【完結】私の婚約者の、自称健康な幼なじみ。

❄️冬は つとめて

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俺の自称健康な幼馴染みの、行方。

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カノンは遊園地の真ん中で、ひとり茫然と立ち尽くしていた。

「ようよう、そこの可愛い子ちゃん。一人かい? 」

「お義兄さん達と、一緒に遊ばないかい。」
そんなカノンに、ニヤけた顔をした男が二人声を掛けた。



昼頃、主治医タクトはオスカーのいる騎士訓練学園にやって来ていた。

「オスカー様、カノン様はこちらに来られていませんか? 」

「カノンが? 入院中では。」
「実は、抜け出しまして。こちらに来られていませんか? 」
タクトはきょろきょろと辺りを窺う。オスカーは溜息をついた。

「あの馬鹿、またか。」
そう呟くとオスカーも辺りを見回した。カノンがこっそり隠れてオスカーを見張っているのは

オスカー達は何時もの事だと思った、だが辺りにカノンは見あたらない。

「カノンめ、腕を上げたな。」
オスカーは感心して頷いた。

「感心しないで、見つけてください。春と言えどもまだ寒いです。早く確保しなくては。」

「そうだな、ルミナスとのデートを邪魔されたくはないからな。」

オスカーは、カノンを引き寄せる発した。

「よし、今日のルミナスとのデートはにしょう。」
かなりの大声で、叫んだ。

『遊園地ですって、酷いわお兄様。カノンも行きますわ、連れて行ってくださいませ。』
と、何時もなら必ず出て来るのに今日は出てこない。

「あれ? 」
オスカーはもう一度、声を上げた。

「先生も一緒に『遊園地』へ行きましょう。」

「えっ!? 」
急に振られてタクトは驚いた。

『酷いですわ、お兄様。わたくしの宿敵を誘うくらいなら、カノンをお連れになって。』
と、腕に抱き付いて来る筈なのに今日は姿が見えない。

「おい、カノン!! いるんだろ、出てこい!! 」
オスカーは心配になって声を荒げた。しかし、カノンは出て来ることは無かった。

「マジかよ…… 」
「オスカー様。オスカー様の所以外にカノン様の行くような場所はありませんか? 」
タクトも心配になった。
カノンが行くところはオスカーのいる場所だと確信を持っていたのに、だがカノンはいない。

「俺以外の所か? まさかあいつ。」
オスカーは顔を歪ませた。

「何処です? オスカー様。」

「ルミナスの所かもしれない。」
オスカーとルミナスはよく共にいてデートをしている。
カノンが入院をした日にはデートで遊園地へ行った事も知っている。ルミナスに張り付いていれば必ずオスカーが現れデートに誘うと目星をつけて先回りをしているかもしれない。

「ルミナスは優しいから、カノンと遊園地へ行く約束をさせられるかもしれない。」
「遊園地? 」

タクトは『遊園地』と言うキーワードが気になったが、オスカーの声に遮られた。

「とにかく、ルミナスの学園に行こう。きっと、学園に張り付いているに違いない。」

「そうですね、急ぎましょう。」
オスカー達は、タクトが乗ってきた馬車に乗るとルミナスの学園へと磯いた。

しかし、ルミナスの学園で、同じように必殺の言葉を発したがカノンは出て来ることは無かった。

「そんな馬鹿な…… 」
「カノン様。」
茫然とするオスカーとルミナス。

「馬鹿な、あの体でいったい。」
少しは体調が良くなってるとしても、一人で出歩くのは無理がある。

吐血する場合も、それで貧血を起こして倒れる場合もある。
誰かが傍にいる必要があるのだ。何時もなら使用人や侍女が付いているが、入院中で誰も付いていない。

「とにかく捜しましょう。カノン様は、目立つ方です。」

「そうですわ。病院の傍からあたれば誰が見ている人も出て来ますわ。お兄様にも、エリーゼにも捜してくださるよう頼んで来ますわ。」
ルミナスが口早に行動を言う。

「しっかりしてください、オスカー様。」
茫然とするオスカーを叱咤する。

「あ、ああ。すまないルミナス。頼む…… 」
オスカーは頭を振った。
こんな事は初めてであった、カノンが一人で行動をするのは。
オスカーは底知れぬ不安を何とか振り切って、カノンを捜すのに行動を移すのであった。


その頃カノンは、気を失った状態で遊園地で出会った男達のに乗って連れて行かれていた。



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