父を睨みつける。

「い、いや何でも無い…。何とかって言われてもこれはどうにもならないのだ…。リリアンには良い婚約者を見つけるから…な?」


「嫌よっっ!!クロード様でないと!!クロード様と結婚できなかったら、この窓から飛び降りてみせるのだから!!」

「そ、それはやめてくれ…!何でもしてやるから…。」

父はただただ、あたふたしているだけだ。

(こっの…頼りにならない…!!って…。何でも……??そうだわ…。)


「ねぇ、お父様…?」

笑みを浮かべ父に近づく。

「な、なんだいリリアン…」

反対に後退りする父…

「お父様は、私の事愛していますよねぇ…?」

「あ、あぁもちろん…。」

「私の為に何だってできるのですわよねぇ……?」


「……あ、あぁ…。」


父を壁まで追いやり、父の手を両手で掴む。


「ひいっ…」


「なら、タバリア侯爵に恩をお売りください。そうですわねぇ…。命を助けるくらいしなければならないですね。タバリア侯爵は情に熱い事で有名ですから。」


「リリアン、何を企んでいるんだ…?」


「お父様。夜道で偶然襲われたタバリア侯爵を偶然助けてください。いつが良いですかねぇ…。ちょうど3週間後の週末、夜会がありますよね。しかも、タバリア侯爵夫人が帰省されていらっしゃらないようですねっ!侯爵夫人は中々鋭い方なのでラッキーですわ!」


「リリアン、なぜ侯爵夫人の予定まで知っているのだ…!?」


父が怯えながら私に問う。
でも、好きな人の家族の予定くらい知っていて当たり前だ。
父は何を言っているのだろうか。


「??当たり前ですわ。クロード様の事に関する事ならなんでも知っていますわ。侯爵夫人の予定は、クロード様の寮に届いた侯爵夫人からの手紙に書いてありましたし…。」


「人の手紙を勝手に見るなんて…!いや、それよりも私にタバリア侯爵を襲わせる気だな…!?そのような事はさすがにリリアンの為と言ってもできない…!そのようは事がバレたら…大変な事になる!」


「マリアーナ。」


「なっっっ!!!!」

父がその名前を聞き大きく動揺する。


「マリアーナでしたっけ?可愛い方ですわねぇ。父のお気に入りの娼婦は。でも~父が赤ん坊の格好をしてバブバブ言いながらマリアーナに甘えている姿は、娘の私からしたら目を覆いたくなりましたわ…。その上、もの凄いお金を彼女に貢いでるとか…。一体どこにそのようなお金があるのですかねぇ?この事、お母様が知ったら…………。どうでしょう……??」


このような事もあろうかと、父の弱みもしっかり握っておいたのだ。
こんな時に役に立つとは…。


「なっっなぜお前がそんな事をっっ!!やめてくれっやめてくれっ!お前の母にそんな事を知られたら…!彼女の実家からの支援も打ち切られるし、何より私は追い出されてしまう!!!」


父は婿養子としてこの子爵家に来た。
その上父の方が歳下で気が弱く、母は物凄く気が強い。
母に頭が上がらないのは昔からだ。


その場に座り込む父の顔に近づき、父の顎をクイっと指で持ち上げる。


「なら、決まりましたね。必ず成功させて、可愛い可愛い娘を侯爵家のお嫁さんにしてくださいね。」


父はただ真っ青のまま、こくりと頷くのだった。



しおりを挟む
感想 183

あなたにおすすめの小説

〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。

江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。 だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。 十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。 ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。 元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。 そして更に二年、とうとうその日が来た…… 

龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜

クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。 生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。 母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。 そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。 それから〜18年後 約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。 アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。 いざ〜龍国へ出発した。 あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね?? 確か双子だったよね? もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜! 物語に登場する人物達の視点です。

今まで尽してきた私に、妾になれと言うんですか…?

水垣するめ
恋愛
主人公伯爵家のメアリー・キングスレーは公爵家長男のロビン・ウィンターと婚約していた。 メアリーは幼い頃から公爵のロビンと釣り合うように厳しい教育を受けていた。 そして学園に通い始めてからもロビンのために、生徒会の仕事を請け負い、尽していた。 しかしある日突然、ロビンは平民の女性を連れてきて「彼女を正妻にする!」と宣言した。 そしえメアリーには「お前は妾にする」と言ってきて…。 メアリーはロビンに失望し、婚約破棄をする。 婚約破棄は面子に関わるとロビンは引き留めようとしたが、メアリーは婚約破棄を押し通す。 そしてその後、ロビンのメアリーに対する仕打ちを知った王子や、周囲の貴族はロビンを責め始める…。 ※小説家になろうでも掲載しています。

幸せな婚約破棄 ~どうぞ妹と添い遂げて~

あんど もあ
ファンタジー
王立学園の卒業パーティーで婚約破棄を宣言された私。彼の横には、何故か妹が。 私……あなたと婚約なんてしていませんけど?

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

妹に婚約者を取られてしまい、家を追い出されました。しかしそれは幸せの始まりだったようです

hikari
恋愛
姉妹3人と弟1人の4人きょうだい。しかし、3番目の妹リサに婚約者である王太子を取られてしまう。二番目の妹アイーダだけは味方であるものの、次期公爵になる弟のヨハンがリサの味方。両親は無関心。ヨハンによってローサは追い出されてしまう。

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

私は家のことにはもう関わりませんから、どうか可愛い妹の面倒を見てあげてください。

木山楽斗
恋愛
侯爵家の令嬢であるアルティアは、家で冷遇されていた。 彼女の父親は、妾とその娘である妹に熱を上げており、アルティアのことは邪魔とさえ思っていたのである。 しかし妾の子である妹を婿に迎える立場にすることは、父親も躊躇っていた。周囲からの体裁を気にした結果、アルティアがその立場となったのだ。 だが、彼女は婚約者から拒絶されることになった。彼曰くアルティアは面白味がなく、多少わがままな妹の方が可愛げがあるそうなのだ。 父親もその判断を支持したことによって、アルティアは家に居場所がないことを悟った。 そこで彼女は、母親が懇意にしている伯爵家を頼り、新たな生活をすることを選んだ。それはアルティアにとって、悪いことという訳ではなかった。家の呪縛から解放された彼女は、伸び伸びと暮らすことにするのだった。 程なくして彼女の元に、婚約者が訪ねて来た。 彼はアルティアの妹のわがままさに辟易としており、さらには社交界において侯爵家が厳しい立場となったことを伝えてきた。妾の子であるということを差し引いても、甘やかされて育ってきた妹の評価というものは、高いものではなかったのだ。 戻って来て欲しいと懇願する婚約者だったが、アルティアはそれを拒絶する。 彼女にとって、婚約者も侯爵家も既に助ける義理はないものだったのだ。

処理中です...