あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第015部 繋がる糸たちへ/繋がらない糸たちへ

問題発症解決編08幕 少女×第022話 決着/第22話 異界 《アユズラーグ》編 8幕 ジラVS球体関節人形

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 問題発症解決編09幕 少女
「めずらしいじゃん、テーデが来るとか」
「ストフス達に連れて来られたんだよ、魔人がこれだけいたら充分だろ。戻って本読むかエスティアのとこで本の修復手伝ってた方が良い」
「テーデ来てくれてありがと、うれしい…」
「うん」
「……」
夜が訪れた《ヴァキン》の裏街、耳を澄ませば表の街の喧噪が聞こえてくる、イザラとテーデ、グローリーとイザラで頼まれた区域を周って行く、テーデはストフスとジヴァ連れて来られたせいか少し不機嫌そうだがグローリーの柔らかい笑みにふいと顔を逸らした。
「見回り終わったらテーデもカレー食べよう、ウォルパパ達が作ってる」
「ん~グステナ達はステーキでヴィッセはトンカツ用意してるからどこに行くかな……誰か来る」
「誰だ?用があんのか?」
イザラが遅めの夕食にテーデを誘いテーデが迷えば少し先で此方を伺う気配を感じ、イザラが声を掛ければ恐る恐る小さな少女が姿を現した。
「あ、あの、わたしをかってくだしゃい!」
『は?』
「……?なにを買えばいいの?」
ボロ布を纏った薄汚れた10歳程の小さな痩せた少女の言葉にイザラとイデアとテーデは口を揃える、グローリは首を傾げて腰に下げた革袋からコインを取り出そうとした。
「お前幾つだよ」
「これ!」
「はぁ、金が欲しいのか?」
「うん、あのねおとうさんがからだを売ってこいって、じゃないと弟とひろってきた子を売るっていうの、だからかってください!」
イデアが溜息を吐いて歳を聞くと両手を広げて10歳だと言い、テーデが金が必要な利用を訊ねればイザラが絶句する、イザラとイデアは戦場を経験している為娼婦がどう言った仕事なのかも知っている、前線では兵士が金を稼ぐ為に男娼代わりの商売を行う事もあるのでそれ自体に嫌悪感や忌避もない。
テーデも旅をしていたのでそういった店の存在も知っている、誘われた事など幾らでもあるが……これは目の前の少女が良く分らず自分を売ろうとしているのは流石にキツイ物がある。
「…家はどこ?」
「あっち、買ってくれる?買ってくれないとみんな売られちゃうの、おにいちゃんもおねえちゃんも売られちゃったの。ひろって来た子はおとうがたたいたりけったりしてもへいきなの、だからへいしに売るって、ほかのおとながひろった子たちはうられちゃったのいいお金になったってよろこんでる。でもおとうとたちいなくなったらさびしいからおかねをかせぐの」
「……もういい言うな」
「おうち教えて、みんな買う」
「ほんと?」
テーデが少女の言葉を遮りグローリーが少女を抱き上げる、少女の案内で家に向かった。

「あいつはまだ帰ってこねーのか!身体使って稼いでくるだけだろ!なんでこんな時間かかんだぁ酒がなくなっちまった。あいつら売った金じゃ酒が大してのめねぇな、次はお前らを売ってやる、特にお前は頑丈だからな高く売れるな」
木を打ち立て入口にボロ布を被せただけの狭い家、腹が出た大男が腹を揺らし空いた酒瓶を首を縄に繋がれた子ども達の脇に投げる、2人は涙を浮かべもう1名はニコニコしていた。
「あはー」
「気味わりいガキだな、蹴っても殴ってもへらへら笑いやがって!」
酒で酔い顔を赤らめた男は機嫌が悪い、いつもそうだ酒を飲んでは機嫌が良く切れれば当たり散らす。
「ぱぱー」
「あん、てめぇはうりもんだ。てめーを捨てた親父なんざ迎えにこねーよ。拾ってやった俺に感謝しろ」
ニコニコ薄汚れた粗末な服でも笑う子どもに、そう言って腹を揺らす大男の顔色が変わる瞬間が間も無く訪れる…。

「!」
「魔人がいるのか!」
「まさか拾ったって言うのは」
「ッチ!クソ」
少女の案内で粗末な幾つかの木の家の1つに近づけば馴染みの魔人の子ども気配、グローリーが駆け出しテーデ達も顔を顰めて少女が指す家の布を捲り腕で鼻を抑えた。
「あんだぁてめえら」
「ぱぱーにーにー」
「ぁ……」
顔を赤くし酒に呑まれた大男がいきなり入って来たグローリーを睨むが、首に縄を掛けられてもニコニコとグローリー達を呼ぶ子どもをすぐさまグローリーが抱えていた少女ごと抱き締めた。
「外道だな」
「クソ野郎、ふざけた事しやがって!」
「……ゆるさない」
「あん、拾ったモンをどうしようと勝手だろ!このガキを買いたきゃ500万ログだ。兵士がこいつを400万ログで買うって言ってんだ」
「…分かった、この子とその子達も買う。いくら?」
「あん?へぇ、2000万ログで売ってやる」
「分かった」
「他の小屋にも子どもがいるな」
「そいつらも売りもんだ」
「みんな買う」
「金はあんのかぁ?たけーぞガキは」
イデア達の怒りを遮りグローリーが子ども達を全員買うと言えば、大男は吹っ掛けてくる、テーデが周囲の気配を探り他の小屋にも子ども達がいる事を伝えグローリーが全員買うと言えば大男がグローリーを押しのけて外に出て声を張り上げた。
「おーい客だ!上客だ!子どもを買ってくれるぞ!」
そう言えばぞろぞろと子ども達を縄に括った薄汚い人々が出て来る、イザラは怒り狂いそうになる、イデアはここにいる大人達を全員殺してやろうかと思い、テーデは冷静にヴィッセ達に連絡をした。

第022話 決着
『もう許せないわ!風早のお兄様も怒っているわよ!』
「よくあります、人もまた商品として価値があります、特に子どもはね」
「大国であればある程闇は深いです」
「……」
「千歳怒りを抑えて下さい、グローリーさんは冷静です」
「そうだね、ごめん」
画面はジラのバトルの決着が着くが、今は識からの報告に憤っていた。
「売られてしまう前で良かった…売られた子達の行方も探して、交渉が出来れば…」
「難しいですね、《カテラント帝国》は広く歴史ある奴隷商やそう言った組織が多いです。組織ごとに娼館や兵士や傭兵、貴族への奴隷等商売相手も変わり、売値も変わってきます。より高く売りたければ
見極めて売りますから、売った者に吐かせていくしかないですね」
千歳の考えにコーカスが助言を送る、千歳の顔色は良くはない。
「千歳、その手に強い方たちがいますから、すぐにでも帝国へ向かって貰いましょう」
「そうだね、時間はないだろうね。急いで向かって貰おうか」
『おっけーよん』
識が《ガルディア》のカジノタワーにいる適した者に急ぎ頼み、画面の決着は着いていた…千歳は溜息を吐きながら立ち上がりタナトスに連絡をした。
「夜分にすみません、タナトスさん。帝国へ向かって下さい」
『…急ですね、千歳』
「奴隷商をいくつか潰そうと思います」
『ああ、では皇帝に潰しても良い奴隷商を確認するように、今から向かいます』
「そうか…分かった。ありがとう」
すぐに出た静かなタナトスの声に千歳の怒りは収まり冷静を取り戻す、風早に連絡を取り皇帝に確認を取れるように頼んだ…。

第22話 異界 《アユズラーグ》編 8幕 ジラVS球体関節人形 
「へぇ、固そうに見えて柔軟、動きも早い…うん良い」
計6本の腕と丸い頭は360°全て余す事無くジラの動きを捉えて剣技を繰り出す、感情は乗っていない無機質な攻撃だが単調ではなくそれをジラは身体能力と魔剣と聖剣で全てを躱して行く、綺麗な剣、良い腕の鍛冶師達だったのだろう、惜しいなこれ程の腕がある者達はもうどこにもいない。
「人を全て消さなくても良かった気がするけど」
『……こればかりは人の為に壊れゆく《アユズラーグ》を見守り続ける事は儂に出来なかった、人は欲を持つ欲は人を進化に導く、そして人は高みに行く…《アユズラーグ》を壊しながら』
「そうね、俺の世界もそうだな。人は欲を持って奪って殺して生きて…」
ジラの独り言に《アユズラーグ》の神が応える、ジラは同時に繰り出される6本の剣戟3本ずつ受け流しその隙を狙って腕1本の関節を魔剣と聖剣の同時攻撃で落とす、下のフォン達から歓声が上がり落ちていく腕に足を乗せ弾みを付けてもう1本斬り落としそのまま高く飛び背中に着地すれば残りの腕が回転し残り4本を高い位置から振り落としギリギリでジラが避けて腕をもう1本斬りその剣を持ち頭に打ち込んだ。
「いけー」
「丁寧な作業といった感じか」
「見せる武ですね、まったく本気も出してないですね」
「ま、いんじゃない。面白いしージュカっちっ達も観てるよー」
「食えない」
「解体…」
応援はそこそこに間も無く決着が着く勝負…と思い、マユラもシュリもそれなりに楽しみフェシェスタが応援してれくとイフタークと外神は少々がっかり気味だったが頭を破壊した後に異変が起きた。
「ん?」
「なんだーあれ」
「強い」
『やばそうな代物だ』
ジラの違和感に続くチェカとノイズとウズラが違和感を感じ、ジラが1度離れる、球体の頭が割れて中から幾重にも白い羽を重ねた塊が出現し魔剣が激しく反応する。
「やる気充分だな」
剣が背中に吸い込まれ背中から6枚の剣を模した翼に代わり、球体関節人形が四つん這いの姿になり背中の剣の翼が縦横無尽にジラを襲っていく…。

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