不幸の手紙に“男に告白される”って書いてあったんだが?

すもも

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10.逃げ道は最初からなかっただろう

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俺はぼんやりとした顔で授業を受けていた。いつもならば、必要な単位を計算しているので受けなくてもいいはずなのに、出ていく外をぼーっと眺めていたら時間が経ってしまい出ていくタイミングを見失ってしまった。綺麗な姿勢で授業を真面目に聞いている江藤の背中を見る。小柄な体に真剣な顔つき、何か考えているのかシャープペンを口元にあてて俺の記憶が引きずられて指先の体温を思い出して、顔が熱くなって視線を逸らした。

俺は変だ。今朝挨拶をしてきた江藤にもうまく言葉が返せずおはようの言葉がひっくり返り、出なくてもいい授業に出続けている。俺がずっと授業に出ずっぱりなのを珍しがるクラスメイトの視線もあったが、さして気になるものではなかった。

「りょーすけー、なんか忘れてない?」

つんつんと肩をつつかれて、思考が教室に戻ってくる。

「あ?」

いつの間にか昼休みになっていた。

「そうだな…昼飯を食う時間だな」
「ちがくて、報酬だ!ほ、う、しゅ、う!!」
「補修?相変わらずバカだな」

話半分に聞き流すと、腹巻の眉が吊り上がった。

「ちがうって!報酬!俺の彼氏役かなりすごかっただろ。ノーベル賞総なめの予感しかしなかった、俳優の道を志すことに決めたんだぜ」

それを言うならアカデミー賞だ。ノーベル賞に映画部門はない。

「世界を平和にしたらもらえるかもな」
「だろ!俺の演技で世界を平和にするんだぜ!で、報酬は?」

いつもなら、あるわけないだろ。と一蹴するところだが今の俺はどうにも調子が悪いし、腹巻の遊びに付き合っている余裕もなかった。だからんーと間延びした声を出してカバンから500円出して、差し出す手のひらにおいてやった。

「500円!太っ腹じゃんりょーすけ!!よし、お礼にお昼おごってやるからな!!」

それじゃあ、ただのパシリだ。だが腹巻はバカなので、嬉々として走って行ってしまった。俺は突っ込む気力も起きずにひとつ伸びをして、クラスメイトが各々昼飯を準備している中で立ち上がった。

自動販売機で微糖コーヒーを買って、壁を背にしてひとつ溜息をつきながら缶を開けた。あれほど執拗に送られ続けてきた不幸の手紙が今日は入っていなかった。犯人がばれた時点でやめるつもりだったのか、江藤が俺と接触を持つようになったから辞めたのかは分からない。そもそもあんなことを毎日続けたほうが異常。不幸の手紙などないほうがましだ。それともうひとつ、江藤はあんなことをしておきながら、今日一度も視線が合ってない。俺ばかりが見ていて、その視線がこっちに向かない。何故かはわからない。振り向いたら振り向いたらで俺もどうすればいいのか分からないし、それでいいのかもしれないがなんだかもやもやする。少し苦みのあるコーヒーを飲み干して、屋上に向かうべく足を進めようとしたところで江藤の姿が目に入って反射的に隠れる。なんで隠れてんだ俺?こっそりと江藤の様子を伺うと、せっせと竹ぼうきを持って落ち葉を掃いていた。あいつまた、雑用やらされてんのか…?呆れたが、当の本人はどこか楽しそうだ。ひとつの袋に落ち葉を入れて、そこでもうひとりの存在に気づく。江藤と同じくらいのやたらと小柄な女子がいて、何かを話しているのか江藤はずいぶんと楽しそうに見えた。

「俺のこと、好きっていったくせに…他の女といるほうが楽しそうじゃんか…」

思わずぽつりと声が漏れてはっとする。何を言っている!!そのほうがいいに決まってるじゃないか!!そうすれば江藤は俺ではなく別の人を好きになって、俺は江藤から解放される。……え、今日視線が合わないってそういう……?頭がぐるぐると混乱して落ち着かない。

「ああ、くそ」

頭を振るって俺は逃げるように屋上へと向かった。


屋上に相変わらず人気はないが風もなく穏やかだった。ひとつ溜息をついて寝転がる。腹巻はいない。奢ってやると出て行った次の瞬間に別のことでも思い出したんだろう。冬の薄い空に向かって手を伸ばすと、江藤がその指先に触れたことを思い出して顔が熱くなり、とっさに手を下に下した。バカみたいだ、あれからずっとそのことばかりを考えてる。らしくない。一度落ち着けて物事を順に考えてみよう、事の始まりは、

「男から告白されるだろう」

という不幸の手紙から始まった。

手紙の送り主は江藤の兄貴だと判明したが、今は送られてきていない。地球から消滅すればいいとまで言われたが、何故そんなことを言われなきゃいけないのか未だに理解できない。

屋上に閉じ込められたこともあった。その時は俺が寝こけたせいの不慮の事故だと思っていた。けど寝ていたのは偶然だったとしてもそこに江藤が入って、外から鍵をかけられた。あの時連絡手段もなく、江藤兄が弟が屋上にいることを知るはずがないのに、焦った様子もなくピンポイントでやってきた。つまりは、江藤兄と、弟はグル。

ここで俺はピンときた。

江藤は俺の事が好きなんじゃなくて、俺をからかっていただけなんじゃないか。そんな手の込んだことするかと一瞬疑問が浮かんだが、江藤兄は普通じゃない。見た目によらない執拗さと執念深さ、可能性はある。むしろその可能性のほうが高い。兄弟は俺を不幸のどん底へと陥れようとしていると考えればなんだかしっくり来た。好きだ。と言われるよりも、お前のことを心の底から憎んでいるといわれたほうが納得だ。なんだ、なんだ、

「そうだったのか」

江藤の好きだという言葉も、あの涙だって、全部演技。そう考えたほうが自然だ。よかったじゃないか。男に好きだと言われて困ってたんだ、俺は女の子が好きだし、男は恋愛対象じゃない。よかったじゃないか。うん、よかった、嘘で、江藤が俺を好きじゃなくてよかった。

「っ...」

なのにこの痛みはなんだ、胸がズキズキする。痛い。騙されたことが悔しいのか?嘘を吐かれたことに怒っているのか?分からない、自分の感情が分からない。空を見上げて何かがせりあがってくるのを我慢する、なんだか喉が痛い。どうして今日に限って腹巻がいないんだ。あいつのくだらない話を聞いていれば、おかしなことで悩んだりしない。扉が開く音がして俺は慌てて顔を戻し目元を拭った。

「磯城君、やっぱりここにいたんだね」

来たのは腹巻じゃない、江藤。弁当が入っているにしては大きな鞄を持っていた。

「もうやめにしないか?」

江藤がこっちに近づいてくるのを、止めるように口を開いて、コンクリートから上半身を起こした。

「何を?」

江藤は足を止め、数メートルほど距離を開けた地点から俺を見る。

「本当は俺の事からかってたんだろ?俺の事好きだとか言ってたけど、あれ全部嘘だろ」

顔を上げられず、コンクリートの細かさが分かるほど床を見つめる。

「磯城君は、僕が嘘であんなこと出来る人だと思ってるの?」
「1年前からずっとお前の兄貴から不幸の手紙を送られて、それが現実になってきた。人為的にも偶然にもそれは起こってきた。告白されるとか閉じ込められるとか、これはあまりにも作為的だ。屋上に閉じ込められたとき連絡もしないのに江藤兄はここにお前と俺が居ることを知っていた。あれはお前らがグルになって俺をはめたとしか考えられねーんだよ!」

2人の間に沈黙が落ちる。ほら、さっさと言えよ。その通りだって、散々振り回されてバカじゃないのかって笑えばいい。なのに、なんで黙ってんだよ!!しばらくしてようやく江藤は口を開いた。

「そうだよ、僕と和にぃは協力関係にあった」

……っ、は。ははは…やっぱりそうか……散々振り回されて…バカみたいだ。

「泣いてるの?」

江藤の声にはっとする、頬に触れてみると濡れている。俺は強めに袖で顔をごしごしとこすった。どうして俺は泣いているんだ?嘘でよかった、よかったのに!江藤はこちらに歩み寄ってくる、屋上は狭くてすぐ近づかれてしまう。

「近寄るな!!お前、さいてーだな。こんなに人を振り回しておいて、自分はなんとも思っていませんって?」

俺は立ち上がって後退しようと思ったが、背中はフェンスにぶつかっていてただ音を鳴らしただけだった。

「最低なのは、磯城君だよ」

目の前まで江藤が来た、踵を踏みろくに洗いもしない俺の黒い上履きと、丁寧に洗われ新品同然の江藤の上履きが向き合う。顔を上げたくなくて、その対比がやけに目に付いた。

「僕は本気で磯城君のことが好きだよ」

江藤は腰を折って俺と視線を合わせる。なんだ…まだ続けるのか?

「お前は兄貴と協力関係にあって、あの不幸の手紙だって!お前らが面白おかしく書いてたんだろ!」

そのたびに不幸に見舞われる俺をあざ笑っていたんだ!

「違うよ、不幸の手紙のことなんて僕は知らない。和にぃには色々アドバイスしてもらった。屋上のことは僕が頼んだ」
「信じられるわけないだろ」
「………磯城君、これなら、信じてもらえる?」

鞄の中から紙を取り出して、ぴらりと俺の目の前に突きつける。

「な、に?」

不幸の手紙を書いていた人物とは明らかに違う筆跡で俺の名前が書いてある。受け取ってそれを見る、シンプルな白の封筒。ハートのシールはない、そもそも糊付けもされていなかった。怪訝に江藤を見ると開けてと、言葉短く言われた。促されるまま手紙を開く。真っ白の便箋に文字が並ぶ。綺麗な字だ。

「え?」

読んで硬直する。

俺に対する想いが長々と書かれていた。何時も悪ぶってるのにふとした優しさが好きです。迷子の子供を見つけた時に、隣にいる新垣に声をかけさせたのを見ました。怖がらせないためにあえてそうしたんだと僕は後になって気づきました。その時の磯城君の目が優しかったのを覚えています。図書館にいるのを見かけました、熱心に勉強をしている君がかっこよかったです。

江藤から見た俺が書かれている。とにかくたくさん。どの手紙の最後には、あなたが好きです。と締めくくられていた。

これはきっと、不幸の手紙だ。男から男へと送られているのだから、一般的に見れば不幸の手紙であることには間違いないはずなのに…俺はその手紙を握りしめてどうすればいいのか分からずにただ震える。

「他にもたくさんあるんだよ。ずっと、ずっと、磯城君に渡そうとして渡せなくて、それでも、捨てることも出来なかった」

鞄をひっくり返してバサバサと広げられた。大きな鞄からあふれる江藤の想い。俺へと愛情が向けられた。不幸の手紙。

今日は雨が降っていましたね、傘を忘れて困っている女の子に自分の傘を渡しているのを見ました。何かいいことがあったのか鼻歌を歌っていましたね、少し音痴なのがかわいらしいです。新垣君と並んで話しているときにはいつもと違って和らいでいる気がします。心を許されている新垣君がうらやましい。学校で一目見れるだけで嬉しいと思っていたのに、磯城君のとなりに立ちたいです。僕はどうかしてしまったのかもしれません、毎日あなたのことばかり考えてしまします。どうしてこんなにも好きなのか分からない、磯城君のことを考えると胸が締め付けられて痛い。君が好きです。磯城君が好きなんです。僕と恋人になってください。なんで、どうしてこんなに。

「僕だって、女の子を好きになるんだと思ってた、大切にして、いつかは家族になって、お父さんになって、そんな当たり前を信じて疑わなかった。でも、でもっ、なんでか、磯城君を好きになったんだ。一般的に考えれば、磯城君は特別性格がいいわけじゃない、どこかいつも上から目線で、自分中心で、でもっ、たまに優しいところがあって、斜に構えているくせに努力していて、ふとみせる笑顔がかわいくて、どうしてあんな人を好きなんだろうって何度も自問自答したよ。でも、分からないけど、どうしても好きだとしか思えないんだ」

ざざざっと大きな風が吹いて、俺の周りに落ちた手紙が空を舞う、なんだこれ。なんだこれ。

男から男への愛情溢れた手紙、それを受け取った俺は不幸のはずで、それなのに、江藤の気持ちが本物だって知って、こんなにも真っすぐにそんなに苦しそうな顔をするほどに俺が好きだと言われて、胸が詰まる。苦しい。迷惑していたじゃないか、嘘だと分かって安心したじゃないか、こんなの一歩間違えればストーカーじゃないか。なのに、なんで、俺、江藤の気持ちを嬉しいなんて思ってるんだ。顔が熱くなって胸が苦しくなる。

「磯城君、」

江藤が近づいてきて、フェンスに手をかける。がしゃんと音がして俺よりも頭ふたつ小さな体に取り囲まれる。

「僕は君の一番近くにいたい。君に僕を見てほしい、君が欲しいんだ」
「……っ、」

まっすぐ見つめる瞳に、視線が逸らせなくなる。息が詰まって、声が出ない。

「おれ、は………、よく、…よく、わからない」

なんとか絞り出した声は、言葉は、情けないものだった。

「人にこんな風に、好きだって言ってもらったことない。だから分からないんだ、江藤のことだって、そんなに知ってるわけじゃない。そういう視線で人のこと見たことない、だから…俺は分からないんだ」

心臓が煩いくらいになって、江藤から視線を逸らす。情けない顔をしている自覚がある。

「うん、大丈夫。分からなくてもいいよ、僕はちゃんとわかってるから」
「俺が分からないことを、江藤がわかるわけないだろ」

少しすねた物言いになってしまった。世の中分からないものがあるのは癪だ。俺の物言いに江藤はくすくす笑った。

「わかるよ。磯城君、今僕がキスしても怒らないし、逃げないでしょう?」
「…っ、は?」

フェンスに優しく押さえつけられて、引きはがそうと思えばできる力なのに俺は抵抗が出来なくて、ただ戸惑って江藤を見つめた。

「ほら、逃げない」

江藤は笑って、少しだけ背伸びをして俺の唇にそっと触れた。触れたのは一瞬で、すぐに離れてしまったのに、俺の心臓は嘘みたいに脈打って視線が泳ぐ。

「磯城君って、ほんとかわいいね」

ふふと笑って、江藤が身を引いた。俺はもうどうすればいいのか分からない。かわいくないとでも反論すればいいのだろうか、それとも江藤のほうがかわいいとでもいえばいいのだろうか。

「僕は君の気持ちが追いつくまで待ったりしない、その分からないって気持ちごと全部僕がもらうから」

そこは、待つって言うところじゃないのか。江藤の楽し気に笑った顔に胸がなにか音を立てた。俺は逃げ道をふさがれたのに、何故か嫌な感じはしなかった。
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