彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。

遊。

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生徒会も修羅場につき

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「で?悠太。

あたしに何か言う事無い?」

「えっと……こんにちは?」

「は?ふざけてんの?」

「ごめんなさい!?」

放課後の生徒会室。

背中に担いでいるギターケースをどこかにぶつけないように注意しながら慎重に生徒会室の扉を開くと、不機嫌オーラ全開の瑞穂が腕を組んで仁王立ちしていた。

「お昼は随分お楽しみだったね?」

あ、これめちゃくちゃ怒ってるやつだ……。

「昼?悠太君何かあったの?」

会長席に座っていたハルたん会長が見かねて声をかけてくる。

「そりゃもうお楽しみだったみたいだよ?2人でね。」

言葉の一つ一つに棘がありゅー!

「え、2人?あ!そう言えば瑞穂!あんたこないだの電話はなんだったのよ!?」

「あぁ、なんか悠太が可愛い女の子とデートしてたから。

最初誰が来るか分からなかったからちょっと確認しただけ。」

「悠太君?」

おっとぉ?仲裁してくれる筈のハルたん会長がまさかのそっち側?

「いやいや瑞穂!

お前その時の相手誰だったか知ってるだろ!?」

「確かに知ってる。

でも相手がどうあれデートしたって事実が重要なんだと思うけど。」

「うっ……。」

「津川先輩、私も呼んで頂けたら良かったのですが。」

ここで呆れ顔で口を挟んできたのは片杉だ。

「お前の場合どうせいいスキャンダルになるからとかだろ絶対……。」

「そうやって個人の憶測で一方的に決めつけるのは良くないと思いますが。

……まぁ、あってますけど。」

「あってんじゃねぇかw」

やっぱりコイツロクでもないわ……。 

「それで?悠太君。

誰とデートしてたのかしら?」

ひぃっ!?ハルたん会長、顔は笑顔なのに圧を感じる!?

「妹!妹とですから!」

「「は?」」

これにはハルたん会長も片杉も咄嗟に意味が分からないと言いたげな表情。

「あの、ゲスミ……。

幾ら一緒にデートしてくれる相手が居ないからって妹はちょっと……。」

「いや……だからそれは……。」

「……ちなみに何処に行ったのかしら……?」

いや、だから圧が……!

「あ、えっと、映画に……。」

「仲睦まじく恋人繋ぎで手まで繋いでね。」

瑞穂がそう言って舌打ちする。

「妹と恋人繋ぎ……。」

やめろ!うわぁみたいな顔やめろ!

「あ、あれはほら、妹に頼まれたからで……「あんなにデレデレしてた癖に?」「悠太君?」はいすいませんでした!」

「まぁ……悠太君がシスコンなのはよく知ってるわ。

仲も良いみたいだし休日に一緒に出掛けたりもするでしょうね。

まぁ恋人繋ぎはやり過ぎかもしれないけれど仲が良ければ兄妹で手ぐらい繋ぐわよね。」

そう言って肩を竦めるハルたん会長。

「いや……だからって妹と恋人繋ぎは……。」

相変わらずうわぁな表情の片杉。

こう言うとこだぞ、これぞ大人の余裕ってやつだ……。

「そう!そうなんですよ!甘えん坊で困っちゃうなぁ、はは。」

「ペアシートに座ってたけどね。」

「「妹とペアシート!?」」

瑞穂!?せっかくハルたん会長が大人の余裕で話を収めようとしてくれてたのに!

「ぺ、ペアシートってあれよね。

そのカップルが使う。」

「はい、カップルがそれはもう至近距離でベッタリと仲睦まじく映画を楽しめるあのペアシートの事かと……。」

「そ、そんなの不健全だわ!」

「キス未遂もしてたしね。」

「「はぁ!?」」

「ちょぉっと待て!瑞穂!」

「何かな?このすけこましさん?」

うわぁ笑顔なのに怒りマークが見えるぞぅ?

「悠太君?」

ひぃっ!ハルたん会長が雪女みたいに冷気を放ってる!?

「キスはしてない!確かに後ろから見たらそう見えたかもしれないけどキスはしてないから!」

「本当に?」

「……多分。」

「「「は?」」」

「だ、だってしょうがないだろ!?寝てたんだから!」

「寝てた、ねぇ。

どうだか。」

「瑞穂!?」

「その時の映像と写真ならここにあるよ?見る?」

「志麻!?」

ここで志麻乱入。

「し、志麻お前まで……。」

「安心して?私はいつでも悠太の味方だから!」

「志麻っ……!」

初めてメンヘラストーカーに心から感謝した。

明日から足を向けて寝られない!

神様メンヘラストーカー様志麻様!ちょっと語呂が悪いな。

「でもそれとこれとは別だと思うの。」

「ほ?」

「わ、これは確かにやってるっぽいですね……。

あ、この動画後で送ってもらって良きですか?」

「悠太君?」

「志麻この野郎!?」

誰だ神様メンヘラストーカー様志麻様とか言った奴!俺だわ……。

と言うか片杉に送るのだけは絶対やめろよ!?

「と言うか瑞穂、ちょっと!」

 瑞穂を引っ張って廊下に出る。

「キャー、攫われるー、ケダモノー。」

「心にも無い事言ってんじゃねぇよ!」

ひっ、ハルたん会長の冷気が……!

「思ってますー。

あたしだって純粋でピチピチな女子高生なんだから。」

「純粋でピチピチな女子高生は堂々と男子風呂に突撃してこねぇんだよ……。

それよりなんだよ、もしかしなくてもめちゃくちゃ怒ってたり?」

「だとして誰のせいかな?」

「はい!僕です!」

「本当に分かってんの?

あの後あたしだけ戻って悠太は来ないって言った時のみんなの残念そうな表情を
一身に受けるあたしの気持ち。」

「うっ……。」

「理不尽な話だしアイツに喧嘩売られた腹いせについ女と一緒に屋上に行った、今頃イチャイチャしてんじゃない?

って言ったらその場の空気が変わったよね。」

あはは、と、実に愉快そうに言う瑞穂。

「いや、何言っちゃってくれてんの!?」

「嘘は言ってなくない?」

「確かに言ってないけども!

言い方に悪意がこもってるって言ってんだよ!」

「えー?だとしたら誰のせいかな?」

「はいっ!俺ですっ!」

「分かってんじゃん。

なら悠太はどうしてくれるのかな?」

「ははぁ、瑞穂様の仰せのままに!」

「ふーん?ならあたしとも文化祭、回ってくれるよね?」

「あ、はい。

って……いや待て待てそれはミスコンで決めるって話じゃ……。」

「あぁ、あれ後から考えたら無理だったわ。」

「え?」

「だってさ、うちの高校の文化祭3日開催じゃん?

で、その内初日は外部参加無し、2日3日は外部参加あり。

ミスコンは外部参加の票も集めた上で集計して、発表は3日目って事になりそうだし。」

「な、ならこの話はなかった事に……。」

「は?」

「ひぃっ!ごめんなさい!?」

「だから、文化祭後の後夜祭。

そこで一緒に過ごす権利をミスコンで決めるって事にする。

アイツにもそう言っておいて。」

「あ、いや……それは別に俺が言わなくても……。」

「何?あたしの蹴りがアイツの横腹にめり込む様が見たい訳?」

「俺から言わせて頂きます!」

こっわ!

「じゃ、戻ろっか。

あんまり長々と話してたら疑われそうだし。」

「そ、そうだな。

瑞穂、頼むぞ……?」

「帰りにスタフロね?」

「あ、はい……。」

「と、言う訳らしいよ。」

中に戻って瑞穂はあの日に至った経緯を簡単に説明してくれた。

「まぁ、色々納得行かない部分もあるけど……。」

「ふぅ、ゲスミもゲスミなら妹も妹って事ですか……。」

「おい馬鹿お前俺を馬鹿にするなら許すけど日奈美を馬鹿にするなら許さんぞ。」

俺がそう言うと片杉はため息。

と言うか瑞穂はともかくハルたん会長まで!?

「ごめんー遅くなっちゃった!」

と、ここで入って来たのは絵美だ。

後ろには蘭ちゃんもいる。

「絵美、どこ行ってたんだ?」

「あ、あのね、音楽室の先生に使用許可もらったり楽器を見せてもらってたの!」

「ドラムなんか初めて触ったわ……。

あんなんほんまにウチに叩けるんやろうか……。」

すっかり弱気な蘭ちゃん……。

俺も正直アコギはほぼ初めてだし不安しかない……。

「使用許可はバッチリ取れたからこの後からでも大丈夫だよ!」

「そう、ならそれぞれキリがいい所まで仕事を進めたら音楽室に移動しましょう。」

「はーい。」










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