あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第8部 晴れた空の下手を繋いで…

STAGE.3-14 お父さん

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「小さい動物がいるー」
「かわいいー」
「南の地に生息する生き物達ですね」
「小さい子ばかりだね」
「いらっしゃいー、小さい方が人気あるのさ。見てってうちの子はみーんなかわいいから」
愛想の良い店主が大小の檻に入れられた小動物達を自慢気に話す、良く熟れたブルーベリーの様な色の瞳が印象的な男だった。
「この小さい檻の…なんだろ?この生き物」
「そいつは南の草原で生活する、ラビィラッシュの亜種さ。生まれつき目が見えなくてね、旅の途中で拾ったんだ売りもんじゃないさ」
「この檻の生き物全て訳ありですね」
「ご名答、亜種か身体が不自由な生き物達さ」
晴海が端に置かれた小さな檻のウィンより小さい、クリーム色のウサギに近い生き物を見て尋ねる。
「いじめられたり、群れから追い出されたり、人からいじめられたり生き物をまあ、治療して売ってるのさ」
「あ、あのここの身体が不自由な子達、全員俺に売って…下さい!」
「ほぉ、どうするんだい?まともに歩けないやつもいるが?病気のやつもいる」
「治すよ!だから売って下さい!お願いします!」
「晴海…俺からもお願いします」
頭を下げる晴海と詠斗に店主は何処か面白そうにしている、何処かで見覚えのある瞳が細まった。
「なら、説得してごらん。彼らを…納得するならお代は結構連れて行くといい」
「はい」
「晴海君、彼らの言葉は僕が君に届けるからね」
「はい…みんなのケガやキズや病気…俺が…俺の友達が治してくれるから俺の所に来ませんか?」
檻の動物達が静かに晴海の言葉を聞いている、円らな瞳でみんな真っ直ぐ晴海を見ていた。
「うん、皆行くって」
「本当!?」
「お前たち、全員いっちまうのか。薄情だな」
千歳が頷き、店主が苦笑いを浮かべ腰を上げた。
「元気な奴らも君に付いていくそうだ、貰ってくれ。運ぶとしよう、家は何処かな?」
「あの丘のホテルですよ、どうぞ、食事をだしましょう。息子さんの顔を見たら如何ですか?」
『息子?』
「あ、やっぱりそうだよね」
「あの建物にラウラスの気配がすると思ったら、お宅らの所に世話になってるんだな。せっかくだし顔を見ていくかな、俺はラヴィトリだ」
「ラウラスのお父さん!俺は詠斗です」
「俺は晴海」
「この世界の救世主だろう、よろしく」
ラヴィトリが檻を浮かせて人の邪魔にならない高さまで風魔法を使いラヴィトリの動きに合わせて上空で檻も動いていく。
「わあ、すごい」
「でも誰も気付いてないな」
「認識阻害だよ」
「それじゃ、売れないでしょ?」
「端から売るきはないのさ、只の人にはね」
「気づいた人に、ですか?」
「後はコイツらの意思さ」
「すぐ治すからね」
周辺の人々がいきなり浮いた檻を気にしないので詠斗が尋ねればラヴィトリが答える、千歳が面白そうな表情を浮かべた。

「を?この気配…」
「あ…あ、ちょっと肉焼いといてほしいす」
「んー」
レストランで昼食を食べていたティスと厨房で肉を焼いていたラウラスが同時にホテルの外の気配に気付いて、ロビー向かう。
「コイツらも綺麗な建物入っても良いのか?」
「もちろん!会議室でみんなの治療するよ」
「お父さん!」
「おじさん!」
「おー、ラウラス、ティス元気かー?」
「元気すよ」
「おじさんは?」
「見ての通りだ!」
「ん?ラウラスの親父さん?飯くう?」
「俺はラヴィトリだ、コイツらを晴海が治療してくれるからそれから食わせて貰うかな」
「そ、俺は懐記ー」
「こっちだよー」
『晴海、治療は島船の方が良いかと』
「そうだね、ラウラスさんもティスさんも懐記さんもみんな行く?」
「行くわ」
「お願いしますす」
「行く、ゴーシュのじじいに言う」
「ゴーシュ元気かー?」
「相変わらずー」
「いくよー」
久しぶりの親子の再会はあっさりとし風早に島船を勧められラウラス達も伴い、《島船》の診療所に転移した。

「みなさんどうしました?」
「フユーゲルさん達、ヒュール達も手伝って」
「コイツら出すぞ」
診療所にいたフユーゲル達と、ヒュール達やゴーレム、おりがみの子達に手伝って貰い、ラヴィトリに檻を開けて貰い動物達を台に乗せて、ラインで呼んだレグにも来て貰いケガや傷を治して、病気は薬草ダンジョンのドロップ品で治していった。
「すごいな、お前たち綺麗になったなー」
「おー、ラヴィトリー」
「お、ゴーシュとティータかー」
「ラヴィトリ様、お元気そうで」
「見ての通りだな」
転移札でやって来たゴーシュとティータも嬉しそうにラヴィトリに掛け寄る、ケガや病気や目の見えなかったラビィラッシュも嬉しそうにし、懐記が果物や肉等動物達の希望を聞いて出してやる。
「ん、ラヴィっち妊娠してる奴がいてここで産むって」
「あー、フォーレフィッツの亜種か。出産は3日後だな」
「お前、相変わらず変わった事してるな」
「なぁに、ただ旅してるのもつまらないからな。コイツは亜種で身体が小さいからな、ここ借りても構わないか?」
「んー」
「ま、出産までそっとしとけば問題なしだな」
「そっか、元気な赤ちゃん産んでね」
手のひらサイズの灰色毛玉が身体を揺らして眠る、他の動物達も元気に動きに回っていた。
「で、おじさん明日チグリスの父上…古代種様の墓参りだけど」
「あー合わせる顔がないからな…」
「ま、今日は飯でも食お食お」
「ま、いーけど」
「お父さん、俺が行って来ますからご飯たべましょす。俺が作りますすから」
「そうか、それは楽しみだ」
「風呂も行こう行こう」
「風呂か…」
呟くラヴィトリに動物達が一斉にびくりとして、逃げようとして風魔法で抱えられた。
「よーし、お前らも洗うぞ」
「手伝うよ」
「クラークラックの回復風呂もあるから」
「それはいいな、綺麗にしてやるぞー」
じたばたする動物達を気にせず運んでいく、詠斗達も手伝おうと後に続いた…。
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