あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第013部 序列第13位と生きた山脈×まだまだ続くよ空の旅

第7幕 第5話 工房 ×Stage.7-5 石像

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Stage.7-5 石像
セレネと子供たちは費い寄せられるままに下層の階段を駆け降りる、幼いといえども魔人、身体能力は高くあっという間に目的の場所へ辿り着いた。
「だれー」
「こんにわー」
「あう」
最奥の台座に置かれた灰色の石像、下層の遺跡にはそれと灯りのみしかない。
眼を閉じ胸の前で手を組む祈りを捧げた姿の石像、美しく儚げで物寂しさを覚えた。
「あうー?」
セレネがトコトコと石像の前に立ち手を伸ばそうとした所で、上の階層から燈火達が降りて来た。
「みんな!」
「どうしたの?」
「いきなり走ったりしたらダメだよ?」
「こーら驚いたぞ」
「「ごめー」
「だれー?」
「んー」
セレネ達を抱えて叱るウォルゾガ達、セレネ達は石像を指し誰なのかと尋ね、ニスムが驚き口を抑えた。
「まさか…なんで?」
「ニスムちゃん?」
「……戻りますよ」
「タナトスさん知っていたんですか!?」
「ええ」
「どうして!?」
「無駄ですよ、どうにも出来ません」
「ぱぱー」
「メシー」
「ムー?」
「その3名でもこれは解除できません、もう良いでしょう。戻りますよ、いても何も出来ない」
ニスムがタナトスを責める、その目尻に涙が溢れて零れる寸前だった。
子ども達がグローリーやメシュレラ、カイムの名を出すがタナトスが一蹴しさっさと上に戻るように促す、ニスムは静かに手に顔に当て泣き始め燈火が肩を支え、子ども達は石像に怯えたり泣いたり心配そうにしたりと三者三葉の様子にカーテス達も戸惑う。
「外に出よう、タナトス話す気は?」
「何を?」
「そうか、ヤハネとカイム…メシュレラ…魔人達を呼ぶ」
「どうぞ、その前に昼食にしたらどうです?」
ウォルゾガがタナトスに話す気があるのか確認し無いと返答され、ウォルゾガは嘆息し1度上へと皆を連れて行く事にした…。

第7幕 第5話 工房
《エンビ》の本を製本する工房街の片隅に小さな小さな工房が少し離れた場所に存在していた、
《アコミア工房 本作りたい方大歓迎》の立て看板を用意しては入るもの客足はさっぱり、腕は悪くないと自負はしているが周辺の工房は皆古くから在り知名度もある、アコミア…店主は新参者だ客足はそう伸びない。
「はぁ…やっぱり親方の所にいるべきだったかな?でもなあ…」
椅子に座り客を待つアコミア、工房街の老舗の工房から独立したまでは良かった物の客は来ない、親方はいつでも戻って来て良いと言ってくれているのでこのままいけばすぐに逆戻りだ。
「やっぱり、ほそぼそでもいいから全部の工程1人で客が納得するまでとことん付き合いたいんだよなぁ」
大きな工房では作業工程毎に分担作業で行われ一から十を1人が担う事は無い、アコミアはそれを客と一緒に一から十行いたくて独立したのだ。
なのに客が来なければ意味は無い、いつもでも本業で無収入という訳にも行かない。
「今夜も酒場で話しを聞きながら仕事貰うか…」
専らは酒場の手伝いと客から聞く話しを本にして卸して収入を得ているのが微妙に悲しい、これでは違うのだ本は作れても客がいない、独りで作りたい訳じゃない。
「この辺りで工房はお終いみたいですね」
「どこも忙しいから見学も無理そうすしね」
「お店を出す場所はどうしますか?」
「この辺りは土地も店も無さそうですね、商業ギルドに行ってみましょう」
アコミアの目の前を歩く身成の良い青年と子ども達がどうやら、店を出す為の物件探しをしているようなので丁度良い、これで踏ん切りが着くとアコミアは椅子から腰を上げた。
「なあ、あんたら店とか土地探してる?俺、店畳むんだけどここ使うか?」
そう声を掛けてみる、貴族の様な品の良い青年達の此方を向く柔らかな眼差しに一瞬アコミアはたじろいた…。

「蜂蜜うまいなー」
「この崇幸のパンも美味だ」
「おかわり」
「崇幸は何やらせても上手いなー」
「ん?パンは皆で作っただろ?沢山焼いたから懐記君達と合流したら皆で食べよう。千眼さんもほら」
「…ああ」
崇幸達の車内で全員で作ったパンやビスケットにジオビーの蜂蜜を付けて食べる、崇幸の背にいたジオビーは仲間達にパンとミルクを運びとても喜ばれ追加で蜂蜜を貰う位にジオビー達から好評だった。
「パン作りとかビスケットとか作るの楽しいな、子ども達とウズラと作ろう」
「生きる糧だ、料理は必要な事だ」
「ミルクと合うねー」
「酒でも良い」
チェカとシュリ、ジラもフェシェスタも満足げに焼き立てを味わいおやつとして丁度良い量を食べて景色を眺めた。
「んー命というか生命力…が無駄に溢れているな、千眼まだ魔王の場所は分からないのか」
「ああ…この辺りにはいない…生命力が溢れ…山が活性し…生物に変調…望まぬ進化を与えているのは間違いなく魔王のスキル…」
「進化ねえ…早く見つけるに越した事はないよなー」
「外神達の方もまだ手掛かりを掴めていないようだしな、山の形状も刻々と変わっているからな」
外の流れていく景色に注意しながらも、ノイズの親友の手がかりも魔王の手がかりも見つからない、壁に備え付けたいくつものモニターで外神達の方の現在地、自分達の現在地、周囲の生命反応、山の形状等を映し全員が雑談をしつつ注意深く周囲を探る。
『前方いハーフハーンの変異種の群れを確認……此方に気付き臨戦態勢を取っています』
「ハーフハーン?」
「群れか…」
「あー俺昼寝係で」
「あー崇幸は留守番な千眼補助頼む、出るぞ」
『おう』
崇幸が首を傾げると、ジラとシュリが少し嫌そうな顔をし、フェシェスタは昼寝を希望、チェカと千眼の蝶を連れ走る車の屋根から飛び出して行った…。

「ん、マークウッド達が樹液分けてくれたわ、メープルシロップみたいだからパンケーキ焼いてたべよ」
「この板を熱して生地を焼くのか?」
「はい、油を引いて焦がさない様に焼きます」
「間食には良いな」
「酒くれ酒」
「たくさん焼いて重ねて食いたいな」
バスの1階の椅子を片付け長テーブルを置き魔石ホットプレートを出して、用意した生地を油を塗って熱したプレートで焼いていく。
ノイズが興味深々で外神と懐記の手元を眺め、マユラとフォンは冷えた果実水で喉を湿らせ、ギーギスも手慣れた様子でパンケーキを重ねていく。
「懐記達が出す物はどれも初めてみる物、知る物ばかりで面白い」
外や壁に付けられたモニターを青白い顔で眺めるノイズの気分転換にでもなればと懐記が準備した物だ、切った果物を盛り付けてみても良いしアイスもある、好きなように飾り付けを行い、重ねたりして自由に食べていく、ぱあと明るい顔色になり嬉しそうに食べるノイズに、ギーギス達も少しほっとした。
「ジュナイとミュナイにも食べさせたいな」
「作るの簡単だし、重ねたらちょっとした祝いに良いよな。俺もパンケーキ好きだよ」
ギーギスがニコリと笑ってノイズの皿に追加を乗せてやる、マークウッドの樹液も甘く香りもよくとにかく美味しかった。
「ミルクも飲むといい」
「これすごい、花の香りがする!」
マユラから受け取ったモギのミルクの美味さにも驚き、アイスや果物も何度もおかわりし、全員気の済む迄パンケーキを楽しんだ。
【この先……デカい…コーンクーンの変異種……数体を確認しました、臨戦態勢ですね】
「僕が行きます、大きいなら解体…します」
「僕も行く、山の状態を確認する」
「寝るわ」
食べ終わり片づけを行っているとやや引き気味のナビの声が異常を伝える、外神とノイズとが向かうというので任せて、片付けの続きと夕食の仕込みを懐記、マユラとギーギスで行った…。
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