276 / 280
白神
2
しおりを挟む
やっぱり気づくよな。
「それを壊すことが俺の唯一の願いだ」
だから、ほらそれを落として。神器だとは言うが、水晶は水晶だ。簡単に割れて壊れる。
だが龍は手に持った水晶玉をじっと睨んでいた。
「なあ、神龍」
『どうした』
「これを壊す意味を教えてくれ。先程の反応を見るに、神器を壊すと何か起こるのを知っているんだろう?」
「おい、やめろ」
『……いいだろう、龍には知る権利がある』
言うな
やめてくれ
だけど、俺のそんな想いと反して神龍は口を開いた。
『神器は、神の根源だ』
「神龍!やめっ」
『だから神器が成り立たなくなったらその神は消滅する』
「「「っ…………」」」
思わず力が抜けて膝をついてしまう。そのまま顔を手で覆い、蹲る。
不老不死である神が消滅するのはたった二つだけ。
一つ目、信仰されなくなること。神は願いを基に存在することが許される。だから願いがなくなれば世界が需要無しと判定してその神の存在を許さないのだ。
もう一つは
神器を破壊すること
神龍が言った通り、神器とは神の根源である。人間で言う心臓と言ってもいいほどだ。それがなければ生きてはいけない、そういうもの。神と言う存在を縛るものであり、力だ。
だからその縛るものがなくなれば自然と神は解放される。
それは【死】と同義だ。
俺は死にたかった。
ずっとずっと、斬って斬って斬って斬って、斬りまくって、諦めて絶望して渇望して狂いながらも
ずっと
「椿……いや、由貴って言ったほうがいいのか?」
「…………由貴は、今はいない。だから俺は椿になった。だから椿でいい」
その存在は既に死んだことになっている。家族全員が行方不明になり三十三年。死亡扱いとなっている。行方不明者の死亡認定は七年だ。
それに龍たちとは椿として出会った。
「椿は……消えたいのか?」
「…………」
「なあ、教えてくれ」
彼は膝をついて俺の手を取る。
「……それが、俺の、たった一つの願いだ」
「…………そうか」
視界が歪む。龍の瞳が一瞬、神龍と同じ紫紺に見えた。
「なあ、人々の願いは神が叶えるが、神の願いは誰が叶えるんだ?」
誰も、いないだろう?
声が掠れる。だけどそれは星が見下ろす世界に大きく、けれど静かに響いた。そよそよと赤いハナニラが風に揺れている。
ずっと疑問だった。人々の願いに応える為に神の存在ができた。だけど、神の願いに応える存在はあるのか?
ない、それが答え。
神は人々の人形であり、奴隷だ。高次元な存在なんて夢物語でよく言われるが、だからこそそれは過剰なほどに制限される。
「もう、疲れたんだよ。抗うのも、世界を憎み続けるのも」
俺は今、どんな表情をしているのだろうか。
よく、わからない。
* * *
明かされた彼の願い
それは、ずっと同じ
死を願うのみ
=========================================
たまーになんか出てくる後書き
バイト、疲れた^^
よーやく、この話を出せました。実は椿が神である、と設定を作り上げた時『人の願いは神が叶える、しかし神の願いは誰が叶えるのか。いや、いない』といつか出そうと考えてました。いやー、出すまでが長かった。
ファンタジーだからこそ出せる話題ですわwww
「それを壊すことが俺の唯一の願いだ」
だから、ほらそれを落として。神器だとは言うが、水晶は水晶だ。簡単に割れて壊れる。
だが龍は手に持った水晶玉をじっと睨んでいた。
「なあ、神龍」
『どうした』
「これを壊す意味を教えてくれ。先程の反応を見るに、神器を壊すと何か起こるのを知っているんだろう?」
「おい、やめろ」
『……いいだろう、龍には知る権利がある』
言うな
やめてくれ
だけど、俺のそんな想いと反して神龍は口を開いた。
『神器は、神の根源だ』
「神龍!やめっ」
『だから神器が成り立たなくなったらその神は消滅する』
「「「っ…………」」」
思わず力が抜けて膝をついてしまう。そのまま顔を手で覆い、蹲る。
不老不死である神が消滅するのはたった二つだけ。
一つ目、信仰されなくなること。神は願いを基に存在することが許される。だから願いがなくなれば世界が需要無しと判定してその神の存在を許さないのだ。
もう一つは
神器を破壊すること
神龍が言った通り、神器とは神の根源である。人間で言う心臓と言ってもいいほどだ。それがなければ生きてはいけない、そういうもの。神と言う存在を縛るものであり、力だ。
だからその縛るものがなくなれば自然と神は解放される。
それは【死】と同義だ。
俺は死にたかった。
ずっとずっと、斬って斬って斬って斬って、斬りまくって、諦めて絶望して渇望して狂いながらも
ずっと
「椿……いや、由貴って言ったほうがいいのか?」
「…………由貴は、今はいない。だから俺は椿になった。だから椿でいい」
その存在は既に死んだことになっている。家族全員が行方不明になり三十三年。死亡扱いとなっている。行方不明者の死亡認定は七年だ。
それに龍たちとは椿として出会った。
「椿は……消えたいのか?」
「…………」
「なあ、教えてくれ」
彼は膝をついて俺の手を取る。
「……それが、俺の、たった一つの願いだ」
「…………そうか」
視界が歪む。龍の瞳が一瞬、神龍と同じ紫紺に見えた。
「なあ、人々の願いは神が叶えるが、神の願いは誰が叶えるんだ?」
誰も、いないだろう?
声が掠れる。だけどそれは星が見下ろす世界に大きく、けれど静かに響いた。そよそよと赤いハナニラが風に揺れている。
ずっと疑問だった。人々の願いに応える為に神の存在ができた。だけど、神の願いに応える存在はあるのか?
ない、それが答え。
神は人々の人形であり、奴隷だ。高次元な存在なんて夢物語でよく言われるが、だからこそそれは過剰なほどに制限される。
「もう、疲れたんだよ。抗うのも、世界を憎み続けるのも」
俺は今、どんな表情をしているのだろうか。
よく、わからない。
* * *
明かされた彼の願い
それは、ずっと同じ
死を願うのみ
=========================================
たまーになんか出てくる後書き
バイト、疲れた^^
よーやく、この話を出せました。実は椿が神である、と設定を作り上げた時『人の願いは神が叶える、しかし神の願いは誰が叶えるのか。いや、いない』といつか出そうと考えてました。いやー、出すまでが長かった。
ファンタジーだからこそ出せる話題ですわwww
17
あなたにおすすめの小説
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
もういいや
ちゃんちゃん
BL
急遽、有名で偏差値がバカ高い高校に編入した時雨 薊。兄である柊樹とともに編入したが……
まぁ……巻き込まれるよね!主人公だもん!
しかも男子校かよ………
ーーーーーーーー
亀更新です☆期待しないでください☆
全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話
みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。
数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品
【完結】我が兄は生徒会長である!
tomoe97
BL
冷徹•無表情•無愛想だけど眉目秀麗、成績優秀、運動神経まで抜群(噂)の学園一の美男子こと生徒会長・葉山凌。
名門私立、全寮制男子校の生徒会長というだけあって色んな意味で生徒から一目も二目も置かれる存在。
そんな彼には「推し」がいる。
それは風紀委員長の神城修哉。彼は誰にでも人当たりがよく、仕事も早い。喧嘩の現場を抑えることもあるので腕っぷしもつよい。
実は生徒会長・葉山凌はコミュ症でビジュアルと家柄、風格だけでここまで上り詰めた、エセカリスマ。実際はメソメソ泣いてばかりなので、本物のカリスマに憧れている。
終始彼の弟である生徒会補佐の観察記録調で語る、推し活と片思いの間で揺れる青春恋模様。
本編完結。番外編(after story)でその後の話や過去話などを描いてます。
(番外編、after storyで生徒会補佐✖️転校生有。可愛い美少年✖️高身長爽やか男子の話です)
風紀委員長様は王道転校生がお嫌い
八(八月八)
BL
※11/12 10話後半を加筆しました。
11/21 登場人物まとめを追加しました。
【第7回BL小説大賞エントリー中】
山奥にある全寮制の名門男子校鶯実学園。
この学園では、各委員会の委員長副委員長と、生徒会執行部が『役付』と呼ばれる特権を持っていた。
東海林幹春は、そんな鶯実学園の風紀委員長。
風紀委員長の名に恥じぬ様、真面目実直に、髪は七三、黒縁メガネも掛けて職務に当たっていた。
しかしある日、突如として彼の生活を脅かす転入生が現われる。
ボサボサ頭に大きなメガネ、ブカブカの制服に身を包んだ転校生は、元はシングルマザーの田舎育ち。母の再婚により理事長の親戚となり、この学園に編入してきたものの、学園の特殊な環境に慣れず、あくまでも庶民感覚で突き進もうとする。
おまけにその転校生に、生徒会執行部の面々はメロメロに!?
そんな転校生がとにかく気に入らない幹春。
何を隠そう、彼こそが、中学まで、転校生を凌ぐ超極貧ド田舎生活をしてきていたから!
※11/12に10話加筆しています。
ひみつのモデルくん
おにぎり
BL
有名モデルであることを隠して、平凡に目立たず学校生活を送りたい男の子のお話。
高校一年生、この春からお金持ち高校、白玖龍学園に奨学生として入学することになった雨貝 翠。そんな彼にはある秘密があった。彼の正体は、今をときめく有名モデルの『シェル』。なんとか秘密がバレないように、黒髪ウィッグとカラコン、マスクで奮闘するが、学園にはくせもの揃いで⁉︎
主人公総受け、総愛され予定です。
思いつきで始めた物語なので展開も一切決まっておりません。感想でお好きなキャラを書いてくれたらそことの絡みが増えるかも…?作者は執筆初心者です。
後から編集することがあるかと思います。ご承知おきください。
天使の声と魔女の呪い
狼蝶
BL
長年王家を支えてきたホワイトローズ公爵家の三男、リリー=ホワイトローズは社交界で“氷のプリンセス”と呼ばれており、悪役令息的存在とされていた。それは誰が相手でも口を開かず冷たい視線を向けるだけで、側にはいつも二人の兄が護るように寄り添っていることから付けられた名だった。
ある日、ホワイトローズ家とライバル関係にあるブロッサム家の令嬢、フラウリーゼ=ブロッサムに心寄せる青年、アランがリリーに対し苛立ちながら学園内を歩いていると、偶然リリーが喋る場に遭遇してしまう。
『も、もぉやら・・・・・・』
『っ!!?』
果たして、リリーが隠していた彼の秘密とは――!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる