異世界貴族は家柄と共に! 〜悪役貴族に転生したので、成り上がり共を潰します〜

スクールH

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少年編 2章

第24話 救い (レーナ視点)

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私は逃げるように部屋を出た。

気持ち悪いあの人達から。


何で?

大人は何でそんな事を言うの?

希望を持って何が悪いの?

奴隷だから駄目なの?

何で?


あの時、ウッデン侯爵の言葉は気持ち悪く吐き気がする。

私をそういう目でしか見ていなかった。

人間として見られていない。


そして、確信した。

もう元の生活には戻れない、と。

遅すぎる気づき。

いつか父様も母様も助けに来てはくれない。

希望なんて持っては駄目なんだ。



生きる意味



それはもう無い。

死ねば良い。

死んだら楽になれる。

あの主だって、ルイ公爵令息だって私を救おうとしない。

誰からも見放されたんだ。


「もう・・・」

私は立ち止まった。

何処か分からない場所で。


「待て、死ぬな」

不意に後ろから声がした。

振り返るとそこにはルイ公爵令息がいた。

「早まるんじゃない」
「うるさい!」

叫んで否定する。

「貴方みたいな恵まれたものに私の気持ちが分かるわけ無い!」
「・・・・・・」

何で?

どうしてそんな哀れんだ目で見てくるの!?

「順風満帆だと思っていた人生だった。でも、急に不幸が襲いかかってきて、両親には捨てられ、自分が持つもの全てを奪われた!
希望を持って一年以上耐えてきた。両親が助けてくれるんじゃないかって。でも、そんなの叶わない。両親はもう私を助けには来てくれないし、私は奴隷のまま生涯を終える!」

そんなの耐えられない!

今まで溜めてきたものを全て吐き出すように叫ぶ。

「だから、ここで死ぬしか私は救われない。貴方の言葉に惑わされた私が馬鹿だった!誰も私を救えはしない!」

どうして私なんだろう?

何でこんな人生に・・・

「はぁ~子供だな」

彼は、ため息混じりに言葉を吐いた。

「子供?貴方もでしょ!」

何に馬鹿なことを・・・

「まあそうだけどさ・・・。とりあえず死ぬんじゃない。救われないぞ」
「何を根拠に!」

私が問いかけると少し俯き、物語を話すように言い出す。

「レーナはまだ全然生きていない。経験したこと無いだろ?周囲から自分を慕っていた人達がいなくなることを。格下だと思っていた奴に抜かされたことを。両親に種だけを期待されたことを。知らない人を妻にもらうことを。期待に答えられず散ったことを。自分の子供を取られたことを。
死んだことを。
経験したこと無いだろ。どれだけ辛いか。大人になったら希望なんて持てやしない。全て無くなれば、死を待つだけ。どれだけ苦しいか」

な、何をこの人は言っているの?

まるで経験したかのように話すし。

「まあ、何がいいたいかって言うと、そうなるな、ってこと。君にはまだ未来がある。諦めるには早すぎる。死に希望なんて持ったら駄目だ。そんな事をしたら・・・僕みたいに駄目な人になる」

最後の言葉は聞き取れなかった。でも、何でそんな事言うのか理解できない。

「貴方に!そんな事を言う資格はないでしょ!」
「何で?」
「何でも何も、貴方が私を縛っている原因でしょ!そんな事を言うんだったら解放をしてよ!」
「それこそ馬鹿だ。お前が一人になればウッデンみたいな貴族たち、奴隷商人に捕まるだけだ」
「そう、ですけど」

確かに既に狙われている身だ。でも、

「だからって貴方の下につかなきゃいけないの?」
「そうだ」

返答はすぐにきた。

「僕の下だったらある程度自由にできるはず。もちろん、そういう性のことにお前を使おうとも思わないし、伸び伸び暮らさせる事を約束しよう。
と、後で言おうと思っていたんだ。お前が暴走して予定が少し狂った」

軽いため息を吐く。

「どうして、何で私に構うの?」

まだ、理解できない。

彼のような家柄全てという思考を持った人がどうして奴隷になった私を救う?

「善意だ。そう思ってくれればいい」
「訳が分からないわ」
「そうだろうな。僕自身も自分の行動に驚いているところだよ」

肩をすくめて静かに笑う。

「変な人」
「失礼だな」
「ふふ」

私は笑った。

久しぶりに。

何が面白かったのかわからない。

でも、心が軽くなったのは感じた。

「貴方は私を救ってくれるの?」
「ああ、もちろん。それが僕の善意だ」
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