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★中国大陸★
【大陸の抱える問題①】
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当然朝鮮からの段階的撤退に関して拡大路線を歩む陸軍は怒り陸軍大臣の杉山元は発足したばかりの内閣から抜ける意向を示したが、既に陛下の勅命を得ていた鈴木貫太郎が「日頃から陸海軍は陛下の元にあると威張っている貴様らが、その陛下のご意向に逆らうと言うのか⁉」と一喝され壇上から陛下直筆の書簡を周囲の者たちにも見えるように突き出されては、ぐうの音も出なかった。
政府の決定に憤慨して席を立っていた陸軍の杉山は、まるで歯向かっていた爺さんを捕らえようとした矢先に、その爺さんが取り出した徳川家の紋の入った印籠を見せられて初めて爺さんが水戸の黄門様だと知った悪代官の如く、へなへなと力が抜けたように席に腰を落とした。
陛下の勅命とあれば、いかにあの陸軍と言えども従わざるを得ないだろう。
これで国内はひとまず安定するだろう。
問題は過去の世界で7月7日に起こった盧溝橋事件。
一応城郭要塞を造りそこに英米仏伊の治安維持部隊を入れて、事が起こりにくいようにしたが、果たしてそれで防ぐことが出来るかどうか……。
そう思うと居ても立ってもいられず、私は日本を発ち現地へと向かった。
城郭要塞は今や北京の観光名所となり、多くの外国人旅行者が集まり、その周囲には多くの屋台が並んでいた。
何も無かった場所が一気に賑やかになった光景を、呆気に取られて見ていると誰かが私の肩をポンと叩き、振り向くとそこには少将に昇進した石原が居た。
「よう」
「ああ、石原さん。少将昇進おめでとうございます」
「ありがとう。だがコレは単なる人事的なもので俺は嬉しいとも悲しいとも思っちゃいない。軍は単なる操り人形。ただ単に俺の手に巻いた操り糸が増えたに過ぎない」
「それが、昇進というものでしょう」
「そうだな。だが糸が多いと絡まって、思うように動かないモノも増えるから、それも見なくちゃならんから全く迷惑な話だよ」
実力があり物事の先を見る力のある石原にとって、軍という組織は面倒で窮屈なものかもしれない。
「ところで、何をしに来た?」
「北京の動向が気になって来ました」
盧溝橋で事件が起こるかもしれないとは言わなかった。
なぜならそれを防ぐために、城郭要塞をここに建てたのだから。
今の問題は “治安”。
盧溝橋事件が起きなくても、通州事件のような邦人殺害を目的とする事件が頻発すれば日本としても駐留軍を増やさざるを得なくなり、結果的に同じ道をたどるしかなくなる。
駐留軍が増えれば、外国の駐留軍との数的バランスも崩れ、警戒感を与えるに違いない。
私が居た過去の時代では、邦人と半島人だけが組織的に狙われたのは、おそらく何者かによってそのように誘導されていたに違いない。
それを防がない限り、何をしようともその時間を遅らせるだけになる。
「治安は、どうですか?」
「ああ、今のところは、落ち着いている」
「今のところとは?」
「中国をはじめとする大陸人は、威勢は良いが、力には弱い。アヘン戦争然り、日清戦争然り。外敵が強い力を証明してみせれば直ぐに屈服するが、その分民衆の不満は募る」
石原が中国に限定せず、大陸人と言ったのは、おそらく朝鮮も含んでいることは明らかだった。
彼らには “火病” と言われる一種のストレス障害を持つ人たちが多く、ストレスが溜まるとパニック障害、いわゆるヒステリーを起こし日本人のように我慢を続ける事が出来ない。
このことが私の元いた時代の南洋諸島などにおける現地住民との良好な関係が築けなかった大きな要因であることは間違いなく、日本人の多くはその事に気付くことが出来なかった。
彼らには常にストレスへのはけ口が必要であり、それがアヘンが蔓延した結果でもあり、戦後の反日教育にもつながった。
一夜城よろしく武力を使わずに日本の力を見せつけたものの、逆に彼らのストレスの元となっていることは確かだろう。
石原は、そのことを危惧しているのだ。
政府の決定に憤慨して席を立っていた陸軍の杉山は、まるで歯向かっていた爺さんを捕らえようとした矢先に、その爺さんが取り出した徳川家の紋の入った印籠を見せられて初めて爺さんが水戸の黄門様だと知った悪代官の如く、へなへなと力が抜けたように席に腰を落とした。
陛下の勅命とあれば、いかにあの陸軍と言えども従わざるを得ないだろう。
これで国内はひとまず安定するだろう。
問題は過去の世界で7月7日に起こった盧溝橋事件。
一応城郭要塞を造りそこに英米仏伊の治安維持部隊を入れて、事が起こりにくいようにしたが、果たしてそれで防ぐことが出来るかどうか……。
そう思うと居ても立ってもいられず、私は日本を発ち現地へと向かった。
城郭要塞は今や北京の観光名所となり、多くの外国人旅行者が集まり、その周囲には多くの屋台が並んでいた。
何も無かった場所が一気に賑やかになった光景を、呆気に取られて見ていると誰かが私の肩をポンと叩き、振り向くとそこには少将に昇進した石原が居た。
「よう」
「ああ、石原さん。少将昇進おめでとうございます」
「ありがとう。だがコレは単なる人事的なもので俺は嬉しいとも悲しいとも思っちゃいない。軍は単なる操り人形。ただ単に俺の手に巻いた操り糸が増えたに過ぎない」
「それが、昇進というものでしょう」
「そうだな。だが糸が多いと絡まって、思うように動かないモノも増えるから、それも見なくちゃならんから全く迷惑な話だよ」
実力があり物事の先を見る力のある石原にとって、軍という組織は面倒で窮屈なものかもしれない。
「ところで、何をしに来た?」
「北京の動向が気になって来ました」
盧溝橋で事件が起こるかもしれないとは言わなかった。
なぜならそれを防ぐために、城郭要塞をここに建てたのだから。
今の問題は “治安”。
盧溝橋事件が起きなくても、通州事件のような邦人殺害を目的とする事件が頻発すれば日本としても駐留軍を増やさざるを得なくなり、結果的に同じ道をたどるしかなくなる。
駐留軍が増えれば、外国の駐留軍との数的バランスも崩れ、警戒感を与えるに違いない。
私が居た過去の時代では、邦人と半島人だけが組織的に狙われたのは、おそらく何者かによってそのように誘導されていたに違いない。
それを防がない限り、何をしようともその時間を遅らせるだけになる。
「治安は、どうですか?」
「ああ、今のところは、落ち着いている」
「今のところとは?」
「中国をはじめとする大陸人は、威勢は良いが、力には弱い。アヘン戦争然り、日清戦争然り。外敵が強い力を証明してみせれば直ぐに屈服するが、その分民衆の不満は募る」
石原が中国に限定せず、大陸人と言ったのは、おそらく朝鮮も含んでいることは明らかだった。
彼らには “火病” と言われる一種のストレス障害を持つ人たちが多く、ストレスが溜まるとパニック障害、いわゆるヒステリーを起こし日本人のように我慢を続ける事が出来ない。
このことが私の元いた時代の南洋諸島などにおける現地住民との良好な関係が築けなかった大きな要因であることは間違いなく、日本人の多くはその事に気付くことが出来なかった。
彼らには常にストレスへのはけ口が必要であり、それがアヘンが蔓延した結果でもあり、戦後の反日教育にもつながった。
一夜城よろしく武力を使わずに日本の力を見せつけたものの、逆に彼らのストレスの元となっていることは確かだろう。
石原は、そのことを危惧しているのだ。
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