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第4部 生きる世界に微笑んで 立ち止まったら空を見上げて編
15 王様と夜市
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「よし、ではまず飯だな!」
詠斗、大河、率、綴、ジラ、ラージュで合流し、夜市に向かう頃には辺りはすっかり暗くなっていた。
「茶色の髪も似合いますねー」
「そうだろう、忍びの時はこの色だ。一番目立たないからな」
フードを被り大河の服を着たラージュは、茶色の髪と瞳の気配の薄い青年へと魔道具で変化していた。
「まずはこっちだ」
ガヤガヤと賑わう人だかりの合間を縫って奥へと移動していく、奥から漂う食欲をそそる匂い付いた場所は網の上で平たいパンが焼かれていた。
「店主、6個頂こう」
「お、兄さんきてくれたのか!今日は大人数だな!」
「ああ、友人達にも食べさせたくてな」
「嬉しいねぇ、オマケしとく!1つサービスな!」
「ありがとう」
太めの串に刺したパンを貰い代金を支払い皆で食べる、具は肉を細かくした物に香辛料とハーブを混ぜた物で美味しかった。
「おいしい!」
「具がたっぷり入ってますね」
「うまいな」
「だろう、次はー」
「あら、お兄さん!きてくれたの」
「ああ、スープを6つ頂こう」
「あいよ!たっぷり入れとくよ!」
「ありがとう」
「ん、肉が柔らかいな」
「芋もほくほくですね」
「色々な味がします」
木のコップに入れられた湯気立つスープ、スプーンで掬い立ちながら食べる、様々な味が広がりあっという間に無くなった。
「じゃ、次は俺の番。奥に行くぞー」
ジラの案内で狭く薄暗い路地裏をずんずん進む、途中化粧の濃い胸をはだけた手練れた娼婦、まだあどけない少女とも言える娼婦、容姿の整った男娼達から花を向けられるがジラが笑って手を振る。
花を受け取れば商売成立となり彼らの一夜を買う、布で造られた造花…その一輪に込められた思いは量りしれない。
「ここだ」
奥の簡素な木造の2階建ての店、外には小さな灯りが灯り看板もないが、迷わずジラが入って行く。
「いらっしゃい、待ってたよ」
「久しぶりだ、ここは変わらずか」
「私がいる限りここはここさ。さあ、お客様方どうぞこちらへ…」
「この店は何を食わせてくれる?」
カウンターしかない店内、店主の後ろの棚には瓶が所狭しと並ぶ、バーのような雰囲気で他に客はいなかった。
「占いと飯さ、王様。この店に王様が来るのは久しぶりか」
店主は年齢、性別不明の容姿…存在全てが曖昧だった。
「ほぅ…」
「占いより、俺は酒とつまみを貰おう」
すぐに正体を看破した店主を面白がるラージュ、メニューが見当たらないので注文をしてみる大河とその遣り取りを見ている詠斗達。
「酒はこれを…最近この辺りで流行っている、客人方が広めたロックで…」
グラスに店主が氷を魔法で作り琥珀色の液体を注ぐ、立ち上る濃い酒の匂いが鼻腔を擽る、ジラとラージュにも同じ物が出され、詠斗、率、綴には果実を潰して蜂蜜を混ぜた甘い飲み物が出された。
「これ、美味しい!」
「この酒…強いな」
「そうだな」
「俺がここに来るといつもこれを飲む、最近氷で飲むのが流行っているらしいがいつもはお湯か水か蜂蜜水で割って飲む」
「食事は今日はこれ…」
店主が指を鳴らすと皆の目の前に、骨付きの肉の下にトウモロコシモドキを炒めた物、薄いパンの様な物で中の具を包んだ物。
「ん!この包み焼き中に果物を煮た物が入ってます!美味しい」
「この肉も柔らかいです、クセになりそうですね」
「今度やってみよう!」
嬉しそうに肉を頬張る面々その姿を愉快そうに眺める店主、ラージュと大河は肉と酒を楽しみ、ジラはそんな皆の姿を眺め酒を楽しむ。
「で、店主は随分物知りだな」
「ふふ…情報屋も兼ているからねぇ」
「情報か…1つ買いたい情報があるんだが?」
「内容によるねぇ、何の情報が欲しいんだい?」
「千華の魔王の封印場所だ」
「ふふ、それは客人の黒い蝶に聞けばよい」
「残念だが、黒い蝶は教えてくれない」
「山だよ、誰も行けない山…目の前にあるのに行けない場所」
「なぞなぞは得意ではない」
「大河…止めておけ…あそこは無理だ…」
大河と店主の遣り取りにジラが割って入る、大河は一旦退くことにした。
「わかった」
「では、最後に占いを…この中から好きなカードを1枚取って貰いたい」
食事も粗方終わり締めのデザートはどうやら占いらしい、6枚のカードを店主が広げ取るよう促す、表は複雑な模様が細かく描かれたデザイン、詠斗、大河、率、綴、ジラ…最後にラージュの順でカードを取り、裏返す。
「俺は木と人とドラゴンの絵のカードだ」
「俺は…歌を歌う女性のカード?」
「僕は…子供と大人と種?」
「僕は夜と星と月と3人のカードですね」
「俺は…白い剣と黒い剣に鎧?どれも使い辛そうだな」
「俺のカードは…山と白い蝶…か」
「そのカードは、今日の記念にプレゼント。占いは当たるも当たらぬも己次第…カードは未来か只の遊びかはまだ分からない…」
「俺は占いは気にしない性でね、幾らだ?」
「ふふ…値段は今度逢う時に貰おう。さあ店仕舞いさ、おやすみ」
そう言って店主は皆を手で追い払う仕草をする、皆で店の外に出て各々カードをしまう。
「ラージュさん、城まで送りますね」
「ああ…」
「ジラ、あの店主は何だ?」
「さあ?昔からああだな。気にするな」
「…そうか」
ラージュを城の自室へ転移魔法で送り、皆で畑へと戻った。
もう夜も深いから寝よう…そんな気持ちになる、遊びいけど寝ないと…そんな、気持ちを抱かせる夜だった…。
詠斗、大河、率、綴、ジラ、ラージュで合流し、夜市に向かう頃には辺りはすっかり暗くなっていた。
「茶色の髪も似合いますねー」
「そうだろう、忍びの時はこの色だ。一番目立たないからな」
フードを被り大河の服を着たラージュは、茶色の髪と瞳の気配の薄い青年へと魔道具で変化していた。
「まずはこっちだ」
ガヤガヤと賑わう人だかりの合間を縫って奥へと移動していく、奥から漂う食欲をそそる匂い付いた場所は網の上で平たいパンが焼かれていた。
「店主、6個頂こう」
「お、兄さんきてくれたのか!今日は大人数だな!」
「ああ、友人達にも食べさせたくてな」
「嬉しいねぇ、オマケしとく!1つサービスな!」
「ありがとう」
太めの串に刺したパンを貰い代金を支払い皆で食べる、具は肉を細かくした物に香辛料とハーブを混ぜた物で美味しかった。
「おいしい!」
「具がたっぷり入ってますね」
「うまいな」
「だろう、次はー」
「あら、お兄さん!きてくれたの」
「ああ、スープを6つ頂こう」
「あいよ!たっぷり入れとくよ!」
「ありがとう」
「ん、肉が柔らかいな」
「芋もほくほくですね」
「色々な味がします」
木のコップに入れられた湯気立つスープ、スプーンで掬い立ちながら食べる、様々な味が広がりあっという間に無くなった。
「じゃ、次は俺の番。奥に行くぞー」
ジラの案内で狭く薄暗い路地裏をずんずん進む、途中化粧の濃い胸をはだけた手練れた娼婦、まだあどけない少女とも言える娼婦、容姿の整った男娼達から花を向けられるがジラが笑って手を振る。
花を受け取れば商売成立となり彼らの一夜を買う、布で造られた造花…その一輪に込められた思いは量りしれない。
「ここだ」
奥の簡素な木造の2階建ての店、外には小さな灯りが灯り看板もないが、迷わずジラが入って行く。
「いらっしゃい、待ってたよ」
「久しぶりだ、ここは変わらずか」
「私がいる限りここはここさ。さあ、お客様方どうぞこちらへ…」
「この店は何を食わせてくれる?」
カウンターしかない店内、店主の後ろの棚には瓶が所狭しと並ぶ、バーのような雰囲気で他に客はいなかった。
「占いと飯さ、王様。この店に王様が来るのは久しぶりか」
店主は年齢、性別不明の容姿…存在全てが曖昧だった。
「ほぅ…」
「占いより、俺は酒とつまみを貰おう」
すぐに正体を看破した店主を面白がるラージュ、メニューが見当たらないので注文をしてみる大河とその遣り取りを見ている詠斗達。
「酒はこれを…最近この辺りで流行っている、客人方が広めたロックで…」
グラスに店主が氷を魔法で作り琥珀色の液体を注ぐ、立ち上る濃い酒の匂いが鼻腔を擽る、ジラとラージュにも同じ物が出され、詠斗、率、綴には果実を潰して蜂蜜を混ぜた甘い飲み物が出された。
「これ、美味しい!」
「この酒…強いな」
「そうだな」
「俺がここに来るといつもこれを飲む、最近氷で飲むのが流行っているらしいがいつもはお湯か水か蜂蜜水で割って飲む」
「食事は今日はこれ…」
店主が指を鳴らすと皆の目の前に、骨付きの肉の下にトウモロコシモドキを炒めた物、薄いパンの様な物で中の具を包んだ物。
「ん!この包み焼き中に果物を煮た物が入ってます!美味しい」
「この肉も柔らかいです、クセになりそうですね」
「今度やってみよう!」
嬉しそうに肉を頬張る面々その姿を愉快そうに眺める店主、ラージュと大河は肉と酒を楽しみ、ジラはそんな皆の姿を眺め酒を楽しむ。
「で、店主は随分物知りだな」
「ふふ…情報屋も兼ているからねぇ」
「情報か…1つ買いたい情報があるんだが?」
「内容によるねぇ、何の情報が欲しいんだい?」
「千華の魔王の封印場所だ」
「ふふ、それは客人の黒い蝶に聞けばよい」
「残念だが、黒い蝶は教えてくれない」
「山だよ、誰も行けない山…目の前にあるのに行けない場所」
「なぞなぞは得意ではない」
「大河…止めておけ…あそこは無理だ…」
大河と店主の遣り取りにジラが割って入る、大河は一旦退くことにした。
「わかった」
「では、最後に占いを…この中から好きなカードを1枚取って貰いたい」
食事も粗方終わり締めのデザートはどうやら占いらしい、6枚のカードを店主が広げ取るよう促す、表は複雑な模様が細かく描かれたデザイン、詠斗、大河、率、綴、ジラ…最後にラージュの順でカードを取り、裏返す。
「俺は木と人とドラゴンの絵のカードだ」
「俺は…歌を歌う女性のカード?」
「僕は…子供と大人と種?」
「僕は夜と星と月と3人のカードですね」
「俺は…白い剣と黒い剣に鎧?どれも使い辛そうだな」
「俺のカードは…山と白い蝶…か」
「そのカードは、今日の記念にプレゼント。占いは当たるも当たらぬも己次第…カードは未来か只の遊びかはまだ分からない…」
「俺は占いは気にしない性でね、幾らだ?」
「ふふ…値段は今度逢う時に貰おう。さあ店仕舞いさ、おやすみ」
そう言って店主は皆を手で追い払う仕草をする、皆で店の外に出て各々カードをしまう。
「ラージュさん、城まで送りますね」
「ああ…」
「ジラ、あの店主は何だ?」
「さあ?昔からああだな。気にするな」
「…そうか」
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