紫電の射手 勇者パーティで無能扱いされて追放しかし、雷に打たれて世界最強の魔法剣士に!

秋水

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第一章 紫電の射手

act.14 エンチャントと漏れ出た思い

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「スライム討伐の前に俺の属性魔法は教えてくれないのか? 初級魔法ならすぐ覚えられるって言ってただろ」
「そうね、十分なお金さえあればの話ね。いくら簡単って言っても一朝一夕で出来ると思ってるの?」

 バージスを離れスライム討伐に向かう道中のイグナールとモニカ。イグナールはキョトンとした表情を返事として彼女に返した。

「はぁ……初級レベルの有名な魔法だって習得には2週間くらい欲しいところね。模倣とは言ってもイグニールの属性に調整するとなると実戦で使えるようになるのには1か月以上はかかるかも」
「そんなにか! じゃぁスライム討伐は今までの剣技で切り抜けるしかないのか……」

 がっくりと肩を落とし、明らかな落胆の態度をとるイグナール。

「でも身体強化と武器への属性付与(エンチャント)は別かな。イグナールは剣の修行でずっと剣に触れてるしね」
「本当か!」

 表情をコロコロと変えて一喜一憂するイグナールに動物的可愛さを感じるモニカ。いちいち会話を区切っているのはそんな彼の表情を楽しみたいがためだろうか。

「ちょっと待ってね」

 1度立ち止まり、彼女は凶器のカバンから小さな蒼の魔石を取り出し、イグナールに手渡した。

「これで1回練習して見ようよ。いい? 目を瞑って集中して、それから魔石から魔力が流れてくるのを感じるの」
「お、おう」

 イグナールは言われた通り視覚を遮断し、自分の体に集中する。

「そして、魔石から魔力が流れ込むイメージか……」

 しかし、しばらくしてもイグナールには変化が訪れない。

「うーん、ダメだ」
「最初はそんなものよ。ちょっと手伝ってあげる。そのままでいてね」

 モニカはイグナールが魔石を握りしめている右手を手に取り、自身の魔力を流し込む。

「おぉ、なんか力が流れ込んで来て自分の体が薄い膜に包まれてる感じがする」
「そうそう、その感覚をちゃんと覚えてね。じゃぁ手を離すわよ」

 モニカが手を離してもイグナールはイメージは継続する。彼の体を淡い蒼色の魔力が巡っているのが視認出来る。

「いい感じ! 今イグナール自身に属性付与(エンチャント)してる状態なの。どんな気分?」
「そうだな、なんだか温かくて守られてる様な感じだな。安心する」

 モニカは自身の魔力で武具に施すように彼を属性付与(エンチャント)したのだ。イグナールに感覚を掴ませる行為のため、明確な役割を持たない。それ故、彼が感じた温かく守られる感覚はモニカのイグナールへの思いが作用したと言える。


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