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第二章
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「今日は、追加で相談したくて来たのですが、経験が豊富な相談員に今すぐ相談が出来ますか?」
「は、はい! それでしたら私がご相談を承(うけたまわ)ります」
良かった! クレームじゃなかった! でも、あんなに沢山の仕事を姉に依頼しているのに、追加の注文!?
「...あの、お客様のお名前をお伺いしても宜しいでしょうか?」
「フリッツと呼んで下さい」
「フリッツ様ですね!」
本名ではないっぽい言い方だな? やはり、身分を隠して相談したいようだ。
「貴女は何というお名前なのですか?」
いつもならエミリアと名乗るが、この客はエミリアを知っている。かと言って女装しているのに、マルクスと名乗ったら、オカマが店にいると思われて問題があるかもしれない...偽名でいいか? 向こうも偽名なんだし。
「私はユノと申します」
「ユノ...ですか?」
「は、はい...」
な、何だろう? 偽名だってバレた?
「結婚の女神の名前ですね?」
「物知りでいらっしゃるのですね?」
「それほどでもありません」
めっちゃ笑顔だ! そして、平民にも丁寧。王子様みたいだな。
「それで、ご相談とは一体?」
「実は...婚約したのですが、その相手と結婚していいのか迷っています」
あのリストにあった大貴族の御令嬢と婚約したのかな?
「良い条件の相手を選んだが、その相手が自分に合っているか不安なのですね?」
「それが、全然、良い条件じゃないのです」
「政略結婚だから、お相手の容姿が気に入らないとかですか?」
「そうですね。好みのタイプではないのです。性格にも難があるというか...」
「だけど、相手は大貴族の御令嬢で婚約破棄が出来ない?」
「いえ、相手は平民です」
「平民!? では、フリッツ様は資金を得るために富豪の平民の娘と結婚しようとしているのですか?」
「相手は富豪ではありません。むしろ貧乏な方です。富豪と結婚しなくても、私にはお金がありすまし、婚活に多少のお金を積んでも痛くも痒くもないくらいです」
そういえば、契約書の金額はとんでもない金額だった。
「え!? だったら何故婚約したのですか!?」
「それは...色々とあったのです」
「はぁ、そうですか...でも、でしたら結論は出ているのではないでしょうか?」
「結論が出ている?」
「はい。相手の方は、貧乏で身分が低く、好みのタイプではない上に、性格にも問題があるのでしょう?」
「しかし...」
「婚約破棄が出来ないのですか?」
「出来ない訳ではないのですが...」
「そのお相手と結婚するメリットがあるのですか?」
「平民が貴族と結婚すれば、国民は貴族に良い印象を持ちますし、国民のやる気にも繋がるでしょう?」
「それだけですか? 他には?」
「好みのタイプではないですが美人ではあります」
「でもフリッツ様が好きな顔ではないのでしょう?」
「そうですが...頭が良いのです! 学園では首席でした!」
「頭が良いのは、確かに良いですね。困った時に頼りになります」
「いえ、そういう頭の良さではないのです。勉強が出来るというだけで、むしろ日常生活を送る上では、馬鹿だと言っても過言ではない」
「性格に問題があるというのは抜けてるところがある天然ちゃんということですか?」
「抜けているどころか、したたかで、狡猾で、獰猛です。利己的でいつも『金! 金!』とうるさい所もあるんです!」
「別れた方がいいですよね!? なんで別れないのですか? あれだけ令嬢の調査をされていたのですから、他にも結婚出来るお相手はいらっしゃるのでしょう?」
「は、はい! それでしたら私がご相談を承(うけたまわ)ります」
良かった! クレームじゃなかった! でも、あんなに沢山の仕事を姉に依頼しているのに、追加の注文!?
「...あの、お客様のお名前をお伺いしても宜しいでしょうか?」
「フリッツと呼んで下さい」
「フリッツ様ですね!」
本名ではないっぽい言い方だな? やはり、身分を隠して相談したいようだ。
「貴女は何というお名前なのですか?」
いつもならエミリアと名乗るが、この客はエミリアを知っている。かと言って女装しているのに、マルクスと名乗ったら、オカマが店にいると思われて問題があるかもしれない...偽名でいいか? 向こうも偽名なんだし。
「私はユノと申します」
「ユノ...ですか?」
「は、はい...」
な、何だろう? 偽名だってバレた?
「結婚の女神の名前ですね?」
「物知りでいらっしゃるのですね?」
「それほどでもありません」
めっちゃ笑顔だ! そして、平民にも丁寧。王子様みたいだな。
「それで、ご相談とは一体?」
「実は...婚約したのですが、その相手と結婚していいのか迷っています」
あのリストにあった大貴族の御令嬢と婚約したのかな?
「良い条件の相手を選んだが、その相手が自分に合っているか不安なのですね?」
「それが、全然、良い条件じゃないのです」
「政略結婚だから、お相手の容姿が気に入らないとかですか?」
「そうですね。好みのタイプではないのです。性格にも難があるというか...」
「だけど、相手は大貴族の御令嬢で婚約破棄が出来ない?」
「いえ、相手は平民です」
「平民!? では、フリッツ様は資金を得るために富豪の平民の娘と結婚しようとしているのですか?」
「相手は富豪ではありません。むしろ貧乏な方です。富豪と結婚しなくても、私にはお金がありすまし、婚活に多少のお金を積んでも痛くも痒くもないくらいです」
そういえば、契約書の金額はとんでもない金額だった。
「え!? だったら何故婚約したのですか!?」
「それは...色々とあったのです」
「はぁ、そうですか...でも、でしたら結論は出ているのではないでしょうか?」
「結論が出ている?」
「はい。相手の方は、貧乏で身分が低く、好みのタイプではない上に、性格にも問題があるのでしょう?」
「しかし...」
「婚約破棄が出来ないのですか?」
「出来ない訳ではないのですが...」
「そのお相手と結婚するメリットがあるのですか?」
「平民が貴族と結婚すれば、国民は貴族に良い印象を持ちますし、国民のやる気にも繋がるでしょう?」
「それだけですか? 他には?」
「好みのタイプではないですが美人ではあります」
「でもフリッツ様が好きな顔ではないのでしょう?」
「そうですが...頭が良いのです! 学園では首席でした!」
「頭が良いのは、確かに良いですね。困った時に頼りになります」
「いえ、そういう頭の良さではないのです。勉強が出来るというだけで、むしろ日常生活を送る上では、馬鹿だと言っても過言ではない」
「性格に問題があるというのは抜けてるところがある天然ちゃんということですか?」
「抜けているどころか、したたかで、狡猾で、獰猛です。利己的でいつも『金! 金!』とうるさい所もあるんです!」
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