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しおりを挟む「夏休み……久しぶりね」
剣術大会も終わり、もうすぐ夏季休暇がやってくる。
◇
準決勝で王太子に勝った私は決勝へと進み、ランドルフと闘うことに。
私の教えによって合同授業の時より腕を上げていたが、当然私に敵うわけもなく、当初の目標通り私が優勝した。
例年は騎士科の上級生が優勝するのだが、今回優勝したのは一学年の、それも魔法科の女子生徒。
学園始まって以来の快挙に皆が沸いた。
ただそこまではよかったが、それからしばらくの間は、私の実力を疑う生徒たちからたくさん手合わせを求められることに。
断ることもできたが、そうはしなかった。結果は全戦全勝。
そんな私についた名前は【青の女帝】。あまりのダサさに白目を剥きそうになったのは秘密だ。
それになぜかランドルフやフィンメル、それに王太子までもが手合わせを求めてきたけど、これ以上は関わりたくないと丁重にお断りさせていただいた。
それからフィンメルの妹、メルリルから手紙をもらった。
なぜ私に?と思ったものの、手紙には可愛らしい文字でお礼の言葉が記されていた。
あの時ほとんど意識のなかったメルリルには、私が回復魔法を使ったことなんて分からないはず。
それでもこうしてお礼の手紙が私の元にあるということは、フィンメルが教えたのだろう。
魔法の件は秘密にとは言ったが、まぁメルリルには知る権利はある。
周りが騒いでないのならそれでいい。
それとアナベルは大会での手伝いはとても勉強になったと嬉しそうに話してくれた。
そのアナベルがこの夏季休暇中、我が家に泊まりに来ることに。
ようやく家族を紹介することができる。
夏季休暇は一ヵ月程。
アナベルを招待するのを含め、やりたいことが沢山ある。
久しぶりに冒険者活動もしたいし、新しい魔道具も作りたい!それに商会の新商品の開発も進めないと。
あとは家族とゆっくり過ごしたいなぁ……。そうだ、お祖父様にも会いたいから連絡しておかないと!
これはのんびりしている時間はなさそうだ。
◇
そんなこんなで忙しく予定を立てていたら、気づけば夏季休暇前日。
「久しぶり?」
「あ……」
いけないいけない。
前世ぶりの夏休みに浮かれてたわ。
学園の生徒に、夏休みが久しぶりの人なんていないのにね。
「ほ、ほら家に帰るのは久しぶりだから」
「あっ、そうですよね!私は何回か帰ってますからそこまで久しぶりではありませんが、ダリア様は久しぶりですもんね!」
「そ、そうなの」
ふぅ、なんとか誤魔化せたみたい。
休みの度に転移魔法で家に帰ってたとは言えないけど。
「でも明日からは少し寂しくなりますね」
「私もよ。でもようやくベルに家族を紹介できると思うと嬉しいわ」
「ダリア様のご家族にお会いできるのすごく楽しみに……あっ!」
突然何かを思い出したかのように声をあげたアナベル。
「ど、どうかしたの?」
今の会話の流れに、不自然なところでもあったのかと不安になる私。
「あ、あのですね……ご迷惑でなければなんですが」
「……何かしら?」
アナベルは一体何を言おうとしているの?
ドキドキしながら次の言葉を待っていると……
「わ、私の家族にも会っていただけないでしょうか!」
目を潤ませ、手を組み、上目遣いでお願いをするアナベル。破壊力が半端ないです。
そんな風にお願いされたら、オッケー以外あり得ないでしょ。
まぁそうじゃなくてもオッケーしかないけど。
「本当?嬉しい!私もベルのご家族に会ってみたいと思っていたの」
アナベルの家族……すごく気になる。
ゲームでは両親と弟がいるとしか書かれていなかったんだよね。
ほんとどういう教育をすればこんないい子に育つの?教えてほしいわ。
「ダリア様のご都合はいかがですか?」
「そうね……休暇の後半なら時間がとれると思うけど、今度うちに来るときに決めるのはどうかしら?」
「大丈夫です!私もその日までに予定を確認しておきますね」
「分かったわ。楽しみにしているわね」
「はい!」
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