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留学編 3.5章
第184話 魔女、現る
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悪魔、いや魔女が僕の屋敷にやってきた。
「あら、ルイ?今何か、失礼なことを考えてない?」
「いえいえ、そ、そんなことあるわけないじゃないですか、母上!」
「・・・・・」
「わん!」
「はい、偉い偉い!」
ま―――母が僕の頭を撫でる。
「さすが自慢の息子!言うことを聞いて偉いわね!」
これでもかというほど頭を撫でてくる。
クソ、屈辱的すぎる・・・
「ほら、アルスちゃんも来なさい。テラも。あと、レーナ君も!」
呼ばれた者は皆、屈辱的な格好で母の言いなりになる。
こうなった原因は一時間前にさかのぼる。
いつものように休日を各人思い思いに過ごしていた時。
魔女が現れた・・・
「ホホホ、ルイ!母が遠路遥々来ましたわよ!」
執務室でのんびりしていた僕は、突如部屋に入ってきた母親に驚いて危うく椅子から転げ落ちそうになる。
「げっ」
「あら、何か嫌そうな声がしたけど?」
怪訝そうな表情をする。
「いやいや、母上!遠方よりよくぞお越しいただきました!どうぞ、お寛ぎください!」
僕は精一杯、平静を装おう。
「・・・・ルイも変わってしまったわね。昔は直ぐに私に駆け寄って抱きついてくれてたのにねぇ」
ぐはっ・・・!過去の黒歴史!
あの頃はまだ転生したばかりだったし、前世の親からもやっと解放されたばかりだった。
前世での孤独な境遇や転生した新天地での期待から、思わずそういう行動を取っていたのは・・・認めざるを得ない。
ただ、決してマザコンだとか母性を求めていたわけではない!
「そ、それは昔のことで。僕だって成長していますよ、母上」
必死に笑顔を繕う。
そう、僕は母を怖がっている。
いや怖いというよりも恐れている。
そして歯向かえない。
理由は二つ。
まず、単純に母が強いから。
現在では無詠唱を打てることから実戦では僕の方が圧倒的に強い。だが、それでも母が扱える魔法は僕と同じ聖級クラス。
しかも種類で言うと母のほうが一個だけ僕より多く扱える。
二つ目の理由は母が僕の弱みをめちゃくちゃ持っているから。
小さい頃は身体が言うことを聞かず、本能のままお漏らしやら生傷が絶えなかったり色々とやらかしてしまった。
中身が大人であるにも関わらず。
小さい頃そんな僕に付きっきりで世話してくれた母親には、どうしたって頭が上がらない。
ちなみに父に対しては僕は弱みを握っているから脅威は感じない。
やはり、どの世界でも母親は強い。
それは僕にとっても例外ではない。
名家の生まれだから血筋的にも問題ないし、強いし、怒ると怖いし・・・・
ブルボン家の中で母に歯向かえる人間は誰一人としていない。
唯一セバスだけが意見を言える。だが、彼くらいだ。
息子である僕も甘やかされているが、反抗はしたことがない。
いや、正確に言うと一度だけしたことがあるが・・・・その話は、今はやめよう。
とりあえず、一番来て欲しくない人がここアメルダに来たということだ。
「母上、は?」
「何、私よりも妹のほうが良かったの?でも、流石に長旅させるには体がまだ成長してないのよ」
ギロリと睨まれ僕は縮こまる。
「いいえ、そんなことはありません。しかし、どうして急に来られたのですか?連絡もなしに」
「あら、何か理由が無いと来ちゃだめなの?」
あっ、また地雷を踏んでしまった!
「そ、そんなことあるわけ無いじゃないですか!」
どうしよう、なんて言おう?
「いえ、しっかりと理由があって来たわよ」
あ、そうなんだ・・・って目が急に吊り上がったんですけど。怖っ!
「ルイ、ここでも好き放題やってるらしいじゃない?」
ギクッ!
「な、何のことですか、母上?」
「私に嘘をつくの?」
キリッとした突き刺すような目で睨まれる。
「・・・色々と事情があったとはいえ親にも相談せず、勝手に留学したことはまだ許していませんよ」
「す、すいません」
「でも、それはまだいいとします。この国に来て色々と裏で動いてること。それも目を瞑ります。怒ってはいますけど」
「は、はい・・・」
「でも、他は色々とやり過ぎだわ。新しく奴隷を買ったり、義手を作るために市民を脅したり、セバスを殺そうと家を壊しかけたり・・・」
「ですが―――」
「言い訳は聞きません!」
うぐっ、言い返せない。
すべて自分でやったことだし、後悔はない。
だが、赤の他人ならいざ知らず、自分の親に直接指摘されると心に刺さる。
「貴方は本当に優秀で自慢の息子です。でも、もう子供ではなくなるのです。だから、『自制心』というものを持たなくてはなりません」
「はい・・・」
「誇りある貴族として貴方を育てるのが親の務め。甘やかし過ぎてきましたし、たまには、貴方の心を折らなくてはいけません・・・」
はい・・え?心を折る??この話、どこに向かってるんだ???
「そこで貴方には、いいえ、貴方達には少し辱めを受けてもらいます」
・・・・どうして?どうしてそうなる!?
「奥様、三人を連れてまいりました」
入ってきたのは事情を知らい様子のアルスとレーナ、そして、テラ。
「母上、どうするのですか!?」
「ホホホ、地位転倒、逆さまの遊びをするの。そうね、季節外れの仮面舞踏会、カーニバルみたいなもんね・・・貴方達には着替えてもらいます。レーナは貴族に、テラは執事に、アルスはメイドに、そしてルイには―――」
「僕は・・・えっ、なに?」
母から笑みがこぼれた。
「『犬』になってもらいまーす!」
「あら、ルイ?今何か、失礼なことを考えてない?」
「いえいえ、そ、そんなことあるわけないじゃないですか、母上!」
「・・・・・」
「わん!」
「はい、偉い偉い!」
ま―――母が僕の頭を撫でる。
「さすが自慢の息子!言うことを聞いて偉いわね!」
これでもかというほど頭を撫でてくる。
クソ、屈辱的すぎる・・・
「ほら、アルスちゃんも来なさい。テラも。あと、レーナ君も!」
呼ばれた者は皆、屈辱的な格好で母の言いなりになる。
こうなった原因は一時間前にさかのぼる。
いつものように休日を各人思い思いに過ごしていた時。
魔女が現れた・・・
「ホホホ、ルイ!母が遠路遥々来ましたわよ!」
執務室でのんびりしていた僕は、突如部屋に入ってきた母親に驚いて危うく椅子から転げ落ちそうになる。
「げっ」
「あら、何か嫌そうな声がしたけど?」
怪訝そうな表情をする。
「いやいや、母上!遠方よりよくぞお越しいただきました!どうぞ、お寛ぎください!」
僕は精一杯、平静を装おう。
「・・・・ルイも変わってしまったわね。昔は直ぐに私に駆け寄って抱きついてくれてたのにねぇ」
ぐはっ・・・!過去の黒歴史!
あの頃はまだ転生したばかりだったし、前世の親からもやっと解放されたばかりだった。
前世での孤独な境遇や転生した新天地での期待から、思わずそういう行動を取っていたのは・・・認めざるを得ない。
ただ、決してマザコンだとか母性を求めていたわけではない!
「そ、それは昔のことで。僕だって成長していますよ、母上」
必死に笑顔を繕う。
そう、僕は母を怖がっている。
いや怖いというよりも恐れている。
そして歯向かえない。
理由は二つ。
まず、単純に母が強いから。
現在では無詠唱を打てることから実戦では僕の方が圧倒的に強い。だが、それでも母が扱える魔法は僕と同じ聖級クラス。
しかも種類で言うと母のほうが一個だけ僕より多く扱える。
二つ目の理由は母が僕の弱みをめちゃくちゃ持っているから。
小さい頃は身体が言うことを聞かず、本能のままお漏らしやら生傷が絶えなかったり色々とやらかしてしまった。
中身が大人であるにも関わらず。
小さい頃そんな僕に付きっきりで世話してくれた母親には、どうしたって頭が上がらない。
ちなみに父に対しては僕は弱みを握っているから脅威は感じない。
やはり、どの世界でも母親は強い。
それは僕にとっても例外ではない。
名家の生まれだから血筋的にも問題ないし、強いし、怒ると怖いし・・・・
ブルボン家の中で母に歯向かえる人間は誰一人としていない。
唯一セバスだけが意見を言える。だが、彼くらいだ。
息子である僕も甘やかされているが、反抗はしたことがない。
いや、正確に言うと一度だけしたことがあるが・・・・その話は、今はやめよう。
とりあえず、一番来て欲しくない人がここアメルダに来たということだ。
「母上、は?」
「何、私よりも妹のほうが良かったの?でも、流石に長旅させるには体がまだ成長してないのよ」
ギロリと睨まれ僕は縮こまる。
「いいえ、そんなことはありません。しかし、どうして急に来られたのですか?連絡もなしに」
「あら、何か理由が無いと来ちゃだめなの?」
あっ、また地雷を踏んでしまった!
「そ、そんなことあるわけ無いじゃないですか!」
どうしよう、なんて言おう?
「いえ、しっかりと理由があって来たわよ」
あ、そうなんだ・・・って目が急に吊り上がったんですけど。怖っ!
「ルイ、ここでも好き放題やってるらしいじゃない?」
ギクッ!
「な、何のことですか、母上?」
「私に嘘をつくの?」
キリッとした突き刺すような目で睨まれる。
「・・・色々と事情があったとはいえ親にも相談せず、勝手に留学したことはまだ許していませんよ」
「す、すいません」
「でも、それはまだいいとします。この国に来て色々と裏で動いてること。それも目を瞑ります。怒ってはいますけど」
「は、はい・・・」
「でも、他は色々とやり過ぎだわ。新しく奴隷を買ったり、義手を作るために市民を脅したり、セバスを殺そうと家を壊しかけたり・・・」
「ですが―――」
「言い訳は聞きません!」
うぐっ、言い返せない。
すべて自分でやったことだし、後悔はない。
だが、赤の他人ならいざ知らず、自分の親に直接指摘されると心に刺さる。
「貴方は本当に優秀で自慢の息子です。でも、もう子供ではなくなるのです。だから、『自制心』というものを持たなくてはなりません」
「はい・・・」
「誇りある貴族として貴方を育てるのが親の務め。甘やかし過ぎてきましたし、たまには、貴方の心を折らなくてはいけません・・・」
はい・・え?心を折る??この話、どこに向かってるんだ???
「そこで貴方には、いいえ、貴方達には少し辱めを受けてもらいます」
・・・・どうして?どうしてそうなる!?
「奥様、三人を連れてまいりました」
入ってきたのは事情を知らい様子のアルスとレーナ、そして、テラ。
「母上、どうするのですか!?」
「ホホホ、地位転倒、逆さまの遊びをするの。そうね、季節外れの仮面舞踏会、カーニバルみたいなもんね・・・貴方達には着替えてもらいます。レーナは貴族に、テラは執事に、アルスはメイドに、そしてルイには―――」
「僕は・・・えっ、なに?」
母から笑みがこぼれた。
「『犬』になってもらいまーす!」
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