異世界貴族は家柄と共に! 〜悪役貴族に転生したので、成り上がり共を潰します〜

スクールH

文字の大きさ
167 / 188
留学編 2章

第167話 真実と戦い 

しおりを挟む
僕の指示に戸惑うアルスとテラ。

「ルイ兄様、急にどうされたのですか?」

訝しむようにアルスが近寄って聞いてくる。

「別に、ただ暇だからだ。何か面白いことはないかと考えたんだ」
「しかし、テラとセバスさんを戦わせるのはどうかと・・・二人には因縁もありますし・・・」

何か問題か?

過去の出来事なんて僕にしたら、そんなの知るかっ!だ。

「いいから準備しろ!セバスにはしっかりと指示しておいたからな。さあ、早く戦ってもらおう!」

僕はテラに向かって言うが、何故か尻尾を逆立てて警戒するようにこちらを睨む。

こらっ、猫!僕が何かやったか?

「おい、やるのかやらないのか、何か言ったらどうなんだ!」
「・・・一つ聞きたいことがある」
「ふん、奴隷の分際で。なんだ?まあ、聞いてやろう」
「さっき、『獣人たち』と言っていたが、あれはどういう意味だ?」

先程の僕の発言に引っかかりを感じたらしい。

「どういうことも何も、テラとアルス、お前ら二人のことを言っているんだ」
「えっ!?だけど、アルスは・・・」
「何だ、知らないのか?アルスの血の半分は獣人であることを?」

驚愕の表情を浮かべるテラ。

僕はアルスの母親が獣人であることは昔から知っていた。

だから、このネタで父を脅してきたのだ。

ただでさえ外で子供を作っておきながら、しかもその母親が人間社会では蔑まれている獣人。

今でもその事を僕の母は知らないが、知ったとなれば父の命は危ない。

だから常にこのネタで父を脅せるのだ。

「今まで戦闘訓練をしていて違和感は感じなかったのか?人間にしてはアルスの年齢で、あまりにも動きが良すぎると?」
「・・・確かに獣人であるニャーよりも動きがいいなんて、才能だけでは説明できないけど・・・」

そうだ。アルスの身体能力の高さは獣人であるなら説明がつく。

身体能力だけで言えば、アルスは僕よりも強い・・・ということは認める。

もちろん、総合力では僕の方が上だがな!つまり、ぼ・く・の・ほ・う・が、強いけどな!!!!!

てっきり獣人同士だからイチャこらしているのかと思ったが・・・・違うらしい。

「ごめんね、別に隠しているつもりはなかったんだ」
「い、いや、ニャーは気にしてないニャ。アルスが同族だったなんて・・・・ポッ」

また、二人の世界に入ろうとしているな!

「おい、本題に戻れ!」
「あ、そうだった」
「いいか、セバスに勝てたら好きなだけ僕を襲う権利をくれてやるよ!」
「ルイ兄様・・・」
「何だ?こいつは僕を殺したいんだろ?だったら好都合じゃないか!」

どうせセバスには勝てっこないし。

それに一度負けた相手と対面して、正常でいられるだろうか?

「ルイ兄様、自分も参加してよろしいでしょうか?」
「・・・急にどうした?まさか、お前も!」
「違いますよ!ただ、誰かと連携してセバスさんと戦ってみたいからです。サポートしかしませんから」

まあ、アルスがいても問題ないでしょ。

「ああ許可する。勝敗については、どちらかが降参する、或いは戦闘不能になった時点だ。いいな」

テラはコクリと頷いた。

「じゃあ、セバス!入ってこい!」

「人使いが荒いですよ、ルイ坊っちゃま・・・・・。そして―――」

僕をわざと坊っちゃま呼びしながら入ってくるセバス。

その姿を見て、テラは唖然として膝から崩れ落ちる。

「えあ、いや、ぎゃ、えあ」

意味の分からない言葉とともに発狂し出し、その場で泣き崩れる。

「―――本当に趣味が悪いですよ」

セバスがテラを見ながら悲しい表情を浮かべる。

「過去のトラウマなんて振り払えばいい」
「それは、簡単じゃないですよ。ルイ様はそれを理解していますか?」
「ああ、簡単ではないが出来る、という事は知っている」

生まれ変われたのなら出来るはずだ。

しばらくテラが叫ぶ光景を眺める。

どうにも自殺前の自分をまた見ているようで、虫唾が走る。

イライラが限界まで来た時、アルスがテラの傍に駆け寄り、耳元で何か囁く。

すると泣き止み、何故かアルスに掴みかかるテラ。

それをものともせず、アルスは正面からテラに向かって何事かを言う。

しばらく言い争う二人。

ちなみに遠目に見ている僕には彼らが何を言っているのか分からない。

時折単語はいくつか耳に入ってくるが・・・断片的で理解不能。

「・・・分かったニャ!ニャーはやってみる!」

先程とは打って変わった様子で、強い意志で立ち上がるテラ。

・・・これが元スピンオフ主人公の力なのか?

涙を拭い、足を震わせながらも、セバスの正面に立ちナイフを構える。

その後ろでアルスも弓を構えた。

「では、始めましょうか。どうぞ攻撃を打ち込んで来てください」

そうセバスが言うと、テラが一瞬でセバスの間合いに入ってナイフを投げる。

それに合わせるようにアルスがセバス目掛けて弓を放つ。

その二つは目くらましだろう。

本命はその背後。

ナイフと矢の両方を避けようとしたセバスの背後に回るテラは、義手を戦闘モードにして勢いよく突き刺そうとする。

「甘いです」

それを見切ったセバスは、その義手を自分の持っていたナイフで弾き返そうとする。

「それも囮です!」

だが、弾き返したはずの義手が何故か宙を舞う。

そう、腕に装着してていたはずの義手が宙を舞っているのだ。

つまり、義手を取り外したということ。

驚いたセバスの隙を見逃さず、放った義手の背後に隠れて飛び上がったテラは第二のナイフでセバスに襲いかかる。

だが、それでも反応したセバスはギリギリのところで横へ飛び避ける。

「そんな・・・」

会心の一撃だったのだろうけど、残念だな!

セバスは僕ぐらいには強いんだ!

しばらく睨み合うセバスとテラ。

だが急にセバスが背を向けだす。

「その攻撃は?」
「ニャーたちよりも強い敵と戦ったときを想定した戦いです!」
「そうですか・・・よく自分の恐怖に勝てましたね」

そう言って出口へと向かうセバス。

「お、おい!セバス!どこへ行く!まだ勝負は終わっていないぞ!」
「いえ、私の降参です」

えっ・・・・???

残された三人は目を点にするのだった。
しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。 《作者からのお知らせ!》 ※2025/11月中旬、  辺境領主の3巻が刊行となります。 今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。 【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん! ※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

俺、何しに異世界に来たんだっけ?

右足の指
ファンタジー
「目的?チートスキル?…なんだっけ。」 主人公は、転生の儀に見事に失敗し、爆散した。 気づいた時には見知らぬ部屋、見知らぬ空間。その中で佇む、美しい自称女神の女の子…。 「あなたに、お願いがあります。どうか…」 そして体は宙に浮き、見知らぬ方陣へと消え去っていく…かに思えたその瞬間、空間内をとてつもない警報音が鳴り響く。周りにいた羽の生えた天使さんが騒ぎたて、なんだかポカーンとしている自称女神、その中で突然と身体がグチャグチャになりながらゆっくり方陣に吸い込まれていく主人公…そして女神は確信し、呟いた。 「やべ…失敗した。」 女神から託された壮大な目的、授けられたチートスキルの数々…その全てを忘れた主人公の壮大な冒険(?)が今始まる…!

勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる! ×ランクだと思ってたギフトは、オレだけ使える無敵の能力でした

赤白玉ゆずる
ファンタジー
【コミックス第2巻発売中です!】 逞しく成長したリューク、そしてジーナ、ユフィオ、キスティーが大活躍します! 皆様どうぞよろしくお願いいたします。 【書籍第3巻が発売されました!】 今回も改稿や修正を頑張りましたので、皆様どうぞよろしくお願いいたします。 イラストは蓮禾先生が担当してくださいました。アニスもレムも超カワで、表紙もカッコイイです! 素晴らしいイラストの数々が載っておりますので、是非見ていただけたら嬉しいです。 【2024年10月23日コミカライズ開始!】 『勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる!』のコミカライズが連載開始されました! 颯希先生が描いてくださるリュークやアニスたちが本当に素敵なので、是非ご覧になってくださいませ。 【ストーリー紹介】 幼い頃、孤児院から引き取られた主人公リュークは、養父となった侯爵から酷い扱いを受けていた。 そんなある日、リュークは『スマホ』という史上初の『Xランク』スキルを授かる。 養父は『Xランク』をただの『バツランク』だと馬鹿にし、リュークをきつくぶん殴ったうえ、親子の縁を切って家から追い出す。 だが本当は『Extraランク』という意味で、超絶ぶっちぎりの能力を持っていた。 『スマホ』の能力――それは鑑定、検索、マップ機能、動物の言葉が翻訳ができるほか、他人やモンスターの持つスキル・魔法などをコピーして取得が可能なうえ、写真に撮ったものを現物として出せたり、合成することで強力な魔導装備すら製作できる最凶のものだった。 貴族家から放り出されたリュークは、朱鷺色の髪をした天才美少女剣士アニスと出会う。 『剣姫』の二つ名を持つアニスは雲の上の存在だったが、『スマホ』の力でリュークは成り上がり、徐々にその関係は接近していく。 『スマホ』はリュークの成長とともにさらに進化し、最弱の男はいつしか世界最強の存在へ……。 どん底だった主人公が一発逆転する物語です。 ※別小説『ぶっ壊れ錬金術師(チート・アルケミスト)はいつか本気を出してみたい 魔導と科学を極めたら異世界最強になったので、自由気ままに生きていきます』も書いてますので、そちらもどうぞよろしくお願いいたします。

役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。  主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。 その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。  そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。 主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。  ハーレム要素はしばらくありません。

異世界で目が覚めたら目の前で俺が死んでました。この世界でオリジナルの俺はとっくに死んでたみたいです

青山喜太
ファンタジー
主人公桜間トオル17歳は家族との旅行中、車の中ではなく突然なんの脈絡もなく遺跡の中で目が覚めてしまう。 混乱する桜間トオルの目の前にいたのは自分と瓜二つ、服装さえ一緒のもう一人の桜間トオルだった。 もう一人の桜間トオルは全身から出血し血を吐きながら、乞う。 「父さんと、母さん……妹をアカリを頼む……!!」 思わず、頷いた桜間トオルはもう一人の自分の最後を看取った。 その時、見知らぬ声が響く。 「私のことがわかるか? 13人の桜間トオル?」 これはただの高校生である桜間トオルが英雄たちとの戦争に巻き込まれていく物語

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

処理中です...