Lara

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Regained Memories

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「貴方たちは『白の因子』を持っています。ですがそれは私たちが求めるものと比べて微々たるもの」

喋っている人の後ろにある扉が開いて何か入っている袋を両手に抱えてやって来た。蟲毒…………その不吉な言葉に嫌な予感がする。

「蠱毒とはかつて、古代中国で行われた呪術です。同じ箱に蟲を入れ、共食いさせることで勝ち残ったものが神霊になるためにそれを祀ります。これから行うことも同じことです。古代中国では蟲を使いました。ですが何事も同じことです」

いや、予感ではない。予測できるものであり、確信だ。背筋に這い上がる冷たいものに体が震える。

「共に食い合うことで自らの内包している力を高め、昇華します」

その人は、その人たちは前に布を垂れ下げているから顔がわからないけれど、確かに嗤ったのを感じた。

「私たちが求めるものは崇め、讃え、それに微笑み祝福してくださる神です」

声に陶酔が混ざる。この人たちは、自己の目的のことしか考えていない。僕たちのことなどその神を手に入れるための道具でしかない。

「『白の因子』を持っている貴方たちには『赤の血花』の花弁を毎食取り込んでもらいました。それに適応した者は反応を起こし、まず体毛の色が白く・・・・・・・変化します・・・・・

ゾッとした、僕のことでもあるのだろう。現に何房かは白く変わっている。他にも数人髪が白く変化している子が見える。

三十四番は…………隣を見ると彼も僕を、正確には僕の髪を見ていた。

「由貴の髪……白いね」

三十四番の髪は日本人特有の黒くて綺麗な髪だ。小首を傾げてさらさらと髪が流れる。

なあ、今の話の流れからしてすごく嫌な事になるとわかるんだ。体の震えが止まらない。いやだ、いやだ…そこから先はもう言わないでくれ、そう思った。

「その適応した子……『白の愛子』にはこれを渡します」

そう言って持ってきた袋から取り出したのは…………たくさんの刃物や鈍器だった。

「『白の愛子』にはこの中から好きなものを一つ選んでもらいます。今選んでもらうのでこちらへ」

その新品同様に白く輝くそれらを見る。行きたくない、足が鉛のように固まったままだ。

立ち尽くしている僕に隣で純粋な目を向けてくる三十四番友人が僕を突き落とした。

「行かないの?」
「行きたくない……」
「駄目だよ!大人の人の言うことを聞かなきゃ!ほらほら!」

そう言って僕の背中を押した。やめて、僕をこれ以上追い詰めないで。
そう心の中で叫ぶも、声に出ず、足は進んでしまった。

よろよろと前に進んで、白く輝く武器たちの前で立ち止まる。
もういいか、とここに来てから身を共にしている諦念を感じ、適当にその中の一つを手に取った。

世界は

「『白の愛子』は全員それを持ちましたね。余ったこれらは片づけましょう。はい、それでは私たちはここを出ますので皆さんで殺し合ってください・・・・・・・・・

残酷だ

「ああ、これらは『白の愛子』以外が持つと手が爛れるのでおすすめしません。それと、蠱毒が終わるまで・・・・・・・・ここから出られない・・・・・・・・・ので食事をとりたかったら早く終わらせなさい」

そう言って彼らは出ていき、扉が閉まった。

表情が落ちるのを感じる。白く光る武器…………刀が酷く冷たい。

僕は、ただいつものように白い壁を見続けた。



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