88 / 128
『乙女の秘密』の世界。
しおりを挟む
土曜日の朝、セルビィは用事があると屋敷を後にする。その時、令嬢達は次のように言った。
「セルビィ。明日は、夕方までには帰って来るのよ。」
「それまで、ゆっくりしていて。」
「ええ、決して帰って来ては駄目よ。」
「ぜったい、ぜっーたい、帰って来てはダメ!! 」
強い口調で、セルビア達はセルビィに念を押す。
「ナルト様も、お願い。」
「セルビィを頼みます。」
「セルビィ君を、護ってね。」
「明日の夕方まで、連れて帰っては駄目よ。」
セルビア達は、ナルトにも念を押す。馬車に乗って、セルビィとナルトは屋敷を後にした。
「姉様達は、僕の誕生日のサプライズをしたいようです。」
「まる分かりだろ!! 」
セルビィは、嬉しそうに微笑んだ。ナルトは、溜息をついた。
「どうして、こうも隠し事が出来ない民族なんだ 俺達は。」
「其所が、姉様達の可愛い処です。」
『豪の者』は、隠し事が下手だ。直ぐに顔に出てしまう。其れでも隠そうとすると、顔が強張り無口になる。なまじ顔が整っている者が多いい所為で、冷たい印象を与えてしまう。挙げ句、髪や目が黒に近い所為で恐い印象と成っている。死神と呼ばれるセラムや三伯爵も、秘密を知られない為に口をつぐむ。だが、つい口元か目尻のどちらかが緩む。その姿は、細笑んでいるようで周りから見れば恐かった。
(今思えば、おっさんず。頑張ったよな。)
秘密を悟られずに、今日まで来た。そして、先程の令嬢達の事を思い出して。
(うん。ぎりぎりまで教えなくて、正解だな。)
ナルトは、セルビィを見て感心していた。
「この時期だから、無理しなくてもいいのに。」
そう言いながら、セルビィは嬉しそうだった。
「まあ お前の誕生日なんて、こっちでするのは初めてだからな。色々と、したいんだろう。」
(4年に、一回だし。(笑))
※毎年、プレゼントは届いてました。健康器具とか健康器具とか健康器具が。
セルビィは、体が弱いと言うことで 領地で養生をしている事に成っていた。風邪ひとつ、熱すら出したことは無かったが。
「どんなサプライズか、楽しみです。」
「いや、サプライズに成ってないから!! ばれてるから!! 」
にっこり と、笑うセルビィに。ナルトは、突っ込んだ。
此所は、アメリゴ帝国最前線の街ユーヨク。その最も大きい屋敷、リオル第二王子の住まうところ。
「来ちゃった。」
赤い情熱的なワンピースを着た、セルビィは執事見習いに扉を開けて貰って書斎に入る。
其所に、仲睦まじい四人の将軍騎士とリオル。一人の将軍騎士が、リオルに抱き付いているのを必死で剥がそうとしているロレンスが。
「「……お邪魔しました。」」
ナルトは、セルビィを引っ張って部屋を出る。静かに、執事見習いは扉を閉めた。
「「待て!! 誤解だ!! 」」
慌ててリオルとロレンスは、声を上げた。扉の向こう側から、声がする。セルビィは、首を傾げた。
「ナルト様? 」
「取り込み中だから、またの機会にしようか。」
「そうだな、其れが良い。」
ナルトの言葉に、明るい髪の青年 執事見習いは応えた。
「取り込み中? 」
セルビィは、可愛らしく首を傾げる。
「まさか、リオルが男色家だったとわな。」
「セルビィ。俺、此所 辞めて良いか? 」
執事見習いのが、言った。つい最近、秋口に執事見習いとして入ったばかりだ。
「駄目です。『良き日』までは、いて下さい。」
「俺の貞操の危機なのに。」
「大丈夫だ、ロビン。ゴリマッチョ系が、好みのようだし。」
ナルトは、執事見習いロビンの肩に手を置いて目を逸らしながら言った。
彼の名前は、ロビン。五年前スラム街の少年達のリーダーをしていた青年。秋口から(立食会)目を付けていたリオルの屋敷に、執事見習いとして侵入していた。
いわゆる、間者。明るい髪の色をしているので帝国の市民として、潜り込んでいた。
「お前、人の事だと思ってな。」
「他人事だも~ん。」
ナルトとロビンは、会話をしている。セルビィは、首を傾げて考えていた。
(男色? )
そして、はたと気が付く。
「『乙女の秘密』の本!! 」
姉様達が読んでいた、男性同士の不思議な本を思い出した。
「『乙女の秘密』の本とは?」
「聞くな。」
ロビンが聞き返したが、ナルトが其れを制した。
「つまり、姉様達の『乙女の秘密』の本の展開を リオル様達はやっていると。」
「うん、まあ そうだな。」
セルビィの問いに、ナルトは応える。
「『乙女の秘密』の本とは? 」
「聞くな。」
ロビンの問いには、ナルトは頑なに聞くなと唱える。
「男同士の生殖活動、不思議です。」
「また、身も蓋もない言い方を。」
「生殖活動、男同士の!? どう言う事だ、ナルト!! 」
「聞くな!! 」
頑なに言ようとしないナルトに、簡単に話すセルビィ。
「姉様達が読んでいる『乙女の秘密』の本には、何故か 男同士の生殖活動が。子供も出来ないのに。」
「「・・・・・・。」」
ナルトとロビンは、目線を合わせた。
「なんてもん読んでんだ、令嬢達は。」
「『女子会』と、言ってアリス様達も読んでましたよ。」
「なんてもん読んでんだ、アリス!! 」
ロビンは、叫んだ。ロビンには、分かってしまった。『乙女の秘密』の本が、女子の中で流行っている『BL本』だと、言うことに。つまり、男子で言うところの『HR本』だと、言うことに。
「今 正に、姉様達が読んでいた小説の世界がこの部屋の中で繰り広げられているのです。興味が、あります。」
セルビィは そーっと、扉を開こうと近づいた。
「「見るな!! お前には、まだはやい!! 」」
二人は同時に、叫んだ。
だが、扉は開かれていた。その扉の隙間から此方を覗く目が。セルビィは、可愛らしく首を傾げる。
「仲が宜しいのですね、三人とも。」
ロレンスは、扉の隙間から言った。静かに扉を開く。
「どう言うことでしょう、ロビン。」
平凡な顔のロレンスは、微笑む。ロビンは、目を逸らした。
「セルビィ様、あなた達の仲は? 」
「こ、友達です。」
セルビィは、素直に応えた。
「「「今 駒って、言いかけたよな!! 」」」
セルビィは にっこり笑って、淑女の礼を取った。
「セルビィ。明日は、夕方までには帰って来るのよ。」
「それまで、ゆっくりしていて。」
「ええ、決して帰って来ては駄目よ。」
「ぜったい、ぜっーたい、帰って来てはダメ!! 」
強い口調で、セルビア達はセルビィに念を押す。
「ナルト様も、お願い。」
「セルビィを頼みます。」
「セルビィ君を、護ってね。」
「明日の夕方まで、連れて帰っては駄目よ。」
セルビア達は、ナルトにも念を押す。馬車に乗って、セルビィとナルトは屋敷を後にした。
「姉様達は、僕の誕生日のサプライズをしたいようです。」
「まる分かりだろ!! 」
セルビィは、嬉しそうに微笑んだ。ナルトは、溜息をついた。
「どうして、こうも隠し事が出来ない民族なんだ 俺達は。」
「其所が、姉様達の可愛い処です。」
『豪の者』は、隠し事が下手だ。直ぐに顔に出てしまう。其れでも隠そうとすると、顔が強張り無口になる。なまじ顔が整っている者が多いい所為で、冷たい印象を与えてしまう。挙げ句、髪や目が黒に近い所為で恐い印象と成っている。死神と呼ばれるセラムや三伯爵も、秘密を知られない為に口をつぐむ。だが、つい口元か目尻のどちらかが緩む。その姿は、細笑んでいるようで周りから見れば恐かった。
(今思えば、おっさんず。頑張ったよな。)
秘密を悟られずに、今日まで来た。そして、先程の令嬢達の事を思い出して。
(うん。ぎりぎりまで教えなくて、正解だな。)
ナルトは、セルビィを見て感心していた。
「この時期だから、無理しなくてもいいのに。」
そう言いながら、セルビィは嬉しそうだった。
「まあ お前の誕生日なんて、こっちでするのは初めてだからな。色々と、したいんだろう。」
(4年に、一回だし。(笑))
※毎年、プレゼントは届いてました。健康器具とか健康器具とか健康器具が。
セルビィは、体が弱いと言うことで 領地で養生をしている事に成っていた。風邪ひとつ、熱すら出したことは無かったが。
「どんなサプライズか、楽しみです。」
「いや、サプライズに成ってないから!! ばれてるから!! 」
にっこり と、笑うセルビィに。ナルトは、突っ込んだ。
此所は、アメリゴ帝国最前線の街ユーヨク。その最も大きい屋敷、リオル第二王子の住まうところ。
「来ちゃった。」
赤い情熱的なワンピースを着た、セルビィは執事見習いに扉を開けて貰って書斎に入る。
其所に、仲睦まじい四人の将軍騎士とリオル。一人の将軍騎士が、リオルに抱き付いているのを必死で剥がそうとしているロレンスが。
「「……お邪魔しました。」」
ナルトは、セルビィを引っ張って部屋を出る。静かに、執事見習いは扉を閉めた。
「「待て!! 誤解だ!! 」」
慌ててリオルとロレンスは、声を上げた。扉の向こう側から、声がする。セルビィは、首を傾げた。
「ナルト様? 」
「取り込み中だから、またの機会にしようか。」
「そうだな、其れが良い。」
ナルトの言葉に、明るい髪の青年 執事見習いは応えた。
「取り込み中? 」
セルビィは、可愛らしく首を傾げる。
「まさか、リオルが男色家だったとわな。」
「セルビィ。俺、此所 辞めて良いか? 」
執事見習いのが、言った。つい最近、秋口に執事見習いとして入ったばかりだ。
「駄目です。『良き日』までは、いて下さい。」
「俺の貞操の危機なのに。」
「大丈夫だ、ロビン。ゴリマッチョ系が、好みのようだし。」
ナルトは、執事見習いロビンの肩に手を置いて目を逸らしながら言った。
彼の名前は、ロビン。五年前スラム街の少年達のリーダーをしていた青年。秋口から(立食会)目を付けていたリオルの屋敷に、執事見習いとして侵入していた。
いわゆる、間者。明るい髪の色をしているので帝国の市民として、潜り込んでいた。
「お前、人の事だと思ってな。」
「他人事だも~ん。」
ナルトとロビンは、会話をしている。セルビィは、首を傾げて考えていた。
(男色? )
そして、はたと気が付く。
「『乙女の秘密』の本!! 」
姉様達が読んでいた、男性同士の不思議な本を思い出した。
「『乙女の秘密』の本とは?」
「聞くな。」
ロビンが聞き返したが、ナルトが其れを制した。
「つまり、姉様達の『乙女の秘密』の本の展開を リオル様達はやっていると。」
「うん、まあ そうだな。」
セルビィの問いに、ナルトは応える。
「『乙女の秘密』の本とは? 」
「聞くな。」
ロビンの問いには、ナルトは頑なに聞くなと唱える。
「男同士の生殖活動、不思議です。」
「また、身も蓋もない言い方を。」
「生殖活動、男同士の!? どう言う事だ、ナルト!! 」
「聞くな!! 」
頑なに言ようとしないナルトに、簡単に話すセルビィ。
「姉様達が読んでいる『乙女の秘密』の本には、何故か 男同士の生殖活動が。子供も出来ないのに。」
「「・・・・・・。」」
ナルトとロビンは、目線を合わせた。
「なんてもん読んでんだ、令嬢達は。」
「『女子会』と、言ってアリス様達も読んでましたよ。」
「なんてもん読んでんだ、アリス!! 」
ロビンは、叫んだ。ロビンには、分かってしまった。『乙女の秘密』の本が、女子の中で流行っている『BL本』だと、言うことに。つまり、男子で言うところの『HR本』だと、言うことに。
「今 正に、姉様達が読んでいた小説の世界がこの部屋の中で繰り広げられているのです。興味が、あります。」
セルビィは そーっと、扉を開こうと近づいた。
「「見るな!! お前には、まだはやい!! 」」
二人は同時に、叫んだ。
だが、扉は開かれていた。その扉の隙間から此方を覗く目が。セルビィは、可愛らしく首を傾げる。
「仲が宜しいのですね、三人とも。」
ロレンスは、扉の隙間から言った。静かに扉を開く。
「どう言うことでしょう、ロビン。」
平凡な顔のロレンスは、微笑む。ロビンは、目を逸らした。
「セルビィ様、あなた達の仲は? 」
「こ、友達です。」
セルビィは、素直に応えた。
「「「今 駒って、言いかけたよな!! 」」」
セルビィは にっこり笑って、淑女の礼を取った。
10
あなたにおすすめの小説
「お幸せに」と微笑んだ悪役令嬢は、二度と戻らなかった。
パリパリかぷちーの
恋愛
王太子から婚約破棄を告げられたその日、
クラリーチェ=ヴァレンティナは微笑んでこう言った。
「どうか、お幸せに」──そして姿を消した。
完璧すぎる令嬢。誰にも本心を明かさなかった彼女が、
“何も持たずに”去ったその先にあったものとは。
これは誰かのために生きることをやめ、
「私自身の幸せ」を選びなおした、
ひとりの元・悪役令嬢の再生と静かな愛の物語。
[完]本好き元地味令嬢〜婚約破棄に浮かれていたら王太子妃になりました〜
桐生桜月姫
恋愛
シャーロット侯爵令嬢は地味で大人しいが、勉強・魔法がパーフェクトでいつも1番、それが婚約破棄されるまでの彼女の周りからの評価だった。
だが、婚約破棄されて現れた本来の彼女は輝かんばかりの銀髪にアメジストの瞳を持つ超絶美人な行動過激派だった⁉︎
本が大好きな彼女は婚約破棄後に国立図書館の司書になるがそこで待っていたのは幼馴染である王太子からの溺愛⁉︎
〜これはシャーロットの婚約破棄から始まる波瀾万丈の人生を綴った物語である〜
夕方6時に毎日予約更新です。
1話あたり超短いです。
毎日ちょこちょこ読みたい人向けです。
田舎娘をバカにした令嬢の末路
冬吹せいら
恋愛
オーロラ・レンジ―は、小国の産まれでありながらも、名門バッテンデン学園に、首席で合格した。
それを不快に思った、令嬢のディアナ・カルホーンは、オーロラが試験官を買収したと嘘をつく。
――あんな田舎娘に、私が負けるわけないじゃない。
田舎娘をバカにした令嬢の末路は……。
婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。
黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」
豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。
しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
裏切られた令嬢は死を選んだ。そして……
希猫 ゆうみ
恋愛
スチュアート伯爵家の令嬢レーラは裏切られた。
幼馴染に婚約者を奪われたのだ。
レーラの17才の誕生日に、二人はキスをして、そして言った。
「一度きりの人生だから、本当に愛せる人と結婚するよ」
「ごめんねレーラ。ロバートを愛してるの」
誕生日に婚約破棄されたレーラは絶望し、生きる事を諦めてしまう。
けれど死にきれず、再び目覚めた時、新しい人生が幕を開けた。
レーラに許しを請い、縋る裏切り者たち。
心を鎖し生きて行かざるを得ないレーラの前に、一人の求婚者が現れる。
強く気高く冷酷に。
裏切り者たちが落ちぶれていく様を眺めながら、レーラは愛と幸せを手に入れていく。
☆完結しました。ありがとうございました!☆
(ホットランキング8位ありがとうございます!(9/10、19:30現在))
(ホットランキング1位~9位~2位ありがとうございます!(9/6~9))
(ホットランキング1位!?ありがとうございます!!(9/5、13:20現在))
(ホットランキング9位ありがとうございます!(9/4、18:30現在))
私に姉など居ませんが?
山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」
「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」
「ありがとう」
私は婚約者スティーブと結婚破棄した。
書類にサインをし、慰謝料も請求した。
「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる