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学園編 6章
第144話 簡単!
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「ちょっと、ルイ!これはどういうことよ!」
「ゴフッ!!」
久しぶりの家でのんびりしていると、突然部屋に母ヨーハナが侵入してきた。
紅茶を楽しんでいた僕はびっくりして思わずむせてしまう。
「は、母上!急にどうされたのですか!?」
「どうされたじゃないわよ!留学させられるって本当なの?!」
母の目が怖い。
「もし無理やりだったらちゃんと言ってね。私がしっかりその話は潰しておいてあげるから」
目が怖い。
そしてこの母ならやりかねないし、やるだろう。
「父上から事情を聞いたのではないのですか?」
「聞いたわ。でも本当にするとは思わなかったわ。しかも、あのアメルダ民主国に行かされるなんて!あの人、絶対許さないわ」
・・・父上、早くお逃げください。
しかし、母の説得を父に任せて正解だった。
お陰でこちらには矛先が向かなくて済んだ。
その後、何故か僕への説教も始まったがすぐ終わり、部屋から出ていった。
「おい、アルス。何故隠れている」
僕は部屋の隅の方に目線を向ける。
しばらくして、紅茶のカップを持ったアルスが姿を現す。
「お前、母上が入ってくると分かっていたな」
「まあ、奥方様が帰ってきたことは掴んでいたので」
「・・・何故教えなかった」
首をすくめるアルス。
「まあ、いい。それより買収は着々と進んでいるか?」
「ええ、まあ」
アメルダ民主国に行くうえで大事なことは、政府高官や経済界の重鎮を買収することだ。
「すでに、大物政治家と呼ばれている数人は買収し終えました。経済界の方もいくつかの大手商会トップを取り込みました」
「ご苦労」
こいつらを引き込むなんて簡単だ。
金で釣るか、弱みを握れば良い。
前世でも多くの国の要人や政財界の大物たちとも会ってきた。
その経験が多く活きている。
その僕の経験によれば、金で買収するのは手っ取り早いが、同じ金額を使って相手の弱みや秘密を握る方がより使える。
いつも何処ら辺で誰と飲んでいるか、不倫していないか、違法なことや危ないことに手を出していないか・・・身辺の情報収集にお金を支払う。
自分の持てる情報収集力を存分に活かして、僕には全てお見通しだ。
世界やイデオロギーが変わろうが、こういう権力を握っている連中の行動パターンは大して変わらない。
「ルイ兄様は本当にすごいですね。別の国の人にもかかわらず行動を把握できるなんて」
「そんなのは簡単だ」
本当に簡単だ。
「ところでレーナは何をやっている?」
「学園での後処理とナータリへの指導です」
指導?ああ、ナータリがナーレに変身するためのか。
「さて、こちらも出発準備を始めなくてはならないな」
「はい、そうですね」
留学に行くメンバーは四人。
僕、アルス、レーナ、セバス。
セバスは「左遷」という形だ。僕に対する「監督不行き届き」という理由で。
アメルダへの道のりはまあまあある。
まず馬車で港まで約五日間。
そこから船で約十日間かけて向かう。
アメルダ民主国の首都、ラウシルトンに着いた僕らは早速市街を馬車で進む。
帝都とはまた違った別の賑わいがあり、人がワンサカといる。
露店で商売している店は少なく、どこも店舗を構えそれぞれ店内で商売を行っている。
「どこか別世界に来た感じがしますね」
アルスの呟きに、何故だかドキッとする。
「活気はありますが・・・正直に申しますと、どこも高級商店街のような雰囲気を醸し出している感じがします」
言われてみれば確かにその通りだ。
帝国の普通の露店はどこも素っ気なく、露店であるがゆえにわざわざお洒落してまで行きたいとは思わない良くも悪くも庶民的・大衆的であった。
だが、この国の商店街の店は豪華とまでは言えないが、どの店舗も小綺麗にしてお洒落で品のある店ばかりが立ち並んでいた。
ここら辺は前世の僕のいた国とよく似ている。
前世で海外に赴いた際、自国と異国の街並みの違いに関して今回とは真逆ではあるが、同じような印象を抱いたことがある。
「そうだ、これから入学するところは何処なんだ?」
「この国では最高峰のスタンフォルス高等というところです。本来は競争倍率の高い入学試験を受ける必要があります。ですが、普通科コースには金持ちが多くいると聞いて、もしやと思い裏情報も調べてみたところ、やはり賄賂で入学した生徒が多くいることが分かりました」
「そんなに倍率高いのか?」
「ええ、普通科も進学科も高いです。普通科で私たちの学園のおよそ十倍、進学科はさらにその十倍あります」
百倍かよ!
いやぁ、賄賂って偉大だな!
「僕たちは、新学期から二年生として入学か?」
「はい、そうです」
僕を殺した前世と似ている国、アメルダ民主国。
そこで、家柄がどれだけ正義なのか。
目にもの見せてやる!
ーーー
次回、学園編最終話!
「ゴフッ!!」
久しぶりの家でのんびりしていると、突然部屋に母ヨーハナが侵入してきた。
紅茶を楽しんでいた僕はびっくりして思わずむせてしまう。
「は、母上!急にどうされたのですか!?」
「どうされたじゃないわよ!留学させられるって本当なの?!」
母の目が怖い。
「もし無理やりだったらちゃんと言ってね。私がしっかりその話は潰しておいてあげるから」
目が怖い。
そしてこの母ならやりかねないし、やるだろう。
「父上から事情を聞いたのではないのですか?」
「聞いたわ。でも本当にするとは思わなかったわ。しかも、あのアメルダ民主国に行かされるなんて!あの人、絶対許さないわ」
・・・父上、早くお逃げください。
しかし、母の説得を父に任せて正解だった。
お陰でこちらには矛先が向かなくて済んだ。
その後、何故か僕への説教も始まったがすぐ終わり、部屋から出ていった。
「おい、アルス。何故隠れている」
僕は部屋の隅の方に目線を向ける。
しばらくして、紅茶のカップを持ったアルスが姿を現す。
「お前、母上が入ってくると分かっていたな」
「まあ、奥方様が帰ってきたことは掴んでいたので」
「・・・何故教えなかった」
首をすくめるアルス。
「まあ、いい。それより買収は着々と進んでいるか?」
「ええ、まあ」
アメルダ民主国に行くうえで大事なことは、政府高官や経済界の重鎮を買収することだ。
「すでに、大物政治家と呼ばれている数人は買収し終えました。経済界の方もいくつかの大手商会トップを取り込みました」
「ご苦労」
こいつらを引き込むなんて簡単だ。
金で釣るか、弱みを握れば良い。
前世でも多くの国の要人や政財界の大物たちとも会ってきた。
その経験が多く活きている。
その僕の経験によれば、金で買収するのは手っ取り早いが、同じ金額を使って相手の弱みや秘密を握る方がより使える。
いつも何処ら辺で誰と飲んでいるか、不倫していないか、違法なことや危ないことに手を出していないか・・・身辺の情報収集にお金を支払う。
自分の持てる情報収集力を存分に活かして、僕には全てお見通しだ。
世界やイデオロギーが変わろうが、こういう権力を握っている連中の行動パターンは大して変わらない。
「ルイ兄様は本当にすごいですね。別の国の人にもかかわらず行動を把握できるなんて」
「そんなのは簡単だ」
本当に簡単だ。
「ところでレーナは何をやっている?」
「学園での後処理とナータリへの指導です」
指導?ああ、ナータリがナーレに変身するためのか。
「さて、こちらも出発準備を始めなくてはならないな」
「はい、そうですね」
留学に行くメンバーは四人。
僕、アルス、レーナ、セバス。
セバスは「左遷」という形だ。僕に対する「監督不行き届き」という理由で。
アメルダへの道のりはまあまあある。
まず馬車で港まで約五日間。
そこから船で約十日間かけて向かう。
アメルダ民主国の首都、ラウシルトンに着いた僕らは早速市街を馬車で進む。
帝都とはまた違った別の賑わいがあり、人がワンサカといる。
露店で商売している店は少なく、どこも店舗を構えそれぞれ店内で商売を行っている。
「どこか別世界に来た感じがしますね」
アルスの呟きに、何故だかドキッとする。
「活気はありますが・・・正直に申しますと、どこも高級商店街のような雰囲気を醸し出している感じがします」
言われてみれば確かにその通りだ。
帝国の普通の露店はどこも素っ気なく、露店であるがゆえにわざわざお洒落してまで行きたいとは思わない良くも悪くも庶民的・大衆的であった。
だが、この国の商店街の店は豪華とまでは言えないが、どの店舗も小綺麗にしてお洒落で品のある店ばかりが立ち並んでいた。
ここら辺は前世の僕のいた国とよく似ている。
前世で海外に赴いた際、自国と異国の街並みの違いに関して今回とは真逆ではあるが、同じような印象を抱いたことがある。
「そうだ、これから入学するところは何処なんだ?」
「この国では最高峰のスタンフォルス高等というところです。本来は競争倍率の高い入学試験を受ける必要があります。ですが、普通科コースには金持ちが多くいると聞いて、もしやと思い裏情報も調べてみたところ、やはり賄賂で入学した生徒が多くいることが分かりました」
「そんなに倍率高いのか?」
「ええ、普通科も進学科も高いです。普通科で私たちの学園のおよそ十倍、進学科はさらにその十倍あります」
百倍かよ!
いやぁ、賄賂って偉大だな!
「僕たちは、新学期から二年生として入学か?」
「はい、そうです」
僕を殺した前世と似ている国、アメルダ民主国。
そこで、家柄がどれだけ正義なのか。
目にもの見せてやる!
ーーー
次回、学園編最終話!
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