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しおりを挟む夏季休暇が終わり、気づけばもう季節は秋。
今は夏の暑さが懐かしく感じるくらいに、本格的な冬に向かって季節が進んでいた。
話は少し遡るが、暑さが残る秋の初めに魔法大会が開催された。
この大会で、私は剣術大会に続いて優勝を果たす。
決勝ではマティアスと対戦することになったけど、以前と比べずいぶんと魔法の腕に磨きがかかっていた。
まぁ私からすればまだまだだけど、それでも優秀な人材がきちんと育っていることを直接確認できたのは、大きな収穫だったな。
収穫もあったし魔法大会も無事に終了……というわけにはいかず、一つ大きな問題が発生した。
剣術大会と魔法大会、どちらの大会も私が優勝しちゃったことで、冬に行われるはずだった優勝者同士の試合がなくなってしまったのだ。
そりゃあそうだよね。
少し考えれば分かることだったんだけど、なんだかんだで負けず嫌いを発揮しちゃって、ちゃっかり優勝しちゃったんだよな~あはは……
生徒たちは学園始まって以来の快挙に盛り上がっていたけど、きっと先生たちは頭を抱えてたに違いない。
別に悪いことをしたわけじゃないんだけど、前世社会人だった私としては、先生の気持ちが分かっちゃうわけで。
そこで考えました!この問題を華麗に解決する案を!
名付けてらローズ商会プレゼンツ!出張学園祭!
……はい、要するにただのお祭りです。
どうせ試合の日は、元から一日授業はない。
それならお祭りをやってもいいんじゃない?
本来の学園祭は、生徒が準備も運営もするのが正しいのかもしれないけど、『ハナキミ』では学園祭イベントはない。
ってことは、この世界の人は誰一人として学園祭を知らないということ。
それにたとえ知っていたとしても学園の生徒の多くが貴族。
それでは準備すらままならないだろう。
だからローズ商会で全部やっちゃおうというわけだ。
生徒も楽しめるし、先生の助けになるし、うん、完璧!
楽しみだなぁ~……決して自分が楽しみたいからではないよ?
というわけで、早速アンナに学園に許可をとってもらうことにしたけど、さすがはアンナ。
連絡してからたった一日で、学園からの許可を取ってきてくれたよ。
忙しいのにいつもありがとう。
それからは毎日を忙しく過ごした。
私は正体を隠しているので表立って動くわけにはいかなかったが、アンナや商会の職員の手を借りて準備を進めていったのだ。
そして迎えた学園祭の当日。
「さすがダリア様です!こんな素敵な催し物は初めてです!」
目をキラキラ輝かせて喜びの声をあげるアナベル。
ふぅ……この反応なら大丈夫でしょう。
学園祭をやる!とは言ったものの、私自身数十年ぶりのこと。
ちょっと不安もあったけど、こうして無事に開催することができてホッとした。
「ふふっ、じゃあたくさん楽しまないとね」
喫茶店や屋台、お化け屋敷にプラネタリウム、演劇やコンサート、それに力自慢大会やクイズ大会なんてものも用意している。
前世ではよくある出し物だけど、きっとこの世界の人には真新しく新鮮に感じてもらえるはず。
「すごく楽しみです!」
「私もよ。さぁ行きましょうか」
「はい!」
今日の私は、友達とお祭りを楽しむ一人の生徒。
だから目一杯楽しまないとね!
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