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学園編 5章
第127話 推理
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「急に何のことを話し出すんだ、ルイ?暗殺?魔法協会だと?俺に言われても分からないぞ。人を間違えたんじゃないのか」
明らかに饒舌になるラオス。
「ちょっと、ルイ!貴方、急に何言っているのよ!ラオス先生が何かしたって言うの!」
まだ分かってないのかよ!!!
じゃあ一個ずつ説明してやるか。
「事の発端は僕が無詠唱魔法を使った時に話が遡る」
「そこからなの?」
「元々他の人間を監視する目的があった魔法協会は、突如目の前に現れた僕に驚きを隠せなかった。自分たちが長年成し遂げられなかった魔法を子供が成し遂げてしまい、協会はめちゃめちゃ焦った」
魔法協会が焦った理由は二つ。
第一に、自分たちが無能だという烙印が世間から押され、発言力が低下してしまうから。
第二に、元々の監視対象が僕のせいで霞んでしまい、当初の目的が遂行できなくなるから。
以上の二つの理由で僕という存在が邪魔になった。
だが、さらに厄介な問題もあった。
それは、僕が国内最高位の貴族であるブルボン公爵家の長男であること。
だから、あからさまに僕を消すことはできず、事故などを装って裏で暗殺するしか方法は無かった。
学園入学後、間もない時点で、すでにアルスとレーナは魔法協会の行動を察知していた。
僕は特に気にしていなかったが、二人は危機感を持ち、学園内に新たな派閥を作った。
「それに私が巻き込まれたのね・・・」
「まあ、そうだな」
それが原因で家の中で孤立してしまったナータリには気の毒だが、まぁ、ドンマイ!としか言いようがない。
たしかに、派閥のボスである僕の周囲に人が集まることで、暗殺が容易にはしにくくなる。
派閥は僕を守る壁、人間の盾や城のようなものだ。外敵から身を守れる。
そういう意図もあって派閥を大きくしていった。
だが、ここで大きな誤算があった。
魔法協会は自治の強いこの学園に対して、実はあまり影響力を持っていなかった。
その事を知らなかった僕は、第一皇子と第二皇子の誘いをどちらも断ってしまった。
第二皇子はまだよかったが、第一皇子を怒らせたのはまずかったようだ。
と言うのも、魔法協会の狙いを知った第一皇子派は、協会の者を学園内に手引して僕を狙うよう指示したからだ。
ただし、この点に関してはまだ証拠不十分。なので、憶測の域を出ないが…
とはいえ、ともかく、一つだけ確実なことがある。
それは、
「ラオス先生、貴方は魔法協会側の人間ですよね!?」
そう聞かれて、一段と顔を青くするラオス。
「最初に違和感と言うか疑問に思ったのは、あのダンジョンの時です」
「ダンジョン?」
「どうしてゴーレムを見た時、『まさかゴーレムだったのか!』と先生は発言をしたのか?どうして子供思いの先生が、一生徒にすぎない僕にゴーレムとの戦闘を任せたのか?と」
「二つ目の質問は、貴方が強いと分かっていたからじゃないの?」
ナータリの推理はもっともである。
だが、やはりラオスは生徒にそんなリスキーなことはさせないはずだ。
まず最初の疑問から理解されたのは、まるで最初からすでに何かが来ることが分かっていたような口ぶりであること。
ただ、何が現れるかは正確には知らなかったような口ぶりなこと。
二つ目の疑問については、それはラオスの性分とはおよそかけ離れた行動であること。
子供好きで、生徒を守ろうとする教師の鏡のような本質がラオスであるならば、生徒がどんなに強かろうとゴーレムクラスの魔物を任せるわけがない。
それに、僕が強いと聞いてはいても実際に僕が戦っているところを見たことが無い。だから、僕の「勝てる!」という言葉を鵜呑みにするはずもない。
もちろん、ここまでの推理にはこじ付け的な部分もあるかもしれないが。
人間だから、急に心変わりする時もある。
「さらに言うと、先生は、ダンジョンで僕たちBチームが進むルートを変えましたよね?元々ダンジョンには三つの道があった。Aグループは第一の道、そしてBグループは第三の道を行く予定だった。ですよねー?少なくとも我々が入手した事前の指導計画書にはそう書いてありましたよね。なのに、第二の道を僕らは行くことになった」
そう言って、極秘ルートで入手した資料をひらひらと見せる。
学園からダンジョンに行くには瞬間移動しか無い。
ラオスがあの魔法陣を書いた張本人だから、当然そこに流す魔力の調整も知っており、三重になっていた魔法陣の真ん中、つまり第二の道を発動させたのだろう。
そう考えれば全て説明がつく。
「・・・・・・・・・」
ラオスは黙りっぱなし。
「まだあるぞ」
「まだあるの!」
当たり前だ。今日の日のために、どれだけ証拠を集めたと思っている。
あの「夏休みの旅行」という名の調査。
あの時、僕らが泊まった家は第一皇子派の貴族の屋敷だった。
宿泊時に、家主がやたらしつこく第一皇子派に僕を勧誘してきたのは、今にして思えば言わば最後通牒のようなものだったのだ。
その後、渋々受けた依頼で戦った野盗ども。
聞いていたよりも野盗の数が多かったのは、あえて少ない数を言って僕たちを油断させようとしたのだろう。
そして、その野盗の死体から見つけた高価なモノ。
その正体は、魔力を流すと文書が見れる時計であった。
そこには我々が泊まった第一皇子派の家主から野盗どもへ、僕を殺すように文書で指示が出されていた。
馬鹿な奴らだ!!
とりあえず、僕は知らないふりをしてそのまま調査を続けたが。
「・・・とまあ、ざっくり言えばこんな感じだ。ラオス先生は、ダンジョンの件で間接的に僕を殺そうとした罪がある。言い逃れはできませんよ。それに他にも証拠品はあるぞ」
息を殺し、黙秘を続けるラオス。
はぁ~~、じゃあ、あれを言うしか無いな。
「先生、あんた脅されていたんでしょ?」
その言葉を聞いてラオスが目も口もあんぐりと開ける。
「ど、どうして、それを?」
「先生、大丈夫です。安心して下さい。私達の方で保護しましたから」
レーナが優しく教える。
その途端にラオスは両膝を折り、突っ伏して泣き崩れた。
明らかに饒舌になるラオス。
「ちょっと、ルイ!貴方、急に何言っているのよ!ラオス先生が何かしたって言うの!」
まだ分かってないのかよ!!!
じゃあ一個ずつ説明してやるか。
「事の発端は僕が無詠唱魔法を使った時に話が遡る」
「そこからなの?」
「元々他の人間を監視する目的があった魔法協会は、突如目の前に現れた僕に驚きを隠せなかった。自分たちが長年成し遂げられなかった魔法を子供が成し遂げてしまい、協会はめちゃめちゃ焦った」
魔法協会が焦った理由は二つ。
第一に、自分たちが無能だという烙印が世間から押され、発言力が低下してしまうから。
第二に、元々の監視対象が僕のせいで霞んでしまい、当初の目的が遂行できなくなるから。
以上の二つの理由で僕という存在が邪魔になった。
だが、さらに厄介な問題もあった。
それは、僕が国内最高位の貴族であるブルボン公爵家の長男であること。
だから、あからさまに僕を消すことはできず、事故などを装って裏で暗殺するしか方法は無かった。
学園入学後、間もない時点で、すでにアルスとレーナは魔法協会の行動を察知していた。
僕は特に気にしていなかったが、二人は危機感を持ち、学園内に新たな派閥を作った。
「それに私が巻き込まれたのね・・・」
「まあ、そうだな」
それが原因で家の中で孤立してしまったナータリには気の毒だが、まぁ、ドンマイ!としか言いようがない。
たしかに、派閥のボスである僕の周囲に人が集まることで、暗殺が容易にはしにくくなる。
派閥は僕を守る壁、人間の盾や城のようなものだ。外敵から身を守れる。
そういう意図もあって派閥を大きくしていった。
だが、ここで大きな誤算があった。
魔法協会は自治の強いこの学園に対して、実はあまり影響力を持っていなかった。
その事を知らなかった僕は、第一皇子と第二皇子の誘いをどちらも断ってしまった。
第二皇子はまだよかったが、第一皇子を怒らせたのはまずかったようだ。
と言うのも、魔法協会の狙いを知った第一皇子派は、協会の者を学園内に手引して僕を狙うよう指示したからだ。
ただし、この点に関してはまだ証拠不十分。なので、憶測の域を出ないが…
とはいえ、ともかく、一つだけ確実なことがある。
それは、
「ラオス先生、貴方は魔法協会側の人間ですよね!?」
そう聞かれて、一段と顔を青くするラオス。
「最初に違和感と言うか疑問に思ったのは、あのダンジョンの時です」
「ダンジョン?」
「どうしてゴーレムを見た時、『まさかゴーレムだったのか!』と先生は発言をしたのか?どうして子供思いの先生が、一生徒にすぎない僕にゴーレムとの戦闘を任せたのか?と」
「二つ目の質問は、貴方が強いと分かっていたからじゃないの?」
ナータリの推理はもっともである。
だが、やはりラオスは生徒にそんなリスキーなことはさせないはずだ。
まず最初の疑問から理解されたのは、まるで最初からすでに何かが来ることが分かっていたような口ぶりであること。
ただ、何が現れるかは正確には知らなかったような口ぶりなこと。
二つ目の疑問については、それはラオスの性分とはおよそかけ離れた行動であること。
子供好きで、生徒を守ろうとする教師の鏡のような本質がラオスであるならば、生徒がどんなに強かろうとゴーレムクラスの魔物を任せるわけがない。
それに、僕が強いと聞いてはいても実際に僕が戦っているところを見たことが無い。だから、僕の「勝てる!」という言葉を鵜呑みにするはずもない。
もちろん、ここまでの推理にはこじ付け的な部分もあるかもしれないが。
人間だから、急に心変わりする時もある。
「さらに言うと、先生は、ダンジョンで僕たちBチームが進むルートを変えましたよね?元々ダンジョンには三つの道があった。Aグループは第一の道、そしてBグループは第三の道を行く予定だった。ですよねー?少なくとも我々が入手した事前の指導計画書にはそう書いてありましたよね。なのに、第二の道を僕らは行くことになった」
そう言って、極秘ルートで入手した資料をひらひらと見せる。
学園からダンジョンに行くには瞬間移動しか無い。
ラオスがあの魔法陣を書いた張本人だから、当然そこに流す魔力の調整も知っており、三重になっていた魔法陣の真ん中、つまり第二の道を発動させたのだろう。
そう考えれば全て説明がつく。
「・・・・・・・・・」
ラオスは黙りっぱなし。
「まだあるぞ」
「まだあるの!」
当たり前だ。今日の日のために、どれだけ証拠を集めたと思っている。
あの「夏休みの旅行」という名の調査。
あの時、僕らが泊まった家は第一皇子派の貴族の屋敷だった。
宿泊時に、家主がやたらしつこく第一皇子派に僕を勧誘してきたのは、今にして思えば言わば最後通牒のようなものだったのだ。
その後、渋々受けた依頼で戦った野盗ども。
聞いていたよりも野盗の数が多かったのは、あえて少ない数を言って僕たちを油断させようとしたのだろう。
そして、その野盗の死体から見つけた高価なモノ。
その正体は、魔力を流すと文書が見れる時計であった。
そこには我々が泊まった第一皇子派の家主から野盗どもへ、僕を殺すように文書で指示が出されていた。
馬鹿な奴らだ!!
とりあえず、僕は知らないふりをしてそのまま調査を続けたが。
「・・・とまあ、ざっくり言えばこんな感じだ。ラオス先生は、ダンジョンの件で間接的に僕を殺そうとした罪がある。言い逃れはできませんよ。それに他にも証拠品はあるぞ」
息を殺し、黙秘を続けるラオス。
はぁ~~、じゃあ、あれを言うしか無いな。
「先生、あんた脅されていたんでしょ?」
その言葉を聞いてラオスが目も口もあんぐりと開ける。
「ど、どうして、それを?」
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