あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第015部 繋がる糸たちへ/繋がらない糸たちへ

第012話 街と皇帝/第12話 作ってみた

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第012話 街と皇帝
「人は多いけどあまり活気はないなぁ」
「そうみたい、売っている物も高めかなぁ」
「ま、広いけど道がいまいちだから周囲の領地から物が運ばれて来るのに時間が掛かるんだけど……」
「この辺りの道は水を多く含んでいるので荷馬車等に時間が掛かりますね……それとも違う雰囲気ですね」
「子どもと女が少ない…詠斗」
「はい、揚げパンね」
首都の市場に向かい歩いて周囲を見て回る詠斗達、燈火も露店の値札を見てやや高い印象を持つ、トラングとアガニータもフードを被り周囲の違和感を感じつつ、チグリスが相も変わらず詠斗におやつをねだりナイルから預かった粉砂糖をまぶした紙に包んだ揚げパンを渡す。
「確かに女性や子どもがいないみたい」
「何かあったのかな」
「少し探ってみましょうか」
アガニータが市場の少し奥まった方へと向かい、トラングとチグリスで詠斗と燈火を挟み足を進めた。

「私がヴァルキア・ヘルド・カテラント・ツヴァルキアだ、歓迎する異界からの救世主よ」
「峯尾 大河だ」
《ツヴァルキア城》の謁見の間、鎧に身を包む兵士達が大河達と皇帝ヴァルキアとの間端に等間隔で並び、石の階段の先の玉座で彼は大河達を不遜な態度で見降ろす、綺麗さで言うならヴリトゥユと並ぶが纏う冷気の様な物はヴァルキアの方が上だった。
銀に青を混ぜ更に砕いた宝石を粉にして散りばめた様な髪には羽飾りの王冠、瞳は何度も何度も塗り重ねたような夜の緑、その瞳は共生眼…百足の様な赤黒い何かが瞳の中に住まう。
「話しは聞いている、そこの異界生物のを捕縛する為に皇国が流した血は少なくはない上にそれは私が求めた訳ではない、国家の安寧の為、戦力を高める為、将軍が三剣聖グレスラー・アスモロヴァと兵を派遣し捕縛した事」
「そうか、グレスナー捕縛の際に犠牲になった兵士達の親族への補償は《アウトランダーズ商会》が行う」
「承知した、だがそれで異界生物1匹をそちらに引き渡すのは些か安すぎる」
「なら、さっさと言ったらどうだ。こちらもそのつもりで来ている」
ゆっくりと足を組み頬杖を突くヴァルキア、身に纏う衣装は布1枚で構成され腰回りを細かい刺繍が施された布を巻き足元はサンダルの様な履物、大河はその姿を見て古代ローマを肯定を彷彿とさせた。
「出ろ、リュバシー」
「はい、陛下。皆様お会い出来て嬉しいです、そしておかえりなさいグレスナー様、フルカリス様。帝国の三剣聖であり魔人リュバシーと申します」
陛下が後ろ手に手を振れば背後からフードで目元迄隠した物が音も無く現れる、甘やかな声で赤い唇が弧を描いた。
「今我が帝国でいくつかの問題が起こっている、それの解決。皇子達の教育、この国に新しく誕生したダンジョンの調査でその獣をそちらに譲る、期限は設けない物とする」
「いいだろう、皇子というのはお前の子どもだろう?良いのか?」
「聞けばドラゴンや精霊達が関与しているとの事《アタラクシア》最高峰の教育の場だ」
「そうか、ここで受けるか?学院に来るか?」
「学院に預ける」
ヴァルキアが提示した提示した条件に大河は同意する、リュバシーが封緘がされた封書を5通魔法で大河の周囲の宙に浮かべた。
「皇子達の件以外、達成出来ぬ場合はその獣は我が国の奴隷として扱う物とする」
「依頼了承した、達成させる」
「救世主達からしたら容易いかもしれぬ、ドラゴンに魔神に魔王に神々も…そしてそこの異界の害虫がおれば事は万事恙無く済むであろう」
「害虫?それは私の事ですか?皇帝」
ヴァルキアの条件大河は了承する、する他ない、そしてヴァルキアは蒐集家の方を見て冷ややかな視線を送り、蒐集家は首を緩く傾げ口を大きく歪ませ嗤った。
「害虫が気に障ったというならば害獣に格上げしてやろう、《アタラクシア》の異物」
「たかが1大陸の皇帝如きが私を異物扱いですか、無礼なのは貴方の方ですね」
「私は《アタラクシア》を愛する者、貴様が最も厄介な異物だ。神々が赦そうとも私は異界の神が、《アタラクシア》の地を踏む事などを認めていない」
「《アタラクシア》の狂愛者が過ぎた口を……」
大河の隣で蒐集家は愉快そうな嗤いを浮べ足元から蔓が延びる気配を大河が感じ仕方がないと蒐集家の腕を引き大河の胸元へ抱き寄せる、蒐集家の蔓は引き下がりそのまま大河は蒐集家を横抱きに抱えた。
「戯言は終いか、夕餉に招く。後はリュバシーと宰相のハイリグに訊くが良い」
「分かった」
そう言い謁見は終了となり兵が皆を連れ応接間へと案内を行う、大河は暫く蒐集家を抱えていたが足を止め降ろした。
「重くなったな」
「私に質量は関係ありませんよ」
「いや、最近お前食い過ぎている。重い」
「………」
「わざわざ重いと口にする必要が?」
「嫌がらせだ、喧嘩を売ったヴァルキアが悪いがあいつが買うと面倒だからな。気を逸らしただけだ」
「そうですか」
真顔で蒐集家の身体の重みを言い蒐集家は笑みを浮かべるのを止め、大河を置いてさっさと進む、怒っている様でもないが周囲にまだ浮かんでいる封書を懐へしまい今度は傍らにきたメンルェトが尋ねたのでそう返すメンルェトはそれで収まったのだから良いのか?と疑問を抱きつつ大陸が滅亡をする事態になったかもしれない危機を救った大河に素直に感嘆した。

第12話 作ってみた 
朝目を覚めると隣のは外神の眠る横顔、いつも通り死体の様に動かない上に寝息も聞こえない、血の通っていなさそうな青い白い肌を暫し懐記は眺めベッドから静かに起き出し洗面所で身支度を整える。
寝る時間も起きる時間も似たような物で夜に話しをしていてその流れで寝る様になった。
物静かで外神の方から話しかけてくる事は少ないが、思慮深く優しい、懐記は優しい人間が好きだ。
祖父母も手を差し伸べてくれた人も詠斗達も、懐記を囲む彼ら優しい懐記の家族だ。

「おはようございます」
「おはよ、野菜ジュース作ってみたわ、飲む?」
「はい、頂きます」
「果物多めで」
「美味しいです」
「そう」
朝懐記がジュースを千眼のミキサーで作った野菜と果物と氷で作ったジュースを渡し外神が頷く、今朝は野菜をミキサーに掛けたスープにしようと大量に野菜を切ってミキサーに掛けていれば、ぎゅーともちゃ達も集まり皮や野菜や果物を貰って食べ、スクランブルエッグとベーコンと腸詰を外神が準備する、外神は卵の殻を砕いて黄鳥やヒヨコ達に渡し、果物を焼いて砂糖をまぶしパンケーキも用意すればノイズとチェカとギーギスがやって来て朝食の準備を行う、《アヴォルジア》の土で造ったゴーレムと《アタラクシア》のゴーレム達とヒヨコ達が一緒に採取から戻って来た。
「おかえり、風呂行っといで」
ゴーレム達が収納袋を懐記に渡して風呂へ向かっていく、マンドランドとお化け野菜達は相性が悪いらしく果物を切ったりジャムを煮ていたりと室内で過ごしていた。
「ピザに果物を乗せよ」
「いいですね、生地を用意します」
「おけー」
「ピザか!チーズを沢山乗せたやつを食べたいなー」
「僕は肉がたくさんのやつ」
「昼はピザパーティだ!」
デザート用のピザを思いつき外神が準備し、チェカやノイズが喜んでいるとナチェやシュリとマユラも起き出し準備を行い朝食を始めた…。
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