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留学編 3章
第173話 逆襲
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それは放課後のことだった。
その日はたまたま午前授業で、早く帰る予定だった。
いつものように荷物を整理して下校しようとしていたら、アルスに呼び止められた。
「ルイ兄様、少しお時間よろしいでしょうか?」
と、神妙な面持ちで話しかけてくる。
特に帰りを急いでいなかった僕はアルスの後に付いていった。
しばらくして僕たちが辿り着いたのは、実戦訓練も行える広い運動場。
そこで僕を待ち受けていたのはクラスメートたちだった。
皆、運動着に着替えた姿でニヤニヤと僕を見ている。
よく見ると生徒たちの中にはレーナとルルドもいた。
「これはどういうことだ?」
僕はアルスに静かに質問する。
だが、アルスは質問には答えず無言のままクラスメートの輪の中に入っていった。
「ほんと馬鹿だね~~貴族は!!自分がどれほど嫌われているのか・・・なんていうことも知らないでさぁ!!!」
大声でクラス委員長が発言する。
この男、名前は・・・何だっけ?
思い出せない。よし、モブA、とでも呼ぼう!
「どうした?なぜ、黙りこくっているのかな?」
モブAはニヤケ面でこちらを見る。
「いやぁ、あまりに突然で。僕には状況がまだ理解できないんだよ」
「だよね!ま、自己中心的な貴族様には平民の考えていることなんて、分からないよね~」
クスクスと周囲から笑い声が漏れる。
「おい!アルス、レーナ!こんな茶番に付き合っていないで行くぞ!!」
僕はそう言って声をかけるが、二人からは返事もなく無視される。
「ルイ、残念ながら君の味方はこの場にはいない・・・いないんだよぉ!!」
「なるほど、従者の二人は僕を裏切ったと・・・」
フッ・・・まあ、それはそれで気にしない・・・
「ルイ、お前が味方に引き込んだと思っているルルドも、こっちに情報を渡してくれたぞ!」
ん?でも、だから何だって言うんだ?
「意図が読めない」
「お前の秘密、弱みをこっちは握っている。今から、もしそれを奪い取れたらお前の勝ちだ!だが、負けたらこの学校、いや、この国からとっとと去れ!」
・・・・・はぁ???
何をほざいているんだこいつは?
僕の秘密や弱み、だと?
実に幼稚な、ちゃちな脅しをしてくるなぁ。
「怖くなったかぁ?貴族様がよお!!」
「いや、そういう訳では無いが・・・」
発想が、救いようのないガキだ。これだから、甘っちょろい民主主義の奴らは。
本気で誰かと潰し合ったり、誰かに潰されそうになったり、誰かを潰そう・・・とか、考えたことも無いんだろうな。
もし僕が誰かを潰そうとしたらどうするか?
まずは相手の弱みを握る。
次に周囲の仲間を篭絡し、次々と裏切らせ、人間不信、社会的孤立に相手を陥れる。
そこに理解者、救済者として信頼されそうなスパイを送り込む。
相手を追い詰めて追い詰めて、最後の最後で、そのスパイにも裏切らせ相手の心を破壊し尽くす。
家族、友人関係だけでなく、家も財産も何もかもを奪うし、壊す。
しかしこれは、僕が異常者だから思いつくわけではない。
貴族社会では当然のこと。
そう言えば、数年前に僕が潰したあの・・・何とか侯爵家も、そうやって外堀から順に埋めていった。
ただし、あの時はまだ僕も敵に優しさを見せていた。
こいつらはどうしようか?
・・・やはり、お仕置きが必要だな。
奴らはまだ学生とはいえ、「潰し合い」をまるでママゴトのように考えているあたりは「教育」が必要だ。
大人の怖さ、貴族の怖さ、権力の怖さ、・・・
自分たちがいかに無能で無力な存在かを分からせることができれば、進んで自分から僕の従順な駒になってくれるだろうし。
「ちなみに、僕の『弱み』ってなんだ?」
「あ”あ”、そんなの知らない!アルス君が言っていたから」
はぁ?!こいつらマジか?
計画がザルすぎないか?
本気でこいつらの頭の中を覗いてみたくなってきたわ。
どうしたら、こんなヘンテコで雑な計画を立てられるのか?
ガキという未知との遭遇。
まあ、とりあえず「分からせる」ことだな。
「よくわからないがそのゲームみたいなものを始める前に、君たちに渡したいものがある」
そう言って僕は、すでに数日前から準備して鞄にしまっておいた封筒袋を取り出し、クラスメート全員の氏名が一つずつ書かれた封筒をそれぞれに渡した。
彼らは訝しみながら自分宛ての封筒を開ける。
中には紙が一枚入っている。
封筒を受け取っていないアルスとレーナ、ルルド以外、それを読んで全員が一斉に顔を青くする。
「「「どうして、このことを知っている!!!」」」
思わず声を漏らした全員の声が一斉に重なる。
中に入っていた紙には、生徒それぞれが隠している秘密や弱み、抱えている悩みや問題について書かれていた。
隠れて援助交際をしている、親の金を盗み勝手に使っている、犯罪を犯した・・・のたぐいだ。
中には、生徒の親の脱税やスキャンダルが書かれている紙もあった。
クラスメート全員が怯えたように僕を見る。
「『弱みを握る』というのはこういうことだ!」
明らかに先程の元気が奴らに見られない。
「僕が少しでも不機嫌になるようなことを今後したら・・・どうなるか、わかるな?」
一斉に封筒を隠しだす。
「ア、アルス君!どうにかしてくれ!」
モブAがアルスに急に泣きつく。
それを呆れた目で見つめるアルス。
「疑問には思いませんでしたか?なぜ、突然呼び出したにもかかわらず、ルイ兄様が貴方達一人一人の宛名が書いてある封筒を、用意周到に持っていたのかを?」
「ま、まさか!」
「そうだよ!すでに、すべて、僕に筒抜けなんだよ!!」
ワナワナ震えの止まらないモブA。
いい震えっぷりだよ、委員長くん。
さて、逆襲と行きますか!
その日はたまたま午前授業で、早く帰る予定だった。
いつものように荷物を整理して下校しようとしていたら、アルスに呼び止められた。
「ルイ兄様、少しお時間よろしいでしょうか?」
と、神妙な面持ちで話しかけてくる。
特に帰りを急いでいなかった僕はアルスの後に付いていった。
しばらくして僕たちが辿り着いたのは、実戦訓練も行える広い運動場。
そこで僕を待ち受けていたのはクラスメートたちだった。
皆、運動着に着替えた姿でニヤニヤと僕を見ている。
よく見ると生徒たちの中にはレーナとルルドもいた。
「これはどういうことだ?」
僕はアルスに静かに質問する。
だが、アルスは質問には答えず無言のままクラスメートの輪の中に入っていった。
「ほんと馬鹿だね~~貴族は!!自分がどれほど嫌われているのか・・・なんていうことも知らないでさぁ!!!」
大声でクラス委員長が発言する。
この男、名前は・・・何だっけ?
思い出せない。よし、モブA、とでも呼ぼう!
「どうした?なぜ、黙りこくっているのかな?」
モブAはニヤケ面でこちらを見る。
「いやぁ、あまりに突然で。僕には状況がまだ理解できないんだよ」
「だよね!ま、自己中心的な貴族様には平民の考えていることなんて、分からないよね~」
クスクスと周囲から笑い声が漏れる。
「おい!アルス、レーナ!こんな茶番に付き合っていないで行くぞ!!」
僕はそう言って声をかけるが、二人からは返事もなく無視される。
「ルイ、残念ながら君の味方はこの場にはいない・・・いないんだよぉ!!」
「なるほど、従者の二人は僕を裏切ったと・・・」
フッ・・・まあ、それはそれで気にしない・・・
「ルイ、お前が味方に引き込んだと思っているルルドも、こっちに情報を渡してくれたぞ!」
ん?でも、だから何だって言うんだ?
「意図が読めない」
「お前の秘密、弱みをこっちは握っている。今から、もしそれを奪い取れたらお前の勝ちだ!だが、負けたらこの学校、いや、この国からとっとと去れ!」
・・・・・はぁ???
何をほざいているんだこいつは?
僕の秘密や弱み、だと?
実に幼稚な、ちゃちな脅しをしてくるなぁ。
「怖くなったかぁ?貴族様がよお!!」
「いや、そういう訳では無いが・・・」
発想が、救いようのないガキだ。これだから、甘っちょろい民主主義の奴らは。
本気で誰かと潰し合ったり、誰かに潰されそうになったり、誰かを潰そう・・・とか、考えたことも無いんだろうな。
もし僕が誰かを潰そうとしたらどうするか?
まずは相手の弱みを握る。
次に周囲の仲間を篭絡し、次々と裏切らせ、人間不信、社会的孤立に相手を陥れる。
そこに理解者、救済者として信頼されそうなスパイを送り込む。
相手を追い詰めて追い詰めて、最後の最後で、そのスパイにも裏切らせ相手の心を破壊し尽くす。
家族、友人関係だけでなく、家も財産も何もかもを奪うし、壊す。
しかしこれは、僕が異常者だから思いつくわけではない。
貴族社会では当然のこと。
そう言えば、数年前に僕が潰したあの・・・何とか侯爵家も、そうやって外堀から順に埋めていった。
ただし、あの時はまだ僕も敵に優しさを見せていた。
こいつらはどうしようか?
・・・やはり、お仕置きが必要だな。
奴らはまだ学生とはいえ、「潰し合い」をまるでママゴトのように考えているあたりは「教育」が必要だ。
大人の怖さ、貴族の怖さ、権力の怖さ、・・・
自分たちがいかに無能で無力な存在かを分からせることができれば、進んで自分から僕の従順な駒になってくれるだろうし。
「ちなみに、僕の『弱み』ってなんだ?」
「あ”あ”、そんなの知らない!アルス君が言っていたから」
はぁ?!こいつらマジか?
計画がザルすぎないか?
本気でこいつらの頭の中を覗いてみたくなってきたわ。
どうしたら、こんなヘンテコで雑な計画を立てられるのか?
ガキという未知との遭遇。
まあ、とりあえず「分からせる」ことだな。
「よくわからないがそのゲームみたいなものを始める前に、君たちに渡したいものがある」
そう言って僕は、すでに数日前から準備して鞄にしまっておいた封筒袋を取り出し、クラスメート全員の氏名が一つずつ書かれた封筒をそれぞれに渡した。
彼らは訝しみながら自分宛ての封筒を開ける。
中には紙が一枚入っている。
封筒を受け取っていないアルスとレーナ、ルルド以外、それを読んで全員が一斉に顔を青くする。
「「「どうして、このことを知っている!!!」」」
思わず声を漏らした全員の声が一斉に重なる。
中に入っていた紙には、生徒それぞれが隠している秘密や弱み、抱えている悩みや問題について書かれていた。
隠れて援助交際をしている、親の金を盗み勝手に使っている、犯罪を犯した・・・のたぐいだ。
中には、生徒の親の脱税やスキャンダルが書かれている紙もあった。
クラスメート全員が怯えたように僕を見る。
「『弱みを握る』というのはこういうことだ!」
明らかに先程の元気が奴らに見られない。
「僕が少しでも不機嫌になるようなことを今後したら・・・どうなるか、わかるな?」
一斉に封筒を隠しだす。
「ア、アルス君!どうにかしてくれ!」
モブAがアルスに急に泣きつく。
それを呆れた目で見つめるアルス。
「疑問には思いませんでしたか?なぜ、突然呼び出したにもかかわらず、ルイ兄様が貴方達一人一人の宛名が書いてある封筒を、用意周到に持っていたのかを?」
「ま、まさか!」
「そうだよ!すでに、すべて、僕に筒抜けなんだよ!!」
ワナワナ震えの止まらないモブA。
いい震えっぷりだよ、委員長くん。
さて、逆襲と行きますか!
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