(完結)妹の婚約者である醜草騎士を押し付けられました。

ちゃむふー

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27.身から出た錆

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ラウル様が皇子の前に歩み出ると、


「ちょ、ちょ、ちょっと待って!?ラウル様ぁあ!?」


床に座り込んでいた妹が顔を上げ、甲高い声を上げた。


「ラウル様顔の傷は治ったのですかっ!?ラウル様の傷が治るのなら!私婚約解消なんてっもがっ」



「黙りなさいっ!」

父が妹の口をふさぐ。


「ラウル、詳細を述べよ」

皇子が妹と義母を睨みつけた後、ラウル様に話すように促した。


「は!報告致します!数ヶ月前より、バラレンド侯爵家へ出入りするアボンを確認しています。更に、ジュリー嬢がアボンへ大金を渡した事も確実です。侯爵家の使用人達も証言しています。そしてその大金は、麻薬栽培の為に使用されています。取引先の隣国のマンフィア子爵も今頃捕縛されているでしょう」


ラウル様が淡々と報告していく。


「だから私は麻薬だなんて知らなかったっっ!きゃっ!何よアンタ!」
「黙れっ!」


叫ぶ妹を衛兵が捕らえる。


「それに加えバラレンド侯爵家は、多額の税を領民に課したり役人に給与を出し惜しみをしたりして得たお金で私服を肥やしていた事が判明しました。そこにある帳簿は、そのような悪行に心痛めた侯爵家の執事が告発する為に正しい記録を残した物です」


侯爵家の執事…
つまりオディロンが…!!


「更に侯爵家の執事は領民の訴えに耳を傾け意見書を取りまとめ、私の所へ持ってきたのです。それを王宮へ提出させて頂きました」


確かに、領民達がどれだけ訴えようとも王宮へ近づく事すらできない。
オディロンとラウル様が動いてくださったのだ…!


「侯爵家の執事が記録した帳簿を調べた所、正しい物である事は確実です。つまり、バラレンド侯爵家が帳簿の不正をした事、悪政を敷いた事は確実です。報告は以上です」


ラウル様が頭を下げると、皇子が頷く。


「ラウル、ご苦労だった。さて、バラレンド侯爵家は麻薬栽培密輸に関わった事、私を護った騎士を愚弄した事、帳簿の不正をした事、領地に悪政を敷いた事…どう釈明する?」


「……」


全てが明るみになった今、3人は青い顔をして何も言えずにいる。


「特に…麻薬の栽培密輸についてはただ知らなかったで済む話では無い!ラウルが気付くのがもう少し遅ければ隣国と戦争になっていたかもしれないのだ!!これらの罪は重い!!よって、バラレンド侯爵家には爵位と領地の返上を命じる!そして、不当に手に入れた金は必ず返すように」


「そっっそんな!!爵位返上だなんて!!それはあまりにも無慈悲でございます!!」


声をあげたのは義母だ。


「王家への納金を間違えてしまった事は申し訳ございません…!必ず返却致します!しかし…!元はと言えば、アイロワニー伯爵家との婚約解消が全ての始まりで原因です…!!我が侯爵家だけが悪いとは……」


何と言うことだ。
この期に及んでアイロワニー伯爵家に責任を押し付けようと…!!



「ほう、アイロワニー伯爵家が原因と……」

皇子がそう言うと、義母は皇子が義母の言葉に納得したと勘違いしたのか嬉々として話し始めた。



「はいっはい!娘のジュリーがラウル様と結婚していれば、アボンなんかに騙されもしなかったし、侯爵家もそのままだったのです…!それなのにラウル様が顔に傷なんか負うから…ジュリーも婚約解消せざるを得なかったのです…なので、こちらも被害者なのです!それにっ!爵位を返上してしまったらこれから侯爵家は誰が守っていくのでしょう!?」


義母は気付いていないのだろうか…。
この周りの雰囲気に…。
うんうんと頷いているのは隣に居る妹のジュリーだけだ…。


「言いたい事はそれだけか…」


「へっ?」


「ラウルは私を護り傷を負った!!つまりお前は私が悪いとでも言いたいのだな!これは不敬罪に値する。ここで斬り捨てられないだけ良かったと思え!ここで斬り捨てると会場が汚れるからな!」

衛兵に羽交い締めにされる義母。


皇子に向かいこのような無礼な事を言わなければ…
平民となりまたやり直す事が可能だったであろうに…


そして、皇子がラウル様を真っ直ぐ見て声高々に宣言された。



「そして侯爵領の事は心配いらない。なぜなら!ここに居る、ラウル・アイロワニーにこの地を与え、侯爵の爵位を授けるからだ!!」







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