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Regained Memories
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「はっ…はっ…はっ…」
この擦れた呼吸の音は何?もうわからない、視界がぐらりと揺れる。今まで立っていた場所が唐突に崩れる音が聞こえた。
今日で二回目だ。
「はっ…はっ…は、ぐっ、けほっごほっ…ひゅ、はっ…」
苦しい、胸を押さえる。ああ、この音は自分が出した音か。
「ひゅ、は…かっ、ひゅ、ひゅ……」
苦しい、助けて、僕は立ってられなくて地面に膝をつく。目の前が一瞬真っ暗になった。
助けて、辛い、辛い、息が、出来ない……
苦しくなり、体が酸素が足りないからだと誤認して更に酸素を求めようと歪んだ呼吸を加速させる。自分の呼吸の音だけが頭の中に響く。耳鳴りがキーンッと鳴り始める。現実が遠ざかる。
もう、このまま、眠りに落ちることができたら……
「ッ、――!?――を―――――!ゆ―――!」
誰かの声が聞こえる。誰、だっけ……頭に酸素がまわってないからわからなくなった。頭痛い…耳鳴りと自分の呼吸の音で誰かの声を掻き消してしまう。平衡感覚がなくなり、上下左右もわからなくなって……指先から痺れてきた。
突然顔に何かが当たり、うまく息を吸えなくなった。吸わせて、空気、苦しいから、吸わなきゃ。
どうにか顔のものを退けようと動こうとするが痺れた腕では動いているのかがわからない。助けて、苦しい、息吸えない、呼吸しないと、死んじゃ……………ああ、別にいいんだった。
ポンポンと背中を撫ぜる感触を感じながら抵抗を止めて力を抜いた。だけど自然と体は呼吸を繰り返して、引くつきながらも吸って、吐いて、吸って、吐いて…とやった。
しばらくそれをやってぼーっとしていると思考が思考がクリアになってくるのを感じた。
あれ、楽になってきた………これって、過呼吸と言うものだったっけ…………どこかで聞いた気がする。なんか息をたくさん吸っちゃうって。
「はっ…………あ……も、だいじょう、ぶ…………」
「由貴……本当に大丈夫なのか?」
「う、ん…………」
僕は立ち上がって、いつの間にか顕現していた刀を持つ。
「ねぇ…」
「由貴…」
彼はそれを見つめて受け入れるかのように目を瞑る。
ああ、=お241:「^。今、気づいたんだ。
僕はそれを眺めながら刀を上げる。ねぇ、って、言ったのに。何受け入れてんの。
少し伸びた黒髪を後ろで括っていつも尻尾みたいって思った。でも、すぐに尻尾ってなんだったっけ、って思いなおすんだ。
その閉じた瞼の下に黒い黒曜石のような瞳が収まっている。日に透けると、少し紫っぽくなるんだ。僕はいつもその透ける瞬間が好きだった。
その筋張って大きい手が僕の頭を撫ぜてくれるのが好き。その手に持つスプーンが僕の口元にご飯を持ってきてくれるのが好き。今はあんまりやってくれないけど、三十分ぐらい粘ったりしたら折れてくれて、冷えたご飯を食べて笑ってた。
その大きな体が羨ましい。あったかくて、いつも冷えてしまう僕を抱きしめて温めてくれるんだ。その時だけ、僕は生きていてよかったって思える。その時だけ…………
「だからさ」
僕は刀を振り落とした。
「ごめんね」
肉を切り裂いて突き抜ける衝撃を感じた。
この擦れた呼吸の音は何?もうわからない、視界がぐらりと揺れる。今まで立っていた場所が唐突に崩れる音が聞こえた。
今日で二回目だ。
「はっ…はっ…は、ぐっ、けほっごほっ…ひゅ、はっ…」
苦しい、胸を押さえる。ああ、この音は自分が出した音か。
「ひゅ、は…かっ、ひゅ、ひゅ……」
苦しい、助けて、僕は立ってられなくて地面に膝をつく。目の前が一瞬真っ暗になった。
助けて、辛い、辛い、息が、出来ない……
苦しくなり、体が酸素が足りないからだと誤認して更に酸素を求めようと歪んだ呼吸を加速させる。自分の呼吸の音だけが頭の中に響く。耳鳴りがキーンッと鳴り始める。現実が遠ざかる。
もう、このまま、眠りに落ちることができたら……
「ッ、――!?――を―――――!ゆ―――!」
誰かの声が聞こえる。誰、だっけ……頭に酸素がまわってないからわからなくなった。頭痛い…耳鳴りと自分の呼吸の音で誰かの声を掻き消してしまう。平衡感覚がなくなり、上下左右もわからなくなって……指先から痺れてきた。
突然顔に何かが当たり、うまく息を吸えなくなった。吸わせて、空気、苦しいから、吸わなきゃ。
どうにか顔のものを退けようと動こうとするが痺れた腕では動いているのかがわからない。助けて、苦しい、息吸えない、呼吸しないと、死んじゃ……………ああ、別にいいんだった。
ポンポンと背中を撫ぜる感触を感じながら抵抗を止めて力を抜いた。だけど自然と体は呼吸を繰り返して、引くつきながらも吸って、吐いて、吸って、吐いて…とやった。
しばらくそれをやってぼーっとしていると思考が思考がクリアになってくるのを感じた。
あれ、楽になってきた………これって、過呼吸と言うものだったっけ…………どこかで聞いた気がする。なんか息をたくさん吸っちゃうって。
「はっ…………あ……も、だいじょう、ぶ…………」
「由貴……本当に大丈夫なのか?」
「う、ん…………」
僕は立ち上がって、いつの間にか顕現していた刀を持つ。
「ねぇ…」
「由貴…」
彼はそれを見つめて受け入れるかのように目を瞑る。
ああ、=お241:「^。今、気づいたんだ。
僕はそれを眺めながら刀を上げる。ねぇ、って、言ったのに。何受け入れてんの。
少し伸びた黒髪を後ろで括っていつも尻尾みたいって思った。でも、すぐに尻尾ってなんだったっけ、って思いなおすんだ。
その閉じた瞼の下に黒い黒曜石のような瞳が収まっている。日に透けると、少し紫っぽくなるんだ。僕はいつもその透ける瞬間が好きだった。
その筋張って大きい手が僕の頭を撫ぜてくれるのが好き。その手に持つスプーンが僕の口元にご飯を持ってきてくれるのが好き。今はあんまりやってくれないけど、三十分ぐらい粘ったりしたら折れてくれて、冷えたご飯を食べて笑ってた。
その大きな体が羨ましい。あったかくて、いつも冷えてしまう僕を抱きしめて温めてくれるんだ。その時だけ、僕は生きていてよかったって思える。その時だけ…………
「だからさ」
僕は刀を振り落とした。
「ごめんね」
肉を切り裂いて突き抜ける衝撃を感じた。
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