異世界勇者のトラック無双。トラック運転手はトラックを得て最強へと至る(トラックが)

愛飢男

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第4章……グリエル奪還編

82話……早くも依頼達成

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「ふぁぁ……」

 昨日はウルトの中で夕食を食べてすぐに寝た。
 衝撃的なものもたくさん見たし眠れないかと少し心配したけど我ながら図太いものでしっかりと眠ることが出来たようだ。

『マスターおはようございます』
「おはようウルト。みんなはまだ寝てる?」
『サーシャ様とソフィア様が朝食の支度をしておられます。他のお3方はまだお休み中ですね。リン様は中々寝付けないご様子でした』
「そっか、リンに関しては仕方ないと思う。ところで……」

 窓から外を見ると走っているようだ。
 それもかなりの速度が出ている。

「なんで走ってるの?」
『はい。カブトムシの魔物、フライングビートルの間引きと依頼されていたグレートビートルの捜索のためです』

 起きてからやるつもりだったんだけど……

『昨夜から現在までにフライングビートル1756匹の討伐を完了させております。グレートビートルの存在も確認しております』
「んん!?」
『この近辺のマップも完成しておりますので後ほどご確認下さい。しかしフライングビートルは経験値がかなり少ないようですね、昨日から戦い続けましたがマスターのレベルは1つしか上がっておりません』

 いやレベルはいいんだけど……夜通しずっと動いてたの?

「そんな動き続けて大丈夫なの?」
『問題ありません。私はマスターの役に立つためだけに存在しています』

 微妙に答えになってない気が……

 気を取り直してスマホを取り出して地図アプリを開く。

「……すげぇな」

 見てみると想像以上に詳細な地図が表示された。
 スマホなのでもちろん拡大、縮小、移動も出来るので色々見ていると、ソトルやパーペット、迷宮の場所なども表示される。

「あれ……」
『ソトルやパーペット周辺も調べております。それらの街の付近にはフライングビートルはほとんど現れていません』

 さいですか……

『それと非常に申し上げにくいのですが、多くの遺体も回収しております。グリエル付近の村なども回りましたが生存者は発見出来ませんでした』

 それは……仕方ないんだろうな……

 それにもしかしたらウルトは俺たちが凄惨な遺体や破壊された村や街を見ないで済むようにしてくれたのかもしれないな、感謝しかない。

 でもこれ……どうしよう、知ったからには報告した方がいいんだろうけど昨日の今日の成果ですとは非常に言いづらいものがあるな……

 ウルトと現状確認やらをしているとソフィアが俺を呼びに来た。
 どうやら朝食が出来たらしい。

 ウルトの後方に移動して朝食、リンも起きてきているようだ。
 朝食を食べながらさっきウルトから聞いた現状を素直に報告する。

「「「……」」」

 俺が話終えると全員が食事の手を止め唖然とした顔で俺を見ていた。
 そうなるよね!

「まぁ……ウルトだし?」
「ウルト様なら仕方ありませんね」
「ウルトさん……こんなことまで出来るんだ」

 皆口々に感想が漏れる。
 うん、そんな認識だよね。

「それで……これどうしよう?  やっぱり報告しなきゃだよな?」
「そうだけど……信じてもらえるかしら?」

 それなんだよねぇ……昨日の夕方依頼されて翌日朝に見つけましたって言われても俺なら信じられないと思う。

「かと言って分かっていることを黙っているというのも……」

 そうなのよ、ここで黙ってたら解決出来る問題を先送りにするだけなんだよ。

「僕はありのままを話すしかないと思うよ。クリードくんたちのこと隠さないんでしょ?  なら大丈夫じゃないかな?」
「それしかないかなぁ」

 ケイトの意見はもっともだと思う。
 俺の神器の力でって説明するのが手っ取り早いし信ぴょう性も高いか……

「分かった、そうしようか。ところでウルト、グレートビートルはどこに居たんだ?」
『グリエルの街から少し北西に行ったところです。迷宮からそこまで離れていない小さな森の中です』

 確か馬車でガーシュからグリエルまで1日って言ってたな、なら徒歩なら2日はかかるか……

「このカブトムシの群れのなかを2日、勇者たちたどり着けるかな?」
『それに迷宮からは未だにフライングビートルが出てきています。距離も近いのでグレートビートルとの戦闘中にフライングビートルの大群に襲われる危険性もありますね』

 無理じゃね?
 勇者たちの戦闘力は分からないけどいくら強かろうと生身でこの数は難しいんじゃないかな?

 手っ取り早いのは森ごと燃やすことだけど、流石にねぇ……

「あたしたちも同行して勇者たちにグレートビートルを任せてあたしたちで露払い、そうなる気がするわね」
「うん、俺もそう思ってた」

 しかしリンはイマイチ浮かない顔をしている。
 きっとリリオットという友人が気がかりなのだろう。

「ねぇウルト、遺体の回収もしてあるのよね?」

 どう声をかけようか迷っていると俯いたままのリンが先に口を開いた。

『はい。回収しております』
「その中に……プラチナランクの冒険者証を身につけた女性の遺体はあった?」
『いえ、ありません。おそらくほぼ全ての遺体を回収しましたがその条件に合う遺体は回収していません』

 リンはばっと顔を上げる。
 遺体が回収されてないということは生存している可能性は十分にある。

「よかった……昨日ギルドマスターに聞いてみたけど行方不明だって言われたから……」
『私が確認した限り生存者も発見出来ませんでしたのでもしかするとガーシュ以外の街まで逃げ延びているのではないかと思われます』
「そっか……そうと分かればさっさと片付けてリリオットを探さないとね!  街に戻るわよ!」

 全員で頷いてウルトに指示を出す。

 街に帰還するまでにリンから聞いたのだが、リリオットはリンの幼なじみで同じ日に魔法使いの職を授かり共に研鑽した仲なのだそうだ。

 冒険者として王国で活動していたのは知っていたので実は王都やリバークで再会出来ないかと楽しみにしていたらしい。

 そんな時にリバークのギルドマスターからあんな話を聞かせられたら……そりゃ落ち着かなくなって当たり前だな。

 ガーシュに到着した俺たちは足早に冒険者ギルドへと向かうのだった。
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