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そして日は登る。
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けたたましい鐘の音が王都に響き渡る。夜明け前の新月の闇、朝の日差しはまだ遠いい。
民は怯え、貴族は場内で慌てふためく。闇の中で炎が揺れる。
「行きますか、レイズ。」
「ああ、後は頼む。」
静かに時を待っていた軍事総長のレイズが立ち上がった。鎧を着込んだ雄々しい姿。
「嫌ですね、もう彼らの尻拭いは懲り懲りです。」
宰相のエリオットは清々しい笑顔で微笑んだ。彼は着慣れぬ鎧を装着していた。
「そうか。」
レイズも笑った。
「なら、行くか。」
「ええ。」
彼らは腐っても国を守る役職についていた、それが他者を虐げる事に成っていても国を守るためには仕方がないと。だが虐げた者が、有能で有り従順で有るがゆえそれに甘えていた。腐敗した国を、堕楽した王を支えていたのも確かであった。膨張した宗教を押さえていたのは彼らであった。
「忙しさにかまけないで息子を教育出来てれば、ことは変わっていたでしょうか? 」
「そだな、俺たちも変わる必要があった。」
「そうですね、其のための婚姻でしたのに。」
豪の者との橋渡しのつもりで、嫌がる豪の者と王と聖教長を説き伏せての婚姻であった。則妃でよいと言う傲慢な貴族たちを説き伏せて、豪の令嬢を正妃、正室として向いれるはずだった。
ただ、彼らは忙しかった、堕楽した王や貴族を動かすことに、膨張し横柄になる宗教を押さえることに。それ故、息子達は聖教長の考えに染まって行くことに気づけなかった。
もし、公爵としてのプライドを捨てられたら、豪の者に協力を求める潔さがあればことは変わっていたかも知れない。
だが流れ出た水は、戻らない。
だからこそ、勝っても負けても最後は潔く。
「まあ、勝てる気はしませんが。」
「そうだな。」
二人は笑いあった。彼らは戦場へ向かう為、部屋を出ていった。
長い廊下でエリオットは振り返る。
「どうした? 」
「いえ、せめて最後は苦しまなく迎えれるように。」
「そうだな。」
彼らは息子たちを思った。王族の血を引く者ゆえ命の保証はされないであろうと、それが滅び行く国の定めであると。
城門前に馬に跨がる数百人と数千人の兵士達が待っていた。何時も虐げていた者は傲慢な態度で、勘違いした力を信じて。下級兵士達は恐怖に青ざめた顔をしていた。
けたたましい鐘の音が響き渡る王都、行き先案内のように先を走る松明を持った騎兵。馬の蹄の音と鎧の擦れる音が鐘の音とあいまって響き渡る。
城門を出て真っ直ぐと続く暗闇の道、月の出ない新月まるで地獄へと向かう道のようであった。
中央の広場のような交差路を西に進路を取り西外壁ヘ、指揮官であるレイズは軍隊を向けるために馬の速度を落とした。
ピシユュュューー!!
一本の槍が鎧を砕き胸を貫いた。
「エリオット!! 」
レイズは自分を庇い槍を受けた、エリオットを見た。崩れ落ち落馬するエリオットを助ける暇などなかった。多くの槍と矢が正面の方から飛んで来たからだ。
「正面!! 襲撃!! 」
叫んだ者は矢に寄って、額を撃ち抜かれた。
『ウオオオオォォォ……』
その時、正面の南門側から鬨の声が上がった。太陽が顔を出し始めると、オースト国の軍の横腹をえぐるように数千人のアメリゴ帝国の兵士が姿を表した。
南門は開き、闇と王都に響き渡る鐘と馬の蹄の音に紛れて此処まで進んで来ていたのだ。
矢を避け槍を折り、レイズは剣を振り馬を操る。何人かの敵兵を倒す、横から振り抜かれた大剣を受け止める。何回かその者と剣を交わす。
「オースト国にも、出来る奴が残っていたか。」
その大男は、嬉しそうに高笑いをした。
「俺は、グレード・ローマン。卿は? 」
「レイズ。レイズ・バッカーダ。」
「なるほど、バッカーダ公爵。軍の頭か、」
グレードは一度強くレイズの剣を弾いた。そして大きく振りかぶった。
「その名、覚えておこう。」
グレードは大剣を振り下ろす。レイズはそれを受け止めたが、剣が弾け折れ大剣は彼の体を切り裂いた。致命傷を負いレイズは馬から落馬する。
「感謝するエリオット、騎士として俺は死ねる……」
消えゆく命のなか、レイズは友のエリオットに感謝をした。彼が庇っていなければ彼は戦うことなく亡くなっていた、騎士として死ねるのはレイズにとって幸運であった。
「総督閣下が打たれた!! 」
その声は、ざわめく戦場に甲高く響き上がった。
「うわあぁぁぁ!! 」
「逃げろおぉぉぉーー!! 」
ただでさえ、横から分断されていた兵士達は総督が打たれたことで慌てふためき散り散りと逃げていく。既に自分の力を過信していた貴族騎士達は、我先と城内へと逃げ帰っていた。
「総督閣下が、討ち死に!! 」
「宰相閣下も亡くなられた!! 」
伝言ゲームのように兵士達が声を上げている。その声が城へも届く。
「早く中に入れてくれ!! 」
「早く門を開けろ!! 」
先に逃げ帰って来た騎士達が門前で叫んでいる。
日が昇り明るくなった王都に、城門前の数キロ先にアメリゴ帝国の旗が上がっていた。
「バッカーダ総督閣下が討ち死になされました。」
「レイズが……。」
王に訃報を騎士が伝えに来た。
「エリオットは? 宰相は!? 」
「共に、討ち死になされました。」
王は呆然と立ち尽くした。
その近くのソファに座る聖教長のシアンは手に待つワインを飲み干した。
民は怯え、貴族は場内で慌てふためく。闇の中で炎が揺れる。
「行きますか、レイズ。」
「ああ、後は頼む。」
静かに時を待っていた軍事総長のレイズが立ち上がった。鎧を着込んだ雄々しい姿。
「嫌ですね、もう彼らの尻拭いは懲り懲りです。」
宰相のエリオットは清々しい笑顔で微笑んだ。彼は着慣れぬ鎧を装着していた。
「そうか。」
レイズも笑った。
「なら、行くか。」
「ええ。」
彼らは腐っても国を守る役職についていた、それが他者を虐げる事に成っていても国を守るためには仕方がないと。だが虐げた者が、有能で有り従順で有るがゆえそれに甘えていた。腐敗した国を、堕楽した王を支えていたのも確かであった。膨張した宗教を押さえていたのは彼らであった。
「忙しさにかまけないで息子を教育出来てれば、ことは変わっていたでしょうか? 」
「そだな、俺たちも変わる必要があった。」
「そうですね、其のための婚姻でしたのに。」
豪の者との橋渡しのつもりで、嫌がる豪の者と王と聖教長を説き伏せての婚姻であった。則妃でよいと言う傲慢な貴族たちを説き伏せて、豪の令嬢を正妃、正室として向いれるはずだった。
ただ、彼らは忙しかった、堕楽した王や貴族を動かすことに、膨張し横柄になる宗教を押さえることに。それ故、息子達は聖教長の考えに染まって行くことに気づけなかった。
もし、公爵としてのプライドを捨てられたら、豪の者に協力を求める潔さがあればことは変わっていたかも知れない。
だが流れ出た水は、戻らない。
だからこそ、勝っても負けても最後は潔く。
「まあ、勝てる気はしませんが。」
「そうだな。」
二人は笑いあった。彼らは戦場へ向かう為、部屋を出ていった。
長い廊下でエリオットは振り返る。
「どうした? 」
「いえ、せめて最後は苦しまなく迎えれるように。」
「そうだな。」
彼らは息子たちを思った。王族の血を引く者ゆえ命の保証はされないであろうと、それが滅び行く国の定めであると。
城門前に馬に跨がる数百人と数千人の兵士達が待っていた。何時も虐げていた者は傲慢な態度で、勘違いした力を信じて。下級兵士達は恐怖に青ざめた顔をしていた。
けたたましい鐘の音が響き渡る王都、行き先案内のように先を走る松明を持った騎兵。馬の蹄の音と鎧の擦れる音が鐘の音とあいまって響き渡る。
城門を出て真っ直ぐと続く暗闇の道、月の出ない新月まるで地獄へと向かう道のようであった。
中央の広場のような交差路を西に進路を取り西外壁ヘ、指揮官であるレイズは軍隊を向けるために馬の速度を落とした。
ピシユュュューー!!
一本の槍が鎧を砕き胸を貫いた。
「エリオット!! 」
レイズは自分を庇い槍を受けた、エリオットを見た。崩れ落ち落馬するエリオットを助ける暇などなかった。多くの槍と矢が正面の方から飛んで来たからだ。
「正面!! 襲撃!! 」
叫んだ者は矢に寄って、額を撃ち抜かれた。
『ウオオオオォォォ……』
その時、正面の南門側から鬨の声が上がった。太陽が顔を出し始めると、オースト国の軍の横腹をえぐるように数千人のアメリゴ帝国の兵士が姿を表した。
南門は開き、闇と王都に響き渡る鐘と馬の蹄の音に紛れて此処まで進んで来ていたのだ。
矢を避け槍を折り、レイズは剣を振り馬を操る。何人かの敵兵を倒す、横から振り抜かれた大剣を受け止める。何回かその者と剣を交わす。
「オースト国にも、出来る奴が残っていたか。」
その大男は、嬉しそうに高笑いをした。
「俺は、グレード・ローマン。卿は? 」
「レイズ。レイズ・バッカーダ。」
「なるほど、バッカーダ公爵。軍の頭か、」
グレードは一度強くレイズの剣を弾いた。そして大きく振りかぶった。
「その名、覚えておこう。」
グレードは大剣を振り下ろす。レイズはそれを受け止めたが、剣が弾け折れ大剣は彼の体を切り裂いた。致命傷を負いレイズは馬から落馬する。
「感謝するエリオット、騎士として俺は死ねる……」
消えゆく命のなか、レイズは友のエリオットに感謝をした。彼が庇っていなければ彼は戦うことなく亡くなっていた、騎士として死ねるのはレイズにとって幸運であった。
「総督閣下が打たれた!! 」
その声は、ざわめく戦場に甲高く響き上がった。
「うわあぁぁぁ!! 」
「逃げろおぉぉぉーー!! 」
ただでさえ、横から分断されていた兵士達は総督が打たれたことで慌てふためき散り散りと逃げていく。既に自分の力を過信していた貴族騎士達は、我先と城内へと逃げ帰っていた。
「総督閣下が、討ち死に!! 」
「宰相閣下も亡くなられた!! 」
伝言ゲームのように兵士達が声を上げている。その声が城へも届く。
「早く中に入れてくれ!! 」
「早く門を開けろ!! 」
先に逃げ帰って来た騎士達が門前で叫んでいる。
日が昇り明るくなった王都に、城門前の数キロ先にアメリゴ帝国の旗が上がっていた。
「バッカーダ総督閣下が討ち死になされました。」
「レイズが……。」
王に訃報を騎士が伝えに来た。
「エリオットは? 宰相は!? 」
「共に、討ち死になされました。」
王は呆然と立ち尽くした。
その近くのソファに座る聖教長のシアンは手に待つワインを飲み干した。
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