【完結】私の婚約者の、自称健康な幼なじみ。

❄️冬は つとめて

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私の突拍子のない友の、名推理。

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オスカーの邸宅、ティアック伯爵家の門前でカノンを捜していた者達は集まっていた。

勿論、ティアック家、フレンダ家、アプリコット家、そしてルミナスの友達のメーデア家総出の捜索であった。

だが、夕刻になってもカノンは見つからなかった。

カノンの着た黒いドレスは朝早い闇の中で保護色となり、駅までの道のりを隠した。

明るくなった頃駅に着いたが、ジパングと言う島国から来たという学生達の黒い制服と黒い髪に紛れ込みカノンは目立つこと無く遊園地へと辿り着いていたのだった。



「カノン様、いったい何処へ。」
「カノン…… 」

茫然と立ち尽くす、オスカーとルミナス。

まさか独りでカノンが遊園地に行くとオスカーが気が付かない限り、他の誰にも気付く筈は無かった。

「何処かで、倒れて…… 」

「誘拐、かも。」
「確かにそれは考えられる。」

主治医タクトは、体調を疑い。

ルミナスの友達と兄は、事件を疑った。

カノンは侯爵令嬢である。
誘拐に遇う確率は高く、令嬢にあるまじき黒いドレスとはいえを使っている見た目は何処から見てもお嬢様である。

それに誘拐も金銭目的で無く、カノン自身の姿で誘拐された可能性もある。

だとしたら、行方を捜すのは皆無に等しかった。

「カノン…… 」
「オスカー様。」
項垂れるオスカーを、ルミナスが支える。

「ルミナス…… 君に夢中になりすぎて俺は、カノンをあまりにも蔑ろにしてしまっていた。」
「オスカー様。それは私もです、オスカー様との時間が楽しすぎてカノン様の事を…… 」
二人は後悔に苛まれた。

「カノンには、。」
病弱で学園に通うことも、茶会に出向くことも出来なかったカノン。彼女には友達と呼べる者はいなかった。

「そんな事はありませんわ。私はカノン様と知り合えて、友達になることは出来たはずなのに。
オスカー様の事で意固地になって、もっと知ろうとも友達になろうともしなかったですもの。」
ルミナスは自分を責めた。
カノンの寂しい気持ちを慮って、もっと積極的に友達になろうとしていればと。

そうすればもっと早くオスカーへの誤解も解け、友達になれていた筈だったのではと。

「いや、俺が悪いんだ。ルミナスにちゃんとカノンの事を話して置かなかったから。そして、君への気持ちも。」

「オスカー様。」
二人は後悔に苛まれたまま手を取り合った。カノンが何処かで倒れているにしろ誘拐にあったにしろ、総ては自分達がカノンを蔑ろにしていたことに変わりはない。

二人は項垂れるばかりであった。

「あははは。きっと、カノンちゃんは楽しいデートをしているのさ。」
場違いな明るい声を明るい金髪の男が発した。

「心配はいらない、恋人の一人や二人や三人や四人は当たり前だ。」
「当たり前じゃ無いだろ!! 」
男は目をつむり髪を掻き上げる、それにハルクは異議を申し立てる。

「きっと、恋人と楽しいデートをしているのさ。あははは。」

「そんなわけないだろ、いい加減にしろ ナルシス!! 」
なぜが男はクルリとその場で回る。
 
「ハルク様、如何してこんな方を…… 」
「すまない、人捜しには人数が多いい方がいいと思って。」
ハルクはエリーゼに、謝りを入れる。その間もナルシスは、ディザート国で知った『真実の愛』を説いていた。

「オスカー様、カノン様に恋人がそんなにいるのですか!? 」
タクトはつい、オスカーの胸ぐらを掴んだ。

「いるわけないだろ!! 」
タクトの形相にオスカーは驚いた。

「あ、すみません。つい、取り乱してしまいました。」
タクト自身も自分の行動に驚いていた。何故こんなに気になり、腹が立つのか。

「それは愛さ、愛って素晴らしい。さあ、ルミナス真実の愛をこの僕と。」
ナルシスはクルクル回りながら、ルミナスに近づく。

「そして、カノンちゃんのように遊園地へ行こう。」

ナルシスの突拍子のない言葉は、当たらずしも、遠からずであった。



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