あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第014部 君分かれる事なかれ/君離れる事なかれ

第039話 過剰過ぎる /第39話 なんとなく過ぎる夜

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第039話 過剰過ぎる
『テイマーと魔人と異界のヤツが行方知らずかよ』
『ヴェリ!』
『あっしもお手伝いさせていただきます』
「旦那様、他の数外個体魔王は皆用があると」
「ああ、それでも来てくれてありがとう」
荷が行方不明になった地点、暗い鬱蒼とした森の中の道に転移した大河達と合流したのは、チキとヴェリとネズミと千華、それに魔人のカイムとヤハネそれにメシュレラだった。
「事情は聞いたよ、この辺にはいなさそうだよ」
「……痕跡は追えないな、異界の生物が干渉しているぞ」
「待て、荷は本当に異界の生物とそのテイマーだけか?」
「どういう意味でしょう?」
「視ている者がいる、出て来い」
ヤハネとカイムが周辺を探る馬車の車輪の跡は途中で途切れ気配もない、メシュレラが商会の守衛達と共にいるフルカリスに尋ねればピクリと反応し、深い森の中にメシュレラが鋭い声を放つ。
「流石は、最上位様。どうも~そして久しぶり、カイム、ヤハネ」
「あ、ツァヒグじゃん。ひさしぶりー」
「げ」
「お前達の知り合いの上位魔人か」
「アンタとも知り合いなんだけどね、一応。ツァヒグって言うんだよろしくね」
「お前のような上位魔人、私は知らん」
「そうだろうね、この話は後ね。で、俺はこの件と別件でここに来ていてね、ついでに手を貸そうと思ったんだ。連れ去られた荷馬車はこの山の向こうだ」
「そうか、礼を言うという所だが。こちらがそのテイマーを求めているにも関わらず貴様は易々と行かせたという事だな」
「むりむり、ていうかテイマーなんかじゃないよ?あの化け物、仕事の範疇超えてるし」
「化け物?フェマーが?一体」
ツァヒグはメシュレラにへらへらと笑顔を向けているが、メシュレラを知っているという彼に警戒心を露わにする上に見す見す行かせてしまったという事態にメシュレラは言葉に怒気を孕ませるが、化け物という言葉に大河が疑問を口にする。
「テイマーでも調教のスキルでもないもっとおぞましいスキルを持って生まれた存在って事、この《アタラクシア》に新たに誕生したスキルの持ち主って事」
「新しいスキル?いや、ここでお前と話していても時間の無駄か、大河全員をツァヒグが言う場所へと運べ」
『待って下さい、ツァヒグ様は上位魔人。その彼を持ってしておぞましいと言わしめるスキル、先に聞いておきましょう、答えて下さい』
「いいよ、フェマーいや聖者フェマーのスキルは《寵愛》」
『神々、《寵愛》というスキルは?』
『………………』
『神々からの回答は無回答ですね』
「どうしたんだ…いったい。千華、チキ達何か分るか?」
『聖者か……スキル…《寵愛》そのままの意味だろうな』
「…全てに愛されるスキルでしょうか…神々は困惑していますね」
『すみません、我々も知り得ない不明瞭なスキルですね。ですが不穏な響きを感じます、今いる全員にスキル効果無効を発動します。この中で最も戦闘能力の高いのはメシュレラとヴェリです、異界生物との戦闘はこの2名を主軸に行って下さい』
『現在魔人が遮断を行使し、様子が伺えない状態だ。これだけの者達…過剰とも謂える戦力だが気を付けるように』
「ま、僕は戦闘なんかしなよ。頭数にいれないでね」
「分かった、メシュレラ、ヴェリ。頼めるか?」
「良いだろう、夕食迄に片をつける」
『ヴェリ!』
神々が遅れて返答し全員にスキル無効を発動させる、がそれが効くかどうかは不明だった。
不安、不確定要素は多々あるがツァヒグや戦闘向きではないヤハネを除き全員、フルカリス達も同意し大河の転移で向かった。

『マモ…ル…』
「っち!生半可に固いから通らん、一応此方にも契約がある、そこの化け物を連れて帝国へ戻るが我の命題よ。貴様を殺す事も出来ぬ」
「ザレナ!もう良いんだ!帝国へ行くだから」
『ダメ…ダ…』
「テイマーのスキル厄介過ぎるな、ここまで異界の強者が心酔するとは」
山の頂を超えた開けた野原、剣を構え見据える相手は深紫の色を纏う獣、威風堂々たる獅子のような姿は満身創痍に苦しげな息と言葉を吐く、その身体にすがる少年は涙を零していた。
「お願いです、もうザレナを苦しめないで下さい!行きますから」
「ならば、その獣を説得させよ。テイマーよ」
「俺は…テイマーなんかじゃないです!ザレナは友達です!」
「愚かな者よ、才溢れ尊いともされる存在であるが故の無知。聖者であるが故の驕りか」
『フェマー…スマナイ…』
「ザレナ…」
「無意味な抵抗など無価値、四肢を絶ち運ぶ。貴様もだ聖者よ、足を折れば逃げる気も失せよう」
冷ややかな視線で獣を見下す男、手にした剣を振りかざしフェマーがザレナにしがみ付いて強く目を閉じた…。

第39話 なんとなく
「わ!俺がジャックポットとった!」
「ずぅるいーラグー取りたかった…」
夕食が終わりカジノエリアのメダルゲームコーナーが湧く、大量の筐体の中の画面の数字が揃いジャックポットが成立し大量のコインがジュカの取り出し口に溢れんばかりに零れていく、となりのラグージェが悔しそうにしていた。
「《アストマーズ》初のジャックポットはジュカっちねおめでと、初回ってことでプレゼント」
「わ、綺麗なバッグ!ありがとう」
「時間停止付き無限収納バッグ」
カジノ用の制服に身を包んだ懐記がパチパチと拍手しながら包を渡し周囲からも握手が起こる、ファーツコクスも拍手を贈り、これにて初日のカジノはお終いとする。
「明日は会議だ、しまいだ」
まだまだ遊び足りないという周囲も、マイスター達の一声で各自帰っていく、明日の準備があるからと各自家に戻る、最早馴染となった面子もファーツコクスの家に戻り、風呂や世間話に今日の反省会、軽食を摘まみつつ談笑したりと自由に過ごしていた。
「どうかな、この世界は?」
「ま、俺らがいた世界とそこまでかけ離れてないからな、楽しませてもらっているよ」
「お、それは良かった」
ファーツコクスがジラ達に《アストマーズ》の居心地を尋ねれば、ジラ達は充分馴染んでいると笑う。
「君達が来てくれたお陰で今我々悪魔達は新しい楽しみを見出している」
「それは良かった、俺達も良い友人が出来て嬉しいな」
ポースダーンも茶を飲みながらギーギスと語り合う、アンフルパスのそろそろ休もうという声で各自空いている部屋に向かう、明日の懐記の朝食を楽しみにしていると皆口々に言いながら眠りに入った…。
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