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俺の腕に閉じこめて、誰にも見せたくないな1
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久しぶりのファルマ滞在は、私にとって充実した日々を過ごすことが出来た。
ファルマで商会の仕事をしたり、ライに色々観光地を案内して貰ったり……
楽しかったせいか、あっという間に時は過ぎてパーティー当日を迎えることに。
もうすぐパーティーが開かれるという時間のため、私はドレスやメイクを終えて準備がばっちりだった。
ファルマ城に借りている部屋にて、私はお兄様と共に過ごしている。
お兄様もパーティーに参加するため正装をしているが、襟元が気になるのか何度も姿見で確認している。
「変じゃないかな?」
「いいえ、お兄様。いつも通りカッコイイですわ」
お兄様の隣で私は告げた。
「ティアにカッコイイって言われると嬉しいなぁ。じゃあ、大丈夫かな。ティアもそのドレスすごく似合っているよ」
「本当ですか? 嬉しいです」
お兄様が姿見の前から退いたため、今度は私が姿見の前へ立てば、ファルマで流行しているドレスを纏った自分の姿が。
クリーム色の柔らかい素材で出来ているオフショルダーのドレスは、腰元から下の生地に宝石などで作られた色鮮やかな花が咲き誇っている。
ファルマでは宝石を使用して華やかなドレスを作るのが流行中らしい。
「ライがプレゼントをしてくれたんです。私の戦闘服を」
「あれ? おかしいな。今、ドレスとは無縁の台詞が聞こえちゃった気がする」
「戦闘服です」
「ティアーっ! 待って。ねぇ、待って。ライがこんなに豪華なドレスをプレゼントをしてくれたことが霞んじゃったくらいの衝撃なんだけどっ!」
「ちなみに、あちらの扇子は武器か防具ですわね」
私は壁際に置かれているサイドテーブルへと視線を向ければ、髪飾りや宝飾品に混じり、孔雀を思わせる柄の扇子が置かれていた。
ブルーにグリーンやイエローが混じっていて、ちょっと濃い色ばかりかなぁ? と思うが不思議な事に調和していた。
「ティ、ティアが向かうのは戦場じゃなくてパーティーだよ……」
お兄様は涙目になりながら言葉を発している。
「パーティーは女の戦場になる時もありますわ。安心して下さい。売られた喧嘩は倍の値段で買いますから」
「安心できる要素が一つもないよ!」
「あの扇子は西大陸で流行している扇子なんですの。お祖父様達が懐かしくなり、行商から購入いたしました。扇子の骨が鉄で出来ているんです。誰かにひっぱたかれてそうになったら、これでガードができます。私、もう二度と他人に頬を叩かれるという隙を見せることはいたしませんわ」
「扇子が一気におどろおどろしくなったよ、ティア」
「綺麗ですよね」
「うん。でも、もう武器にしか見えない」
お兄様がひきつった表情を浮かべつつ扇子へと顔を向けていた時だった。
部屋をノックする音が届いたのは。
――ライかな?
ライは忙しいらしく色々準備が整ったら迎えに来てくれることになっている。
私が入室を促す返事をすれば、小鳥や植物が彫られた扉がゆっくりと開かれていき、声の主が姿を現す。
入ってきたのはコルタだった。
エタセルでは簡易な騎士服に身を包んでいたが、今回は他国なためか堅苦しい! って、彼が叫びそうな騎士服を着用している。
「おいおい、珍しく貴族令嬢に見えるぞ。すごく綺麗じゃないか」
コルタは私の姿を捉えると、目をぱちぱちと何度も瞬きさせた。
「えっ、ありがとう」
滅多に私のことを褒めたりしない彼の一言に、私は反応が遅れてしまう。
「ドレスに縫い付けているのは宝石だよな」
「芸術品として飾っておきたいよね」
「俺が着たら、宝石の数を一々数えそうだ。落とした時のことを考えちまう。お前、これいくらしたんだ? 結構な額しただろ」
「実はライからのプレゼントなんだ。自分で支払う予定だったから、採寸の時に宝石も予算内の代物にして貰っていたの。だから、届いてびっくり。桁を二つばかり間違えちゃった!? って、慌ててしまったわ。密かにライが高クオリティの宝石に変えてくれていたの」
「サプライズであっさり変えられるのか。まぁ、ファルマの王だもんな。俺には無理だ」
コルタは自嘲気味に笑った。
「僕にも無理だよ。ファルマは大国だからだ。気にすることはないよ」
お兄様がフォローすれば、コルタは首を左右に振る。
「気にするさ。メディはファルマ王の妹君なんだから」
「メディかい?」
「あのさ、お前達に話があるんだ。どうせバレると思うし、先に言っておく。俺はメディのことが好きなんだ」
「「え」」
私もお兄様も全く想像もしていなかったコルタの台詞に対して、同時に声を発してしまう。
さすがは兄妹と関心してしまいたくなるように綺麗に重なった。
「メディがレイのことを好きなことも知っている。俺は貴族ではないから身分が釣り合わない。ただ、メディの傍にいて守ってやりたいんだ」
「ちょっと待って! メディはレイガルド様のことが好きなのかいっ!?」
「あー……リストは気絶していたから知らないのか。メディはレイのことが好きなんだよ」
「ティア、知っていたの?」
「えぇ」
「僕だけ知らないの? ライは?」
「気づいたんじゃないか。あの時、俺と一緒に居たから」
「矢印が複雑に……」
お兄様は動揺しているのか、視線を彷徨わせながら体を戦慄いている。
「今日のパーティーは部外者が入れないから、メディのことを気にかけてやって欲しい。レイがいるから大丈夫だとは思うが……」
コルタが辛そうな表情をしている。
コルタがメディのダイエットに付き合ったりしているのは、メディのことが好きだったからなのだろう。
好きな人の支えになりたいっていう一心で。
「当然よ。メディのことは私も気をつけておくわ」
エスカ様が結構なくせ者だってわかったし、あちらが喧嘩を売ったら絶対に買ってやる。勿論、利息付きで。
ファルマで商会の仕事をしたり、ライに色々観光地を案内して貰ったり……
楽しかったせいか、あっという間に時は過ぎてパーティー当日を迎えることに。
もうすぐパーティーが開かれるという時間のため、私はドレスやメイクを終えて準備がばっちりだった。
ファルマ城に借りている部屋にて、私はお兄様と共に過ごしている。
お兄様もパーティーに参加するため正装をしているが、襟元が気になるのか何度も姿見で確認している。
「変じゃないかな?」
「いいえ、お兄様。いつも通りカッコイイですわ」
お兄様の隣で私は告げた。
「ティアにカッコイイって言われると嬉しいなぁ。じゃあ、大丈夫かな。ティアもそのドレスすごく似合っているよ」
「本当ですか? 嬉しいです」
お兄様が姿見の前から退いたため、今度は私が姿見の前へ立てば、ファルマで流行しているドレスを纏った自分の姿が。
クリーム色の柔らかい素材で出来ているオフショルダーのドレスは、腰元から下の生地に宝石などで作られた色鮮やかな花が咲き誇っている。
ファルマでは宝石を使用して華やかなドレスを作るのが流行中らしい。
「ライがプレゼントをしてくれたんです。私の戦闘服を」
「あれ? おかしいな。今、ドレスとは無縁の台詞が聞こえちゃった気がする」
「戦闘服です」
「ティアーっ! 待って。ねぇ、待って。ライがこんなに豪華なドレスをプレゼントをしてくれたことが霞んじゃったくらいの衝撃なんだけどっ!」
「ちなみに、あちらの扇子は武器か防具ですわね」
私は壁際に置かれているサイドテーブルへと視線を向ければ、髪飾りや宝飾品に混じり、孔雀を思わせる柄の扇子が置かれていた。
ブルーにグリーンやイエローが混じっていて、ちょっと濃い色ばかりかなぁ? と思うが不思議な事に調和していた。
「ティ、ティアが向かうのは戦場じゃなくてパーティーだよ……」
お兄様は涙目になりながら言葉を発している。
「パーティーは女の戦場になる時もありますわ。安心して下さい。売られた喧嘩は倍の値段で買いますから」
「安心できる要素が一つもないよ!」
「あの扇子は西大陸で流行している扇子なんですの。お祖父様達が懐かしくなり、行商から購入いたしました。扇子の骨が鉄で出来ているんです。誰かにひっぱたかれてそうになったら、これでガードができます。私、もう二度と他人に頬を叩かれるという隙を見せることはいたしませんわ」
「扇子が一気におどろおどろしくなったよ、ティア」
「綺麗ですよね」
「うん。でも、もう武器にしか見えない」
お兄様がひきつった表情を浮かべつつ扇子へと顔を向けていた時だった。
部屋をノックする音が届いたのは。
――ライかな?
ライは忙しいらしく色々準備が整ったら迎えに来てくれることになっている。
私が入室を促す返事をすれば、小鳥や植物が彫られた扉がゆっくりと開かれていき、声の主が姿を現す。
入ってきたのはコルタだった。
エタセルでは簡易な騎士服に身を包んでいたが、今回は他国なためか堅苦しい! って、彼が叫びそうな騎士服を着用している。
「おいおい、珍しく貴族令嬢に見えるぞ。すごく綺麗じゃないか」
コルタは私の姿を捉えると、目をぱちぱちと何度も瞬きさせた。
「えっ、ありがとう」
滅多に私のことを褒めたりしない彼の一言に、私は反応が遅れてしまう。
「ドレスに縫い付けているのは宝石だよな」
「芸術品として飾っておきたいよね」
「俺が着たら、宝石の数を一々数えそうだ。落とした時のことを考えちまう。お前、これいくらしたんだ? 結構な額しただろ」
「実はライからのプレゼントなんだ。自分で支払う予定だったから、採寸の時に宝石も予算内の代物にして貰っていたの。だから、届いてびっくり。桁を二つばかり間違えちゃった!? って、慌ててしまったわ。密かにライが高クオリティの宝石に変えてくれていたの」
「サプライズであっさり変えられるのか。まぁ、ファルマの王だもんな。俺には無理だ」
コルタは自嘲気味に笑った。
「僕にも無理だよ。ファルマは大国だからだ。気にすることはないよ」
お兄様がフォローすれば、コルタは首を左右に振る。
「気にするさ。メディはファルマ王の妹君なんだから」
「メディかい?」
「あのさ、お前達に話があるんだ。どうせバレると思うし、先に言っておく。俺はメディのことが好きなんだ」
「「え」」
私もお兄様も全く想像もしていなかったコルタの台詞に対して、同時に声を発してしまう。
さすがは兄妹と関心してしまいたくなるように綺麗に重なった。
「メディがレイのことを好きなことも知っている。俺は貴族ではないから身分が釣り合わない。ただ、メディの傍にいて守ってやりたいんだ」
「ちょっと待って! メディはレイガルド様のことが好きなのかいっ!?」
「あー……リストは気絶していたから知らないのか。メディはレイのことが好きなんだよ」
「ティア、知っていたの?」
「えぇ」
「僕だけ知らないの? ライは?」
「気づいたんじゃないか。あの時、俺と一緒に居たから」
「矢印が複雑に……」
お兄様は動揺しているのか、視線を彷徨わせながら体を戦慄いている。
「今日のパーティーは部外者が入れないから、メディのことを気にかけてやって欲しい。レイがいるから大丈夫だとは思うが……」
コルタが辛そうな表情をしている。
コルタがメディのダイエットに付き合ったりしているのは、メディのことが好きだったからなのだろう。
好きな人の支えになりたいっていう一心で。
「当然よ。メディのことは私も気をつけておくわ」
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