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29.そばにいるよ
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フィンとたくさん話をしたあと、俺はやっぱり熱を出して寝込んでしまった。
その間、できる限りフィンが側にいてくれたらしい。
こんなに長い時間を一緒に過ごしたのは初めてだった。
三日も経つと、体も少しずつ回復してきて、ベッドの上でたくさん会話ができるようになった。
そのころ、俺が寝ていた部屋は、なんとフィンの寝室……というか、いずれ夫婦の寝室になる部屋だと聞かされて、俺は真っ青になった。
だって俺のせいで、フィンはベッドで眠れなかったんだ。
どこで寝ていたのか尋ねると、部屋の端にあるソファだという。
それを聞いた俺は、ベッドから飛び出して叫んだ。
「俺がソファで寝る! もう大丈夫だから!」
けれど、フィンは困ったように眉をひそめた。
「君はまだ怪我をしているんだ。そんなところで寝て、治りが悪くなったらどうする」
「じゃ、じゃあ、別の部屋で……使用人の部屋でもいいから、空いてるところを貸してよ」
そう言った瞬間、フィンの瞳がするどく光った。
「そんなこと、できるわけない。
君はもう、私のそばを離れないと誓ったじゃないか。
……なら、一緒のベッドで寝よう。
もちろん、怪我をしている君に手を出さないと誓う」
俺、フィンの言葉に顔が熱くなった。
けれど、自分の気持ちに素直になるって決めたから、俺は黙ってうなずいたんだ。
フィンはすごく嬉しそうに笑い、俺の頭を抱き寄せて、髪にそっと口づけた。
それから、夜はいつもフィンの腕の中で眠った。
俺の背中の傷を気遣って、フィンは俺を包むように抱きしめ、俺の頭を胸に抱く姿勢で眠る。
その胸の鼓動を聞いていると、自然とまぶたが重くなっていった。
「お休み、いい夢を」
低く優しい声が耳に触れて、心がじんわり温かくなる。
ドキドキして眠れない夜も、フィンの寝顔を見ているうちに、いつの間にか眠っていた。
ある夜、ふと目を覚ますと、フィンがうなされていた。
苦しそうに眉を寄せる表情を見て、俺は思わず抱きしめる。
「いなくならないで……」
かすかな声で、フィンがそう呟いた。
俺はただそっと頭を撫でることしかできなかった。
フィンはどうして、そんなに”離れる”ことを怖がるんだろう。
まるで誰かを一度失ったみたいに。
俺がここにいても、まだ不安なのかな……。
どうしたらフィンは安心するの?
俺は、フィンの苦しげな寝顔を見ると、胸が締めつけられる。
その頬に手を添え、気づけば俺はフィンの唇に、そっとキスをしていた。
あ、やばい。これ、俺のファーストキスだし。
寝てる相手に、黙ってキスしちゃったよ。
ずっと俺の唇は熱くてたまらなかった。
けれど、フィンの寝顔が穏やかに変わったのを見て、心の底からほっとしたんだ。
その間、できる限りフィンが側にいてくれたらしい。
こんなに長い時間を一緒に過ごしたのは初めてだった。
三日も経つと、体も少しずつ回復してきて、ベッドの上でたくさん会話ができるようになった。
そのころ、俺が寝ていた部屋は、なんとフィンの寝室……というか、いずれ夫婦の寝室になる部屋だと聞かされて、俺は真っ青になった。
だって俺のせいで、フィンはベッドで眠れなかったんだ。
どこで寝ていたのか尋ねると、部屋の端にあるソファだという。
それを聞いた俺は、ベッドから飛び出して叫んだ。
「俺がソファで寝る! もう大丈夫だから!」
けれど、フィンは困ったように眉をひそめた。
「君はまだ怪我をしているんだ。そんなところで寝て、治りが悪くなったらどうする」
「じゃ、じゃあ、別の部屋で……使用人の部屋でもいいから、空いてるところを貸してよ」
そう言った瞬間、フィンの瞳がするどく光った。
「そんなこと、できるわけない。
君はもう、私のそばを離れないと誓ったじゃないか。
……なら、一緒のベッドで寝よう。
もちろん、怪我をしている君に手を出さないと誓う」
俺、フィンの言葉に顔が熱くなった。
けれど、自分の気持ちに素直になるって決めたから、俺は黙ってうなずいたんだ。
フィンはすごく嬉しそうに笑い、俺の頭を抱き寄せて、髪にそっと口づけた。
それから、夜はいつもフィンの腕の中で眠った。
俺の背中の傷を気遣って、フィンは俺を包むように抱きしめ、俺の頭を胸に抱く姿勢で眠る。
その胸の鼓動を聞いていると、自然とまぶたが重くなっていった。
「お休み、いい夢を」
低く優しい声が耳に触れて、心がじんわり温かくなる。
ドキドキして眠れない夜も、フィンの寝顔を見ているうちに、いつの間にか眠っていた。
ある夜、ふと目を覚ますと、フィンがうなされていた。
苦しそうに眉を寄せる表情を見て、俺は思わず抱きしめる。
「いなくならないで……」
かすかな声で、フィンがそう呟いた。
俺はただそっと頭を撫でることしかできなかった。
フィンはどうして、そんなに”離れる”ことを怖がるんだろう。
まるで誰かを一度失ったみたいに。
俺がここにいても、まだ不安なのかな……。
どうしたらフィンは安心するの?
俺は、フィンの苦しげな寝顔を見ると、胸が締めつけられる。
その頬に手を添え、気づけば俺はフィンの唇に、そっとキスをしていた。
あ、やばい。これ、俺のファーストキスだし。
寝てる相手に、黙ってキスしちゃったよ。
ずっと俺の唇は熱くてたまらなかった。
けれど、フィンの寝顔が穏やかに変わったのを見て、心の底からほっとしたんだ。
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