異世界貴族は家柄と共に! 〜悪役貴族に転生したので、成り上がり共を潰します〜

スクールH

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学園編 5章

第130話 交渉④

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「精霊術!?!?!何よそれ!」

真っ先に反応したのはナータリだった。

ああ、そうか、こいつにはまだ話していなかったんだ。

僕はレーナに目くばせして、ナータリに教えるよう指示する。

僕は目の前にいる奴らと交渉だ。

「お答えいただけますか?」

わざとらしく敬語で聞くが、相手は口を閉じたまま。

何も答えない。

しばし沈黙が続く。

隣からは、「え!」、「そんな!」、「本当に!?」とうるさい声が聞こえていたが、それは無視した。

「一つ聞いていいか?」

アリオスが最初に口を開く。

「ルイ、君はどうして精霊術を知っているんだ?」

ギクリ!そこを聞きますか。

精霊術は魔法協会でも一部の人しか知らない機密情報扱い。

それを子供の僕が知っているのはおかしいと考えたのだろう。

「別に。調べていたら、たまたま見つけただけですよ」

ここは無難に答える。

訝しむ四人だが、それ以上は追求してこない。

僕もまさか、前世で読んだ、などと馬鹿げた事は言わない。

「で、こちらの質問に答えてください」

目を閉じていたフアンズが口を開く。

「この資料に書いてある事は大体承知している。だが、それ以上の情報は・・・話せない」

これも予想通りの返答だ。

しかし、実はこの資料には彼らがまだ知らない事が一つだけ書かれていた。

「え~~本当によろしいんですか?情報交換のいい機会なんですよ!魔法協会は遺跡についてもっと知りたいんじゃないですか?」

僕の言葉に虚を突かれたように、顔をこちらに向ける。

彼らが今一番知りたい情報は、僕らが夏休みに調査に行ったあの不思議な遺跡のはず。

あそこは、まさしく精霊術師らが造り、今も何らかの理由で守っている場所。言わば聖地のようなところだ。

精霊術と対立している魔法協会としては、何としても知りたい情報のはず。

実際、彼らもあの遺跡の重要性については理解しているはず。

だが、調査しようとしたが失敗している。

調査の際に僕らが耳にした、あの横暴な貴族の話によると。

それから、村長の話では遺跡周囲を勝手に荒らされた、と文句を言っていたが事実はそうでないだろう。

おそらく、遺跡周囲の詳細な分析のためにサンプル採取でそこに行ったはずだ。

だがそこで、監視者に捕まり協会から派遣された者が殺された。

これが真相だろう。

遺跡調査に失敗した魔法協会。

彼らとしては、あの遺跡についてどうしても情報を手に入れたい。

だが、また犠牲者を出してまで再度調査者を派遣するかどうかは迷っているだろう。

そんな時に、あの遺跡の情報を持っている本人が目の前にいる。

彼らとしては何としても僕から情報を聞き出したい。

でも、下手に出ると僕に足元を見られるだけ。

そんな考えから、渡した書類の中で言及している遺跡については、あえて触れなかったのだろう。

甘いな。そっちの考えている事は全てお見通しだ。お前ら、痩せ我慢は止めな!

「そこに書かれてある遺跡の情報は一部だけですよ?僕と交渉しなくていいんですか?」

「チッ!」

誰かが舌打ちをする。

さて、どう出る?

「君は何が望みなんだ?」

ほら、早速突っ込んできたな。

「そうですね、こちらが示す条件としてはあなた方の謝罪、無詠唱魔法の黙認、公爵家や関係者への不介入。まあ、ここら辺ですね」

「情報の引き渡しはしなくていいのだな?」

僕は失笑する。

「情報?ご冗談を!あなた方が持っているレベルの情報なんか、全て把握していますからご安心を。情報に関しては僕らのほうが把握してるので」

顔を顰める魔法協会幹部。

その反応は無理もないか。

数百年も協会が秘匿してきた情報が、まだ、たった十数年しか生きていないガキに知られているのだから。

まあ、ドンマイ!

「・・・・無詠唱魔法の黙認は、承服しかねる」
「ほぉ、どうしてですか?」
「当たり前だ。それは魔法協会の威信に関わるからだ。そう簡単には容認できない」
「では、全面戦争ですかー?」

戦力-軍事力で勝る公爵家と政財界との太いパイプを持っている魔法協会。

父上も僕が暗殺されかけたのだから協力はしてくれるはず。

「それは流石に嫌じゃよ。国の繁栄の妨げはごめんだ」

確かに。こちら側としても不利な戦いになる。

貴族の力を削ぎたい皇族たちが、適当な理由を付けて僕らの討伐を命じるかもしれない。

そうなると戦いは不利だ。

…と、ここまでも大方予想通りの進行だ。

ふと横を見ると、うなだれているナータリ。

あまりに大きな真実を知り容量超えをしてしまい、頭がパンクしたのだろう。

だが、彼女にはまだ大きな役割があるんだが。

「では、一つ提案させていただきたい」
「何だね?」
「僕が学園を去るというのはどうでしょうか?」
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