悪役令嬢の弟。

❄️冬は つとめて

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聖母 小悪魔 魔王。

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ルイス・ルォートは、悩んでいた。セルビィにピンハネを追及されて、狼狽してしまった自分に。やはり、自分にはこう言った事は向いてないのではと。ベンチに、座って考える。熱い、体を そよ風が冷やす。
「ルォート、先輩。」
後から、声を掛けられて心臓が跳ねる。この声の主を、ルイスは知っている。
ドキドキ していると、いつの間にか隣に座る。
覗き込んで来る、セルビィに冷や汗が出る。
「何か、悩み事 ですか? 」
優しく、問いただす。
「いや、別に。私は・・・」
ルイスは、目を反らした。セルビィは気遣うように、微笑む。
「僕には、話せませんか? 」
「いや、その。」
ルイスは、拳を握り締めた。その拳に、セルビィは手を そっ と触れる。
「ルイス 先輩の事が、心配です。」
セルビィの優しい眼差しと、目が合う。
「貴方は、真面目で 頑張り屋 ですから。」
気遣う、言葉が セルビィの可愛らしい唇から囁かれる。
その優しさが、心に染みてルイスは涙を流した。
先程も、ビウェルに小心者と叱咤されたばかりだった。
自分は、小心者で何も出来ないと ルイスは萎縮していた。其れなのに、
今自分は、優しく頭から抱きしめられている。
「何が、貴方を苦しめているのか 分かりません。」
耳元に、優しく囁かれる。
「でも、貴方は良く 頑張ってます。」
抱きしめている、腕が強くなる。苦しい程に。
「自分を、褒めて上げて下さい。貴方は、頑張り過ぎています。」
その言葉に、ルイスは思いが弾けた。
自分は、頑張っていた と誰かに見留めて欲しかった。子供の様に涙が溢れる。
セルビィは、ルイスが落ち着くまで黙って 抱き締めていた。


「面目ない。恥ずかしい、です。」
真っ赤に成って、ルイスは俯いている。ベンチに座っているルイスに、地に膝を尽き下から見上げるセルビィ。両手はルイスの手を、握り絞めている。
「僕で、良かったら。何時でも、愚痴を聞かせて貰います。」
聖母の様に、微笑む。
「体を労って、上げて下さい。」
目を閉じる、唇が
「心も。」
ルイスは、目を見張る。再び、涙が溢れそうだ。
「貴方が、背負う事で 救われる人がいることを 忘れないで 下さい。」
優しい、眼差しを贈る。
「セルビィ 様。」
セルビィは、頰を染めて可愛らしく微笑んだ。
「年下が、偉そうに済みません。」
その場に、立ち上がる。手は握ったままだ。
「馬車を待たせているので、僕は帰ります。」
手を離す。
「先輩も、早く帰ってお休み下さい。」
自分を労る、可愛らしい声。先程の聖母の様な微笑みではない、少女の様な微笑みを。黒い髪が ふわり と、風に靡いて後ろに留めている髪飾りが きらり と、輝く。
去って行く、セルビィの後ろ姿を ルイスはその姿が見えなくなるまで見詰めていた。








「指を食まれ、指を舐められました。フレックス様は、変態です。」
馬車に乗ったセルビィは、ナルトに向かって間一髪 言った。
「男に、ハニートラップを掛ける お前に言われたくは、ないだろう。」
「違います。」
ナルトの言葉に、セルビィは否定した。
「僕は、僕に、優しく協力したくなる様に 彼等に好ましい女 人に 合わせただけです。」
「今、女性て 言い掛けたよな。」
「違います。好ましい人です。」
セルビィは にっこり と、微笑む。
「僕のお願い事を、気分良く 遂行してくれる。優しい人に、成って欲しかったのです。」
「お前、いつか後から 刺されるぞ。」
冷たい目で、ナルトは見る。
「今回は、舐められた位ですんで良かったが。気をつけろよ。男は、狼だからな。」
セルビィは こてん と、首を傾げた。
「指も、食まれました。」
「だから、気をつけろ。お前は、綺麗なんだから自覚しろ。」
「僕が、綺麗なのは自覚してます。」
「言ってろ、ナルシスト。」
「違います。姉様に、そっくりの僕が綺麗なのは 当たり前です。」
嬉しそうに、セルビィは微笑んだ。
「本当、マジ。気をつけろよ、力じゃお前 敵わないんだからな。」
真面目な顔で、ナルトは言う。
「其処は、護衛のナルト様が護って下さい。」
「はあ!? 学園内は無理。俺は、入れない。」
セルビィは こてん と、首を傾げた。
「何の為の秘密通路ですか? 其処から、入って来てください。」
「俺が、混じれは目立つだろ。」
「大丈夫です。変装すれば、紛れます。」
セルビィは、馬車に隠してあるおかっぱの金髪の桂を取り出した。
「これに、制服を着れば。」
「おっさんの俺に、制服を着せる積もりか。」
「ナルト様は、まだ若いですよ。其れに、おっさん見たいな学生もいますし。」
「其れは、俺をおっさんと言ってるのと同じだ。」
セルビィは、微笑みながら目を反らした。
二十代のナルトは、自分から言った事だか『おっさん』呼ばわりはきつかった。ので、
「まさか、あのフレックスも簡単に落ちるとは思わなかったな。」
話をそらす。
「違います。指を食まれ、舐められました。変態です。」
「お前が、ハニートラップに 掛けたんだからな。」
「違います。好ましい女性 人 です。」
「今、完璧に女性と言ったな。」
ナルトは、指摘した。セルビィは、誤魔化す様に微笑んだ。
「男性は、ボディタッチや誉められたり頼られたりするのが弱いと 本に書いてありました。」
「なんだ、その本怖ぇぞ。」
「タイトルは、ずばり。男を落とす、仕草や言葉。」
セルビィは、本を取り出しナルトに見せる。ぱらぱら と、捲る。
「ナルト様は、小悪魔タイプが好きですよね。」
くすくす と、微笑む。
「お前、俺にハニートラップを掛けていたのか? 」
「掛けてませんよ。」
首を、傾げる。
「そうだな、お前は魔王で小悪魔じゃない。」
内心 ドキドキ しながらナルトは言った。
「天使の僕に、そんな事を言うのは ナルト様だけです。」
ナルトの心情を知らず、セルビィは屈託のない笑顔を ナルトに見せる。
楽しい一時が、馬車の中で行われていた。
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