異世界貴族は家柄と共に! 〜悪役貴族に転生したので、成り上がり共を潰します〜

スクールH

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学園編 5章

第129話 交渉③

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今日は一話投稿です

―――


「おや、本当に来ていただけるとは思いませんでした」
「嘘をつけ。最初から全てを知っていたんだろ!」

はて?何のことやら。

「まぁ~~~とにかくぅ~~~、行きましょうよぉ~~」

いつもよりも語尾を長めに伸ばすイルナ。

「ねえ、これどういう状況よ!」
「後で話す」

ナータリの質問を無視して僕たちは後に付いて行く。

襲撃があるかもしれないとオールドが周りを警戒するが、特に何も起こらない。

アリオスとイルナは後ろを振り返ることなく無言のまま歩き続ける。

階段を下り、くねくねと右へ左へと複雑に通路を曲がること数十分。

「着いたぞ」

アリオスが示したのは何も無い壁。

だが、アリオスが詠唱をした瞬間、大きな音をたてて壁が動き出す。

しばらくして、目の前に通路が現れた。

所謂隠し部屋に続く通路だろう。

アリオス先頭、オールド最後尾で横幅の狭い道を進む。

更にうねうねと蛇行した後。

ついに目的の部屋・・・ではなく行き止まりの壁に到着した。

そこでまたアリオスが詠唱すると、先程と同じように壁が動く。

ようやく現れたのが、隠し部屋だった。

中に入ると、予想以上の大きな部屋で正面の円形テーブルにずらりと椅子が並ぶ。

壁には何人もの肖像画がかかり、壁面の棚には重要そうな本が並ぶ。

まあ、室内の様子はどうでもいい。

問題は正面の円形テーブルに座る二人の男だ。

見覚えのある顔だった。

一人は顎にヒゲを蓄えた老人。たしか魔法協会の会長だった気がする。

もう一人は禿頭をした会長よりは若そうな男。たぶん魔法協会の会計担当だ。

資料に一通り目を通したが、そこまで詳しく覚えている訳じゃないし。

「おお、やっと来たな。ご足労をかけた」
「全くだ。遠すぎる。次回は瞬間移動だな」

僕の返答を聞いて隣の禿げがこちらをギロリと睨んでくる。

「そうじゃな、この老体にはキツイものだよ。改めて、魔法協会会長のフアンズと申す。機密情報ゆえ姓は割愛するぞ」
「魔法協会のテッペンだ」

こちらは姓も役職も言わない。無礼な奴だ。

これで姓がハーゲだといいのに!

とりあえず、こちらも挨拶をする。

「ルイ・デ・ブルボンだ」
「アルスと申します」
「レーナです」
「護衛を務めるオールドです」
「え、あ、ナータリと言います」
「ラオスです」 

ん?僕だけ姓を名乗ってしまった。ま、気にすることでもないか。

「ルイ君や、急に魔法協会に押しかけてきて何の御用かね?」

この爺、とぼけてやがる。さっき、はっきりと、ご足労をかけた、とかお爺ちゃん言ってたよな?ぼけてるのか、とぼけてるのか、はっきりしろ!分かっているくせに。

「おやおや?逆に聞くが、どうして急にここに連れてきたのかを教えてもらいたい」

フアンズがニヤリと笑う。

「暗殺するため、と言ったら・・・?」
「馬鹿馬鹿しい、成功するわけ無いじゃないか」

このジジイは、やっぱり極悪タヌキだな!かまをかけてきたな。

だが、今ここには僕とアルス、レーナ、更にオールドまでいる。ましてや、公爵家の人間が負けるはず無い。

「・・・どうぞ座って」

話の間にアリオスが入る。

言われるがまま僕らは座る。

しばらく沈黙が続いた後、耐えきれずナータリが小声で話しかけてくる。

「ちょっと、本当にこれ、どういう状況よ!なんでアリオス先生とイルナ先生がいるの?どうしてこんなところで話が行われるの!?」

一から答えてもいいが、その前にフアンズが口を開いた。

「さて、ルイ君。早速交渉に入ろうじゃないか?」
「もう入るのか?」

僕の返答に笑って答える。

「ホッホッホッ!すまんのぉ、この状況は老人にとってキツイものでの。早く終わらせたいんだ」

だが、その目は笑っておらず、鋭く光っていた。

おそらく僕がらみの件は早く無かったことにしたいんだろう。

「その前に色々と整理だ。まずは僕が集めた資料に目を通していただきたい」

そう言うと、オールドが資料を配布する。

ちなみに確実な証拠がこちらにある件については、チェックを入れている。

「チェックの入っているところに間違いは無いな?」
「ホッホッホッ、公爵家は本当に怖いの。ここまで調べ上げているとは」

つまり、事実だと認めたな。

「後、質問だ。アリオス先生とイルナ先生はそちら側の人間で間違いないか?」

その質問にアリオスが答える。

「本来はそうだが、今回は司会のような役回りを担う」

なるほど、分かった。

「こちらからも質問をしていいかね?」
「どうぞ」
「今回の件に、ラノルド殿は関わっているのかね?」

なるほど、父が関与しているのかどうか気になるか。

「関わっていないが把握はしているぞ。だから手荒な真似をしたら・・・」

父が黙っていないはずだ。

「分かっておる。そこまで馬鹿な真似はせぬ」
「ならいい」

では、最後の質問をしよう。

「精霊術についてそちらはどこまで知っているんだ?」
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