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32.全員集合(義父以外)
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次の日、フィン立会いのもと、カリオが呼ばれた。
カリオは、部屋に入るなり固まった。
そりゃそうだよな。
カリオからしたらさ。
殿下の婚約者の護衛を頼まれて行ってみたら、殿下はフィンだし、その隣りに友人の俺がいるんだもんな。
「エリゼオ!! え? 一体どういうことなんだ!?」
驚くカリオに、俺が知ってることを一通り説明した。
「なあ、俺、こんな大事なこと聞いて大丈夫なのか? 他言はしないけど、責任が重すぎるんだが」
カリオは少し青ざめて俺にだけ聞こえるように囁いた。
俺がカリオの肩をポンッと叩いて励ましたら、後ろからふいに腕をつかまれた。
フィンだ。
しかもそのあと、俺は後ろからフィンに抱き寄せられてしまった。
「ねえ、カリオはエリゼオの侍従だよ? そんな侍従となれなれしく話していたら、周りに不審がられる。
親しくしないで」
そういうフィンの声は沈んで聞こえたけど、目はカリオを鋭く睨み付けてた。
なんでだよ。
「カリオは友達だ。信頼できるから大丈夫だよ。
みんなの前では、侍従として接するからさ。二人きりの時くらい、仲良くしててもいいだろ?」
「二人きりで仲良く!? それこそ駄目だ!!
ねえ、カリオ。二人きりで何するつもり?
君は、未来の妃を友人だなんて不敬なこと言わないよね?」
フィンの静かな怒りに、カリオはガタガタ震えてた。
「フィン!!」
なんでフィンはそんなにカリオに冷たいの?
俺にはそんなこと言ったことないくせに。
フィンの腕を振りほどき、俺はカリオを背にかばってフィンを睨んだ。
「なんで理由もなくカリオを嫌うんだよ。カリオは俺の大切な友達なんだ。
そんな態度、フィンらしくもないよ」
すると、フィンは床にガクッと膝をついた。
「私だってエリゼオに大切だなんて言ってもらってないのに……!」
「え?」
なんだその落ち込み方。
「エリゼオ様」
おっとお。またガルディア団長、気配消してたから忘れてたよ。
カリオもおんなじだったみたいで、肩が大きく揺れて驚いてるのが分かった。
「殿下はやきもちを焼いておられるのです。あなたとカリオが仲良くしているのをずっと気にしておりましたから」
ええーーっ、なんだってぇ!
「カリオは友達だよ? それ以上でもそれ以下でもないのに」
「……わかってる。頭ではわかってるんだよ。
けれど仲の良い姿を見ると、胸がざわつくんだ」
うん。
フィン、かわいいな?
ふと横を見ると、ガルディア団長が真顔で説明を続けていた。
「殿下は嫉妬のあまり、カリオの素性をすべて調べ上げております。
素行、性格、人間関係。すべて確認済みです。
その上で、彼をエリゼオ様のご友人として認めてはおられます。
しかしどうしてもお気持ちがついていかないご様子。どうか許してさしあげてください」
ガルディア団長、なんだかフィンの保護者みたい。
でもさ、ガルディア団長。
良かれと思って話してるんだろうけどさ。
フィンが横で撃沈してるよ。
フィンは完全に床に顔を伏せてる。
カリオは必死で笑いをこらえてるし。
なんだ、このカオス。
それなのにさ、ガルディア団長は気にも留めずにまだまだ話をつづけるんだよ。
ほんとこの人、団長として上に立つ立場なのに、これで平気なのかな?
「本日、専属侍女もお呼びしております」
そういって、扉を開け、「こちらへ」と誰かに話しかけていた。
「失礼します」
声とともに入ってきたのは、なんと、サーラだった。
「お義兄様! お久しぶりですわ。お元気そうで……って、きゃっ!?
な、な、なぜ、推しの騎士様がこちらに!?
え!? 護衛を兼ねて侍従をなさるって!?
そんなの聞いてませんわ。
ちょ、わたくし、推しの騎士様に見られております!! もう、ムーリー!!」
顔を真っ赤にして俺の後ろに隠れるサーラ。
それを見たフィンが、サーラに向かって、「エリゼオから離れろ!!」とか叫んでる。
もう、こんなんで大丈夫なのかな。
カリオは、部屋に入るなり固まった。
そりゃそうだよな。
カリオからしたらさ。
殿下の婚約者の護衛を頼まれて行ってみたら、殿下はフィンだし、その隣りに友人の俺がいるんだもんな。
「エリゼオ!! え? 一体どういうことなんだ!?」
驚くカリオに、俺が知ってることを一通り説明した。
「なあ、俺、こんな大事なこと聞いて大丈夫なのか? 他言はしないけど、責任が重すぎるんだが」
カリオは少し青ざめて俺にだけ聞こえるように囁いた。
俺がカリオの肩をポンッと叩いて励ましたら、後ろからふいに腕をつかまれた。
フィンだ。
しかもそのあと、俺は後ろからフィンに抱き寄せられてしまった。
「ねえ、カリオはエリゼオの侍従だよ? そんな侍従となれなれしく話していたら、周りに不審がられる。
親しくしないで」
そういうフィンの声は沈んで聞こえたけど、目はカリオを鋭く睨み付けてた。
なんでだよ。
「カリオは友達だ。信頼できるから大丈夫だよ。
みんなの前では、侍従として接するからさ。二人きりの時くらい、仲良くしててもいいだろ?」
「二人きりで仲良く!? それこそ駄目だ!!
ねえ、カリオ。二人きりで何するつもり?
君は、未来の妃を友人だなんて不敬なこと言わないよね?」
フィンの静かな怒りに、カリオはガタガタ震えてた。
「フィン!!」
なんでフィンはそんなにカリオに冷たいの?
俺にはそんなこと言ったことないくせに。
フィンの腕を振りほどき、俺はカリオを背にかばってフィンを睨んだ。
「なんで理由もなくカリオを嫌うんだよ。カリオは俺の大切な友達なんだ。
そんな態度、フィンらしくもないよ」
すると、フィンは床にガクッと膝をついた。
「私だってエリゼオに大切だなんて言ってもらってないのに……!」
「え?」
なんだその落ち込み方。
「エリゼオ様」
おっとお。またガルディア団長、気配消してたから忘れてたよ。
カリオもおんなじだったみたいで、肩が大きく揺れて驚いてるのが分かった。
「殿下はやきもちを焼いておられるのです。あなたとカリオが仲良くしているのをずっと気にしておりましたから」
ええーーっ、なんだってぇ!
「カリオは友達だよ? それ以上でもそれ以下でもないのに」
「……わかってる。頭ではわかってるんだよ。
けれど仲の良い姿を見ると、胸がざわつくんだ」
うん。
フィン、かわいいな?
ふと横を見ると、ガルディア団長が真顔で説明を続けていた。
「殿下は嫉妬のあまり、カリオの素性をすべて調べ上げております。
素行、性格、人間関係。すべて確認済みです。
その上で、彼をエリゼオ様のご友人として認めてはおられます。
しかしどうしてもお気持ちがついていかないご様子。どうか許してさしあげてください」
ガルディア団長、なんだかフィンの保護者みたい。
でもさ、ガルディア団長。
良かれと思って話してるんだろうけどさ。
フィンが横で撃沈してるよ。
フィンは完全に床に顔を伏せてる。
カリオは必死で笑いをこらえてるし。
なんだ、このカオス。
それなのにさ、ガルディア団長は気にも留めずにまだまだ話をつづけるんだよ。
ほんとこの人、団長として上に立つ立場なのに、これで平気なのかな?
「本日、専属侍女もお呼びしております」
そういって、扉を開け、「こちらへ」と誰かに話しかけていた。
「失礼します」
声とともに入ってきたのは、なんと、サーラだった。
「お義兄様! お久しぶりですわ。お元気そうで……って、きゃっ!?
な、な、なぜ、推しの騎士様がこちらに!?
え!? 護衛を兼ねて侍従をなさるって!?
そんなの聞いてませんわ。
ちょ、わたくし、推しの騎士様に見られております!! もう、ムーリー!!」
顔を真っ赤にして俺の後ろに隠れるサーラ。
それを見たフィンが、サーラに向かって、「エリゼオから離れろ!!」とか叫んでる。
もう、こんなんで大丈夫なのかな。
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