Lara

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彼を取り戻すために

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龍たちは山の中腹で待っていた自衛隊と合流して登っていく。

そして…………

「ここか…………」

山の頂に隠されている白き美しき城。だが龍たちにはそれがただの鳥籠に見えた。そこでザアアッと風が吹き、長身の男が現れる。

『うむ、ここから彼奴の力を感じる……が』

口ごもり、瞼を下ろす。眉を顰めてフルフルと震え出した。
醸しだされる怒気に先ほどの比ではない風が吹き荒れ、木が揺れる。

『まさか、ここまでのことをやるとは……』
「どうしたんだ、急に」
『なに、ここまで神という存在を穢してくれるとな、行くぞ。一刻も早くここを殲滅してくれよう』

今までにないほど険しい表情で門の前へと歩み出る。そして手を突き出した。
瞬間、鋼鉄でできた門は横に切り裂かれ、轟音を立てて崩れ落ちた。

『何をボケッとしている。早く来い』
「あ、ああ、行くぞお前ら」
「ええ」
「「うん!」」
「ん、うん…」

突然の侵入者に中から武装した者たちが出てきているが神龍が吹き飛ばしている。
後は自衛隊の者たちに任せて龍たちも中に入ることにした。

「これは…………」
「全部真っ白ー」
「頭が狂っちゃうね」
「すでに狂ってますよ」
「っ…………」

中も全て白い物ばかりだ。壁も床も彼らが来ている服も、物も全てが白い。煌々と明かりがついているから影もほとんどない。

『ふむ…………これはまずいな』
「何がまずいんだ」
『彼奴の力が強大すぎてここが神域になっておる。もしもの時は我はお前たちを守るので手一杯だろう』
「っ…………そうか」
『それに、我が感じ取るのも神具だろう気配のみ、彼奴本人は神域の気配に混じっているだろうからもしかしたら我にもわからぬかもしれん。だから気をつけよ。すでに我らは攻撃をされているのだ』

淡々と龍たちに忠告を告げる。それだけ彼の者の力が強大だということだ。

『神とは全ては祈りからきている。祈りがあるからこそ存在し、役目を果たすのだ』

神龍もまた然り、この世ならざる者とは全て生けるものから生まれてきたのだ。恐れ、畏怖し求めるからこそその存在は許される。

『ここは彼奴の本城だ。庭と言ってもよい、彼奴のすぐ肌が触れるところにその信仰があり、尽きぬほどの力がある。それに対して我らはあくまでも侵入者でありその力は万全に発揮できないのだ』

わかりやすく例えると、敵からすれば地の利もあるし、何処をどう使えばわかるので百の力を出すことができ、こちらからすれば何もわからない状態で、七十もの力すらも出せないようなものなのだ。

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