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第6部 移動は常にマイホームと共に 渡る世間は家さえあればなんとかなる
9 序列第1位の魔王
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「まさか…貧民街の手前に…転移魔法ですか」
「帰りもちゃんと送りますね」
「あ、いえ…そうですかありがとうございます…」
もう何も言うまいと、ズィーガーからも何があっても余計な事は聞かない詮索は絶対するな、見て見ぬふりをしろと再三通信魔法具で言われた意味を身を持って知る事となった。
「では土地はこちらです」
フォークナーが指し示す方向には鬱蒼と生い茂る草、乱雑に斬り倒された木々と恐らく塀が壁だったような瓦礫が周辺を囲っていて隣は木を適当に組ませたあばら家が並ぶ、恐らくその先が貧民街なのだろう、治安は最悪だ土地は広い《トイタナ》の屋敷の数倍はある。
「気に入ったわ、買う」
「ああ、うちの商会の口座から出してくれ」
「さっそく手続きをしましょう」
「広くて安い土地が手に入って良かった!」
「少し日陰ですね、照明とか沢山用意しないと」
「草むしりしな…千眼さん?」
懐記が気に入り大河が購入すると伝え、皆口々にどうしようか話していると晴海がふいに空を見て千眼の気配を感じた。
「千眼さん?」
「どうして?どうして今現れた?ずっと待っていた…」
蝶の群れが千眼を形成す、朝率が編み込み詠斗のシャツとジーンズを履いても尚、夜の化身の様な千眼魔王が責めるようにニアを見つめ駆け寄った。
「千華の魔王の封印は…序列1位の貴方にしか解けない…千華の魔王が自身の身と共に封じた魔神をどうか…屠って…」
ニアの胸に両手の拳を置き真摯な眼差しで見つめる、縋る今にでも置いていかれそうな不安に揺れる夜が瞬く瞳を深紅の瞳が写した。
「千ちゃん、落ち着け。どうやらニアにそんな力は今ないみたいだな、コイツらがそう言っている」
「…何故名が…それにどうして力が削がれている?」
「千ちゃん、戻ってからゆっくり話してやるから」
「そうか…わかった…」
「すみません、哀しませてしまって」
「いや…この日をずっと待ち望んでいた…それだけだ…」
「積もる話しは後な、先にやる事をやってから」
「ああ…」
「ほら、ニア、貧民街に案内しろよ」
「はい、こっちです」
ルオとネオがニアに続き貧民街に向かう、皆もそれに付いていくフォークナーはここで送ると綴が伝えたが顔馴染みもいるので共に行くとの事で来て貰うことにした。
「ここが貧民街か」
「あ、ニア!ニアが戻ってきたよー」
「本当か?」
「ニア無事だったのね!」
「ランダに誰か!」
「皆さん、戻ってこれました。彼らのおかげです」
抑揚の無い声で貧民街の粗末な服に身を包み痩せた身体の住人達がぞろぞろとニアの無事を確認し喜んでいる、老若男女子ども問わず痩せた身体と不衛生な環境に詠斗達が顔を見合せ頷いた。
「ニア、この街に住人は何人いる?」
「202人です」
「そうか、彼らは仕事は?」
「物乞いや雑用などです…時に犯罪紛いのこともしていますが、生きるのにその人が必要ならばと僕は思います」
「分かった」
「ニア!無事か?フォークナーさんの所だから大して心配はしてなかったが、無事でよかったな!で、そっちは?」
人垣をすり抜け栗色の髪と瞳に左瞼から頬に掛けた傷が印象的な男が現れニアに声を掛け、大河達の方に目を向けた。
「僕を買ってくれた方々です」
「なに?フォークナーさん、こいつは冤罪だろ?どういう事だ?」
「アンタがここのリーダーか?俺は大河と言う、それを込みで話しがしたい?」
「リーダーじゃねえが、俺はランダだ。話しは聞く、ついてこい」
ランダが背を向けさっさと歩きだす、周囲は風が吹けば今にでもバラバラになりそうな家屋とも呼べない家、こちらをじっと見ている住人達、裸足で服も粗末穴も空き子供達は腹が空いているのか指を加えてこちらを見ていた。
「ここがこの貧民街の広場だ、大人数が入る建物なんかないからな。ここでいいか?」
「わかった、さっそくだがニアは俺達と暮らしている彼がずっと探していた人物だ連れて行きたい」
広場というか雑草が生えた只の地面に集まり、ランダと大河の話しが進んでいく。
「そうか、ニア…俺が3年前にここでそこの犬2匹と倒れていたのを見つけて名前を付けて暮らしていただけだ。良かったじゃねえか」
「ランダさんには沢山の事を教えて貰いました」
「コイツが人じゃねぇのは分かってたからな、それでもここの住人だった。じゃ、連れていけよ。ここだとまた連れ去られそうになる、今回は運良く助けて貰えたが次はないだろう。奴らはしつこいからな」
「そこで話しがある」
「そ、俺は懐記だ。俺達はこの街の隣の土地で賭博場を作る、そこで働かない?性別年齢職歴学歴問わず、働きたい奴らは漏れなく只今全員採用、給料シフト応相談。7日に2回の休みから7日に1日1時間のお仕事でも大歓迎、空いた隙間時間に楽々お小遣い稼ぎも歓迎、制服支給賄い付きでどう?」
「有給、ボーナス、育児休暇、お祝い金支給ですかね僕は綴といいます、よろしくお願いします」
「寮付き?個室完備、家賃補助あり。俺は詠斗!」
「採用の際のお祝い金支給?福利厚生あり?僕は率です」
「お茶飲み放題?俺は晴海」
「…私は千眼魔王」
「私は《ラズライール商会》のラジカと申します」
「俺はジラな、コイツらと組んで損はしないぞー俺が保証する!」
矢継ぎ早な自己紹介とともに矢継ぎ早な求人募集からの魔王紹介からの傭兵王のお墨付きにランダの口があんぐりと開いてしまった後、豪快に笑い声を上げた。
「おもしれぇ冗談だな」
「本気本気」
「ここには闘技場で負けてケガしたやつ、子供や老人ばかりだ…俺もだが」
「平気平気、良いって働きたいって気があれば」
「……本気か?」
「ああ、《トイタナ》でも店をやっている!新しい店も今作っている」
「人手が沢山必要なので是非」
「そうかい、変な奴らだな。だがケガしている奴らが多い奴隷に落され酷使され捨てられた奴らもいる」
「わかった、晴海くんレグの所で治癒の札を貰って来て欲しい」
「分かった!」
「ランダ、話しを聞いてくれる住人をここに集めてくれ、それとそこの裏でこちらを狙っている2人に怪我人の所への案内を頼む」
「ったく、すまん。あいつら勝手に、出てこい!」
ランダが怒鳴ると渋々矢を構えていた子供達が2人木の陰から渋々出てくる、やはり痩せてガリガリだった。浄化魔法を掛け肉串を収納から出して2人に渡せばひったくる、ように詠斗から奪い無言でがっつく、それを遠目で見ていた他の住人達を見てランダが、詠斗に確認をとり詠斗が頷くと手招きをして浄化魔法を掛けて食事を渡した。
「…主達浄化魔法を掛け続けて欲しい…この周辺に流す」
「うん、わかった!」
詠斗が周囲に浄化魔法を流していく、それを千眼の蝶達が広げていく、貧民街全体に、清涼な空気が満たされていった。
「すげえ魔法だな、見た事もないぞ」
「これは…すごいですね」
「気持ちいいですね」
ランダ、フォークナー、ニアが心地よさに目を細める、千眼が先に蝶で見たこの街の光景はあまり詠斗達に見せたい物ではない、せめてと思い浄化をした。
「レグさんに魔法掛けて貰ったよ!」
晴海が戻り、大河、詠斗、綴とランダと子供2人で怪我人の元へ、率、晴海、懐記、ジラ、ラジカ、ファークナー、ニア、千眼で食事を振る舞うことにした。
「帰りもちゃんと送りますね」
「あ、いえ…そうですかありがとうございます…」
もう何も言うまいと、ズィーガーからも何があっても余計な事は聞かない詮索は絶対するな、見て見ぬふりをしろと再三通信魔法具で言われた意味を身を持って知る事となった。
「では土地はこちらです」
フォークナーが指し示す方向には鬱蒼と生い茂る草、乱雑に斬り倒された木々と恐らく塀が壁だったような瓦礫が周辺を囲っていて隣は木を適当に組ませたあばら家が並ぶ、恐らくその先が貧民街なのだろう、治安は最悪だ土地は広い《トイタナ》の屋敷の数倍はある。
「気に入ったわ、買う」
「ああ、うちの商会の口座から出してくれ」
「さっそく手続きをしましょう」
「広くて安い土地が手に入って良かった!」
「少し日陰ですね、照明とか沢山用意しないと」
「草むしりしな…千眼さん?」
懐記が気に入り大河が購入すると伝え、皆口々にどうしようか話していると晴海がふいに空を見て千眼の気配を感じた。
「千眼さん?」
「どうして?どうして今現れた?ずっと待っていた…」
蝶の群れが千眼を形成す、朝率が編み込み詠斗のシャツとジーンズを履いても尚、夜の化身の様な千眼魔王が責めるようにニアを見つめ駆け寄った。
「千華の魔王の封印は…序列1位の貴方にしか解けない…千華の魔王が自身の身と共に封じた魔神をどうか…屠って…」
ニアの胸に両手の拳を置き真摯な眼差しで見つめる、縋る今にでも置いていかれそうな不安に揺れる夜が瞬く瞳を深紅の瞳が写した。
「千ちゃん、落ち着け。どうやらニアにそんな力は今ないみたいだな、コイツらがそう言っている」
「…何故名が…それにどうして力が削がれている?」
「千ちゃん、戻ってからゆっくり話してやるから」
「そうか…わかった…」
「すみません、哀しませてしまって」
「いや…この日をずっと待ち望んでいた…それだけだ…」
「積もる話しは後な、先にやる事をやってから」
「ああ…」
「ほら、ニア、貧民街に案内しろよ」
「はい、こっちです」
ルオとネオがニアに続き貧民街に向かう、皆もそれに付いていくフォークナーはここで送ると綴が伝えたが顔馴染みもいるので共に行くとの事で来て貰うことにした。
「ここが貧民街か」
「あ、ニア!ニアが戻ってきたよー」
「本当か?」
「ニア無事だったのね!」
「ランダに誰か!」
「皆さん、戻ってこれました。彼らのおかげです」
抑揚の無い声で貧民街の粗末な服に身を包み痩せた身体の住人達がぞろぞろとニアの無事を確認し喜んでいる、老若男女子ども問わず痩せた身体と不衛生な環境に詠斗達が顔を見合せ頷いた。
「ニア、この街に住人は何人いる?」
「202人です」
「そうか、彼らは仕事は?」
「物乞いや雑用などです…時に犯罪紛いのこともしていますが、生きるのにその人が必要ならばと僕は思います」
「分かった」
「ニア!無事か?フォークナーさんの所だから大して心配はしてなかったが、無事でよかったな!で、そっちは?」
人垣をすり抜け栗色の髪と瞳に左瞼から頬に掛けた傷が印象的な男が現れニアに声を掛け、大河達の方に目を向けた。
「僕を買ってくれた方々です」
「なに?フォークナーさん、こいつは冤罪だろ?どういう事だ?」
「アンタがここのリーダーか?俺は大河と言う、それを込みで話しがしたい?」
「リーダーじゃねえが、俺はランダだ。話しは聞く、ついてこい」
ランダが背を向けさっさと歩きだす、周囲は風が吹けば今にでもバラバラになりそうな家屋とも呼べない家、こちらをじっと見ている住人達、裸足で服も粗末穴も空き子供達は腹が空いているのか指を加えてこちらを見ていた。
「ここがこの貧民街の広場だ、大人数が入る建物なんかないからな。ここでいいか?」
「わかった、さっそくだがニアは俺達と暮らしている彼がずっと探していた人物だ連れて行きたい」
広場というか雑草が生えた只の地面に集まり、ランダと大河の話しが進んでいく。
「そうか、ニア…俺が3年前にここでそこの犬2匹と倒れていたのを見つけて名前を付けて暮らしていただけだ。良かったじゃねえか」
「ランダさんには沢山の事を教えて貰いました」
「コイツが人じゃねぇのは分かってたからな、それでもここの住人だった。じゃ、連れていけよ。ここだとまた連れ去られそうになる、今回は運良く助けて貰えたが次はないだろう。奴らはしつこいからな」
「そこで話しがある」
「そ、俺は懐記だ。俺達はこの街の隣の土地で賭博場を作る、そこで働かない?性別年齢職歴学歴問わず、働きたい奴らは漏れなく只今全員採用、給料シフト応相談。7日に2回の休みから7日に1日1時間のお仕事でも大歓迎、空いた隙間時間に楽々お小遣い稼ぎも歓迎、制服支給賄い付きでどう?」
「有給、ボーナス、育児休暇、お祝い金支給ですかね僕は綴といいます、よろしくお願いします」
「寮付き?個室完備、家賃補助あり。俺は詠斗!」
「採用の際のお祝い金支給?福利厚生あり?僕は率です」
「お茶飲み放題?俺は晴海」
「…私は千眼魔王」
「私は《ラズライール商会》のラジカと申します」
「俺はジラな、コイツらと組んで損はしないぞー俺が保証する!」
矢継ぎ早な自己紹介とともに矢継ぎ早な求人募集からの魔王紹介からの傭兵王のお墨付きにランダの口があんぐりと開いてしまった後、豪快に笑い声を上げた。
「おもしれぇ冗談だな」
「本気本気」
「ここには闘技場で負けてケガしたやつ、子供や老人ばかりだ…俺もだが」
「平気平気、良いって働きたいって気があれば」
「……本気か?」
「ああ、《トイタナ》でも店をやっている!新しい店も今作っている」
「人手が沢山必要なので是非」
「そうかい、変な奴らだな。だがケガしている奴らが多い奴隷に落され酷使され捨てられた奴らもいる」
「わかった、晴海くんレグの所で治癒の札を貰って来て欲しい」
「分かった!」
「ランダ、話しを聞いてくれる住人をここに集めてくれ、それとそこの裏でこちらを狙っている2人に怪我人の所への案内を頼む」
「ったく、すまん。あいつら勝手に、出てこい!」
ランダが怒鳴ると渋々矢を構えていた子供達が2人木の陰から渋々出てくる、やはり痩せてガリガリだった。浄化魔法を掛け肉串を収納から出して2人に渡せばひったくる、ように詠斗から奪い無言でがっつく、それを遠目で見ていた他の住人達を見てランダが、詠斗に確認をとり詠斗が頷くと手招きをして浄化魔法を掛けて食事を渡した。
「…主達浄化魔法を掛け続けて欲しい…この周辺に流す」
「うん、わかった!」
詠斗が周囲に浄化魔法を流していく、それを千眼の蝶達が広げていく、貧民街全体に、清涼な空気が満たされていった。
「すげえ魔法だな、見た事もないぞ」
「これは…すごいですね」
「気持ちいいですね」
ランダ、フォークナー、ニアが心地よさに目を細める、千眼が先に蝶で見たこの街の光景はあまり詠斗達に見せたい物ではない、せめてと思い浄化をした。
「レグさんに魔法掛けて貰ったよ!」
晴海が戻り、大河、詠斗、綴とランダと子供2人で怪我人の元へ、率、晴海、懐記、ジラ、ラジカ、ファークナー、ニア、千眼で食事を振る舞うことにした。
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