23 / 34
23.卒業式4(クロード視点)
しおりを挟む今日はいよいよ卒業式だ。
卒業式の後に開催される祝賀会にてリリアンの悪事を暴こうと思っていたが…。
状況が変わった。
ガスパルが会場へ乱入し、それをきっかけにリリアンの悪事がどんどん明るみになっていく。
(私が断罪せずとも婚約破棄は可能だったようだな…。)
しかし、ことの成り行きを見守っていると、リリアンがミレイユ嬢に聞き捨てならない事を口走りかけた。
(仕方ない…)
「おい。そこまでにしろ。」
私を見たリリアンは目を丸くして驚いている。
「ク、クロード様…!な、なぜこの卒業式に…??この卒業式には卒業生の家族しか参加できないはずでは…!」
確かに、この卒業式は卒業生の親兄弟までが参加できる。
だから、家族に今年の卒業生がいなければ卒業式に参加する事はできない。
いなければ だ。
「やあ、兄さん。今日は私の晴れ姿を見に来てくれてありがとう。」
そこに弟のリュカが話しかけてきた。
「リュカ様!?リュカ様の卒業されたお兄様とはクロード様だったのですね。」
どうやらエミール嬢とリュカは知り合いのようだ。
「弟…??」
リリアンは愕然としている。
私がこの場にいるはずがないと思っていたのだろう。
15から騎士団に入っていた弟のリュカは3ヶ月間のみこの学園に入学した。
学園の情報収集のため。
リリアンを見張るため。
学園の卒業式に私が参加するため。
「学園長。以前お話させて頂いた事件の真実をここで明らかにしてもよろしいでしょうか。祝賀会の最後でと思いましたが予定が変わりましたので…。」
学園長にはリュカが入学する時に話をつけておいた。
「卒業式までに必ず証拠を見つけるので、断罪の機会をください。」
と。
タバリア侯爵家は祖父の代であげた大きな功績があり、王家も大きな恩恵を受けていて侯爵家には借りがある。
その上王家としても、貴族界の問題を放っておく事は得策ではない。
しかし、不当に卒業を取り消しなどにすると、貴族内での派閥で対立が起きてしまうかもしれない。
そのため、確かな証拠が有れば断罪の機会を与えると許しを貰っていた。
「良いだろう。」
学園長に許しを貰い、礼をする。
「事件の真実ですって…!?クロード様っどういう事ですかっ!?あの、私皆様に覚えの無い事を言われ今困惑しているのです…。クロード様…信じてください…!私は御令息方と仲良くもしていませんし、ノートも盗んでなどいませんっ…!!助けてくださいっ!」
目を潤ませて近寄るリリアン。
この期に及んでもしらを切り、男に縋る姿はなんと醜いのだ。
「近づくな。もう、全てわかっているんだ。」
「えっ…。」
「このリリアン・ダーソンは、恐ろしい陰謀を企み、タバリア侯爵家と不当に婚約関係を結んだ!!また、学園生活でも様々な問題を起こした事は明らかであるので、婚約破棄いや、初めからこの婚約は無かった事にする!!」
「そんなっっっ!!意味がわかりません!!!」
会場のあちらこちらでざわつく。
「リリアン嬢の陰謀…?」
「どういう事ですの…?不当な婚約…?」
「やはりダーソン子爵家は何かしたのだな…!偶然にしてはうまく行き過ぎていた!」
「ほう。恐ろしい陰謀とは?」
学園長が静かに問う。
(学園長もお知りであるのに…。楽しんでおられるな…)
「このリリアンは、侯爵家の私と婚約を結びたいために、父であるタバリア侯爵を罠にかけ、夜会の帰りに何者かに襲わせました。そこに偶然現れたかのように見せかけたダーソン子爵が父を助け、その見返りに私とリリアンの婚約を取り付けたのです!」
会場全体が沸く。
「なんだって!?それは大事件だ!」
「リリアン嬢がっ!?それが本当ならなんて恐ろしい…!」
リリアンは青褪めてブルブル震えている。
「そっそんなのデタラメですわ!!!証拠なんて何も無いじゃないですか!!」
立っているのもやっとのようなリリアンが声を振り絞り叫ぶ。
思わず乾いた笑いが漏れてしまう。
「私が証拠も無しに断罪するような阿呆に見えるだろうか。」
この一年長かった。
やっとここまでたどり着いた。
ふーっと深呼吸をして、
リリアンを見据えた。
134
あなたにおすすめの小説
わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。
織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。
父であるアーヴェント大公に疎まれている――
噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。
〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。
だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。
十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。
ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。
元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。
そして更に二年、とうとうその日が来た……
龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜
クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。
生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。
母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。
そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。
それから〜18年後
約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。
アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。
いざ〜龍国へ出発した。
あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね??
確か双子だったよね?
もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜!
物語に登場する人物達の視点です。
妹に婚約者を取られてしまい、家を追い出されました。しかしそれは幸せの始まりだったようです
hikari
恋愛
姉妹3人と弟1人の4人きょうだい。しかし、3番目の妹リサに婚約者である王太子を取られてしまう。二番目の妹アイーダだけは味方であるものの、次期公爵になる弟のヨハンがリサの味方。両親は無関心。ヨハンによってローサは追い出されてしまう。
今まで尽してきた私に、妾になれと言うんですか…?
水垣するめ
恋愛
主人公伯爵家のメアリー・キングスレーは公爵家長男のロビン・ウィンターと婚約していた。
メアリーは幼い頃から公爵のロビンと釣り合うように厳しい教育を受けていた。
そして学園に通い始めてからもロビンのために、生徒会の仕事を請け負い、尽していた。
しかしある日突然、ロビンは平民の女性を連れてきて「彼女を正妻にする!」と宣言した。
そしえメアリーには「お前は妾にする」と言ってきて…。
メアリーはロビンに失望し、婚約破棄をする。
婚約破棄は面子に関わるとロビンは引き留めようとしたが、メアリーは婚約破棄を押し通す。
そしてその後、ロビンのメアリーに対する仕打ちを知った王子や、周囲の貴族はロビンを責め始める…。
※小説家になろうでも掲載しています。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
【完結】婚約者の義妹と恋に落ちたので婚約破棄した処、「妃教育の修了」を条件に結婚が許されたが結果が芳しくない。何故だ?同じ高位貴族だろう?
つくも茄子
恋愛
国王唯一の王子エドワード。
彼は婚約者の公爵令嬢であるキャサリンを公の場所で婚約破棄を宣言した。
次の婚約者は恋人であるアリス。
アリスはキャサリンの義妹。
愛するアリスと結婚するには「妃教育を修了させること」だった。
同じ高位貴族。
少し頑張ればアリスは直ぐに妃教育を終了させると踏んでいたが散々な結果で終わる。
八番目の教育係も辞めていく。
王妃腹でないエドワードは立太子が遠のく事に困ってしまう。
だが、エドワードは知らなかった事がある。
彼が事実を知るのは何時になるのか……それは誰も知らない。
他サイトにも公開中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる