124 / 280
どうやら合宿があるそうですよ
17
しおりを挟む
道を戻ること数分、光が見えてきた。
瞬間
「あ、アア――――――っ!!もう怖いのは嫌だぁ―――――ッ」
と、言って先に走っていった。まあ、これくらいはいいか。人ならざる者に邂逅してしまったのもあるしな。
森を出るとみんなが待っていた。
「おっかえりー!」
「でも遅かったね」
「「やっぱ怖かったのー?」」
双子が覗きこんでくる。あんなのどう説明したものか、それ以前に言うかどうか迷っていると
「怖いってものじゃないよぉ~!!!神社でさ、変な人が急に現れたんだよ~!!?何あれー!!!?」
思わず頭を抱えてしまう。本当にこいつは…
「頭ダイジョウブ?」
「ねぇー椿ぃ、それほんとー?」
「っ…あー」
どう答えようかなーすっげぇキラキラした目で見てくるけど、なぁ……
「椿、そうならその人の見た目は何だった?」
「角と鱗と尾が生えていた。長身男性」
「ふむ、そうか…」
それを言ったきり顎に手を当てて考え込む会長。おおかた、起源となった神霊のことを考えているのだろう。質問の意味にわかりかねた双子が会長に詰め寄るが、会長は適当にあしらって全く答えなかった。
「まあいい、帰るぞ」
「ええーちょっと待ってよー」
「僕たちの質問に答えてよ」
双子はブーブーと文句を言うが問答無用で家に戻った。
夜、珍しく起きてしまった。そのままもう一度眠ろうにも目が冴えてしまって眠れないので外を歩いてみるかと考えた。隣のベッドで眠るチャラ男を起こさないように音を立てずに部屋を出た。
庭にも出てみるか、今宵も空が晴れているし、月もきれいに出ているから昼に見た植物もさらに美しく見えるだろう。
「……ぁ」
庭に出て気ままに歩いていると、木に身を預けて月を見上げる会長がいた。
漏れた声は決して大きくなかったがこの静寂の中では意味をなさなかったのかそれに反応してこちらを向いた。
「椿か……眠れなかったのか?」
「まあな」
「ふっ…俺もだ。俺が、いや神宮寺家の存在意義をな考えてしまってな」
「さっきの…神社に現れた彼の事か?」
「……ああ、俺の名前が龍なのは知っているな?」
知ってなきゃやべーだろ
また上を向いてしまったから会長がどんな表情をしているかはわからない。
「おかしな話だがな、俺が生まれる前、母が俺を身ごもっていた時にお告げがあったらしいんだ。神龍からな」
今、彼はどんな顔をしているのだろう、どんな重荷を背負っているのだろう、気になって一歩踏み出して…止めた。
「父の夢に出たそうだ。だから俺はそう名付けられた。名乗ることを許された」
ふと俺を見て笑った
「なんて顔をしてるんだよ、どうってことはない。ただそれだけだ、何故か話したくなっただけだ。」
「……ならいいんじゃないか?それで、気持ちが楽になるのなら」
「…さぁ、戻るか。早く寝ないと明日に響く。お前も戻れ」
会長は地に手を付けて立ち上がり、土を払った。
通り過ぎる時に気づく。珍しくカラーコンタクトを着けていない。その彼の黒い眼の色が一瞬……
いや、なんでもない。ただ、それだけなんだ、きっと。
俺は月をもう一度見上げて、彼に倣い戻ってすぐさまベッドに横になった。
何故かわからないけれどもすぐに睡魔にやさしく包み込まれ、意識が落ちていった。
===
後日談
再び、生徒会と風紀が集まった場で…
「そういえば、合宿での肝試しでさ聞きたいことがあったんだが」
「なんだ?」
「俺のペアが神社に行った時札が一枚足りなかったんだよな。双子、わざと張らなかったりしたか?」
「えーちゃんと張ったよー?」
「うん、張ったよ?」
「んーなんでだ?」
「俺は椿の前だったが、ちゃんと数は合ってたぞ?剥がれかけているやつもなかったが……」
「「「「…………」」」」
「「「ひぃやぁぁぁぁぁぁぁあああっ!!!????」」」
とかあったとかなかったとか。
瞬間
「あ、アア――――――っ!!もう怖いのは嫌だぁ―――――ッ」
と、言って先に走っていった。まあ、これくらいはいいか。人ならざる者に邂逅してしまったのもあるしな。
森を出るとみんなが待っていた。
「おっかえりー!」
「でも遅かったね」
「「やっぱ怖かったのー?」」
双子が覗きこんでくる。あんなのどう説明したものか、それ以前に言うかどうか迷っていると
「怖いってものじゃないよぉ~!!!神社でさ、変な人が急に現れたんだよ~!!?何あれー!!!?」
思わず頭を抱えてしまう。本当にこいつは…
「頭ダイジョウブ?」
「ねぇー椿ぃ、それほんとー?」
「っ…あー」
どう答えようかなーすっげぇキラキラした目で見てくるけど、なぁ……
「椿、そうならその人の見た目は何だった?」
「角と鱗と尾が生えていた。長身男性」
「ふむ、そうか…」
それを言ったきり顎に手を当てて考え込む会長。おおかた、起源となった神霊のことを考えているのだろう。質問の意味にわかりかねた双子が会長に詰め寄るが、会長は適当にあしらって全く答えなかった。
「まあいい、帰るぞ」
「ええーちょっと待ってよー」
「僕たちの質問に答えてよ」
双子はブーブーと文句を言うが問答無用で家に戻った。
夜、珍しく起きてしまった。そのままもう一度眠ろうにも目が冴えてしまって眠れないので外を歩いてみるかと考えた。隣のベッドで眠るチャラ男を起こさないように音を立てずに部屋を出た。
庭にも出てみるか、今宵も空が晴れているし、月もきれいに出ているから昼に見た植物もさらに美しく見えるだろう。
「……ぁ」
庭に出て気ままに歩いていると、木に身を預けて月を見上げる会長がいた。
漏れた声は決して大きくなかったがこの静寂の中では意味をなさなかったのかそれに反応してこちらを向いた。
「椿か……眠れなかったのか?」
「まあな」
「ふっ…俺もだ。俺が、いや神宮寺家の存在意義をな考えてしまってな」
「さっきの…神社に現れた彼の事か?」
「……ああ、俺の名前が龍なのは知っているな?」
知ってなきゃやべーだろ
また上を向いてしまったから会長がどんな表情をしているかはわからない。
「おかしな話だがな、俺が生まれる前、母が俺を身ごもっていた時にお告げがあったらしいんだ。神龍からな」
今、彼はどんな顔をしているのだろう、どんな重荷を背負っているのだろう、気になって一歩踏み出して…止めた。
「父の夢に出たそうだ。だから俺はそう名付けられた。名乗ることを許された」
ふと俺を見て笑った
「なんて顔をしてるんだよ、どうってことはない。ただそれだけだ、何故か話したくなっただけだ。」
「……ならいいんじゃないか?それで、気持ちが楽になるのなら」
「…さぁ、戻るか。早く寝ないと明日に響く。お前も戻れ」
会長は地に手を付けて立ち上がり、土を払った。
通り過ぎる時に気づく。珍しくカラーコンタクトを着けていない。その彼の黒い眼の色が一瞬……
いや、なんでもない。ただ、それだけなんだ、きっと。
俺は月をもう一度見上げて、彼に倣い戻ってすぐさまベッドに横になった。
何故かわからないけれどもすぐに睡魔にやさしく包み込まれ、意識が落ちていった。
===
後日談
再び、生徒会と風紀が集まった場で…
「そういえば、合宿での肝試しでさ聞きたいことがあったんだが」
「なんだ?」
「俺のペアが神社に行った時札が一枚足りなかったんだよな。双子、わざと張らなかったりしたか?」
「えーちゃんと張ったよー?」
「うん、張ったよ?」
「んーなんでだ?」
「俺は椿の前だったが、ちゃんと数は合ってたぞ?剥がれかけているやつもなかったが……」
「「「「…………」」」」
「「「ひぃやぁぁぁぁぁぁぁあああっ!!!????」」」
とかあったとかなかったとか。
20
あなたにおすすめの小説
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
もういいや
ちゃんちゃん
BL
急遽、有名で偏差値がバカ高い高校に編入した時雨 薊。兄である柊樹とともに編入したが……
まぁ……巻き込まれるよね!主人公だもん!
しかも男子校かよ………
ーーーーーーーー
亀更新です☆期待しないでください☆
全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話
みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。
数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品
【完結】我が兄は生徒会長である!
tomoe97
BL
冷徹•無表情•無愛想だけど眉目秀麗、成績優秀、運動神経まで抜群(噂)の学園一の美男子こと生徒会長・葉山凌。
名門私立、全寮制男子校の生徒会長というだけあって色んな意味で生徒から一目も二目も置かれる存在。
そんな彼には「推し」がいる。
それは風紀委員長の神城修哉。彼は誰にでも人当たりがよく、仕事も早い。喧嘩の現場を抑えることもあるので腕っぷしもつよい。
実は生徒会長・葉山凌はコミュ症でビジュアルと家柄、風格だけでここまで上り詰めた、エセカリスマ。実際はメソメソ泣いてばかりなので、本物のカリスマに憧れている。
終始彼の弟である生徒会補佐の観察記録調で語る、推し活と片思いの間で揺れる青春恋模様。
本編完結。番外編(after story)でその後の話や過去話などを描いてます。
(番外編、after storyで生徒会補佐✖️転校生有。可愛い美少年✖️高身長爽やか男子の話です)
風紀委員長様は王道転校生がお嫌い
八(八月八)
BL
※11/12 10話後半を加筆しました。
11/21 登場人物まとめを追加しました。
【第7回BL小説大賞エントリー中】
山奥にある全寮制の名門男子校鶯実学園。
この学園では、各委員会の委員長副委員長と、生徒会執行部が『役付』と呼ばれる特権を持っていた。
東海林幹春は、そんな鶯実学園の風紀委員長。
風紀委員長の名に恥じぬ様、真面目実直に、髪は七三、黒縁メガネも掛けて職務に当たっていた。
しかしある日、突如として彼の生活を脅かす転入生が現われる。
ボサボサ頭に大きなメガネ、ブカブカの制服に身を包んだ転校生は、元はシングルマザーの田舎育ち。母の再婚により理事長の親戚となり、この学園に編入してきたものの、学園の特殊な環境に慣れず、あくまでも庶民感覚で突き進もうとする。
おまけにその転校生に、生徒会執行部の面々はメロメロに!?
そんな転校生がとにかく気に入らない幹春。
何を隠そう、彼こそが、中学まで、転校生を凌ぐ超極貧ド田舎生活をしてきていたから!
※11/12に10話加筆しています。
ひみつのモデルくん
おにぎり
BL
有名モデルであることを隠して、平凡に目立たず学校生活を送りたい男の子のお話。
高校一年生、この春からお金持ち高校、白玖龍学園に奨学生として入学することになった雨貝 翠。そんな彼にはある秘密があった。彼の正体は、今をときめく有名モデルの『シェル』。なんとか秘密がバレないように、黒髪ウィッグとカラコン、マスクで奮闘するが、学園にはくせもの揃いで⁉︎
主人公総受け、総愛され予定です。
思いつきで始めた物語なので展開も一切決まっておりません。感想でお好きなキャラを書いてくれたらそことの絡みが増えるかも…?作者は執筆初心者です。
後から編集することがあるかと思います。ご承知おきください。
天使の声と魔女の呪い
狼蝶
BL
長年王家を支えてきたホワイトローズ公爵家の三男、リリー=ホワイトローズは社交界で“氷のプリンセス”と呼ばれており、悪役令息的存在とされていた。それは誰が相手でも口を開かず冷たい視線を向けるだけで、側にはいつも二人の兄が護るように寄り添っていることから付けられた名だった。
ある日、ホワイトローズ家とライバル関係にあるブロッサム家の令嬢、フラウリーゼ=ブロッサムに心寄せる青年、アランがリリーに対し苛立ちながら学園内を歩いていると、偶然リリーが喋る場に遭遇してしまう。
『も、もぉやら・・・・・・』
『っ!!?』
果たして、リリーが隠していた彼の秘密とは――!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる