彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。

遊。

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マスコットは1匹(?)じゃない

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さて、生徒会の仕事を終え、一行は音楽室へ。

「お、いらっしゃい。」

「あ、ぷっちょん先生!

今日からよろしくお願いします!」

先陣を切って音楽室に入った絵美が、挨拶する。

そして俺はその挨拶した先生……らしき生物を、思わず二度見する。

「お、悠くんもいらっしゃい。」

そう言って親しげに片手を上げて挨拶してくるその人……いや……右側の片耳だけ黒の白猫模様の着ぐるみを着た生物。

どうしようめちゃくちゃ見覚えがある、、

確かこの人(?)も俺のuthtuber時代の知り合いで、作曲や編曲をしたりそれを配信したりしてた人だ。

後から瑞穂に聞いた話だが、ぷっちょん先生も年齢、性別、正式名称は不詳である。

当然同じく着ぐるみキャラであるリュウたん校長とは人気を二分に分ける。

お互いに自分は着ぐるみじゃないと誇示しているが、お互いに人気が出るのは嬉しいらしく。

と言う訳でお互いにライバル視し合ってるらしい。

普通に考えたらクマが猫に勝てる訳ないのだが……。

そこは五分五分なのである。

どっちのグッズも好評発売中!

なんならファンクラブまであるぞ!

入会者募集中!ちなみに俺は日奈美ファンクラブ第一号であり唯一無二の会員である!他は一切認めない!

「はいはいシスコンシスコン。」

相変わらず口に出さなくてもこの言われようである……。

ほんと俺の事分かりすぎじゃない……?

ははぁん?さてはそんなに俺の事が好きなんだな?

と思ってたら思いっきり足を踏まれた!

「って!?」

「調子にのんなばーか。」

ちょっとからかってみただけじゃないの、、いや口に出してないんだけど!

「楽器の使い方は一通り分かるから任せてよ!」

そう言ってサムズアップするぷっちょん先生。

「え!じゃあキーボードで連弾が見たいです!」

と、瞳をキラキラさせながらそう言って絵美が挙手をする。

「任せて!」

そう言って早速キーボードに向き直るぷっちょん先生!しかし!

勢い良く鍵盤を叩くと、肉球の手では当たる範囲が広すぎて複数の音が混ざり合った音になる!

確かにそんなテクニックはあるにはあるらしいが、これはただの騒音だった、、

思わず全員耳を塞ぐ。

しかもそれは1回で済まない!

「あ、あれれー?おかしいなー?」

そんな小学生探偵みたいなセリフですっとぼけてももうダメな所まで来てるって!?

「ちょ、先生!」

見かねたハルたん会長が止めに入り、ようやくぷっちょん先生の手が止まる。

「ははは、今日はちょっとキーボードと相性悪いみたいだ。」

いや、これ今日だけでもないだろうし相性の問題でもないだろ……。

恐らく彼(声からして多分)以外のその場に居るやつ全員の総意である……。

「だ、大丈夫!他のなら出来るから!」

「あー……えっと……ならドラムとか……?

でもその手で……「任せて!」」

蘭ちゃんの言葉を遮り、バチを掴もうとするぷっちょん先生。

しかし掴めない!

当然である。

何しろ猫の手(着ぐるみ)だから!

いや、ワンチャン本物の猫の手なら掴むくらいは出来たかもだけど!

いや、ワンちゃんじゃなくて猫だけど!

とにかくこれぞ猫の手(本物)も借りたい状況である。

ほんとどうしてこうなった。

あ!ムキになってペダルで踏んで叩くやつドカドカやり出した!

シンバルも他のドラムも猫の手(着ぐるみ)で!

「ぷ、ぷっちょん先生!壊れます!壊れますから!」

再びハルたん会長が止めに入る。

「おっと、いかんいかん。

ちょっとロックになり過ぎたみたいだ。」

いやロックの解釈おかしいだろ、、むしろ叩き壊しに行ってるじゃん……。

本当の意味で岩とか持ち出して壊しかねない。

「ならギター!ギターなら!」

「「いえ、結構です……。」」

俺と片杉の声がハモる。

「真似をしないでください、気持ち悪い。」

「理不尽!?いやならこれどう返せと!?」

「そんなの、喜んで壊してくださいで良いじゃないですか。

まぁそれはそれで気持ち悪いですけど。」

「理不尽オブ理不尽ww」

「私のベースは母から貰った大切な物なんですから他の人に触ってほしくありません。」

「それを言ったら俺のアコギはストーカーから買い取った高級品だ馬鹿野郎。」

「字面にしたらだいぶ酷いですね……。

と言うかそんな物を私の宝物に一緒にしないでください。」

いや、確かにそれは認めるけども……。

「わ、分かった!

助っ人を呼ぶから!

ちょっとまっててくれ!」

そう言ってぷっちょん先生は準備室へと走る。

それから数分後。

「どうもー。」

「「「「「「!?」」」」」」

生徒会メンバーのリアクションが重なる。

出てきたのは普通の人間。

ただし、プロレスラーのようなマスク、さっきの片耳だけの黒縁が左右逆転してる顔の装飾がされた物を被っている。

「やぁ皆、僕はぷっちょんの兄のハイチョンだよ!」

「「「「「「いやいや……」」」」」」

また全員の思考が被った、、た。

と言うか地味に名前を似たようなお菓子の名前に変えるんじゃない……怒られるぞ……。

ちなみにその後に楽器演奏したぷっちょん先生の兄(自称)は普通にプロだった……。

いや、最初からそうしろよ……。

と、また全員の思考が被るのだった……。







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