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第十四章 うさぎ、誤解を生む
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「夏海、もう終わった?」
突然体育館にひょいと顔を覗かせたのは三年生らしき男子生徒。
誰?
「うん、あと少し。生徒会室で解散だから」
「あ、なっちゃん先輩、大丈夫ですよ。どうせ、生徒会室行っても、今日はもうすることないし。ここで解散しましょ。彼氏さん、待たせちゃ可哀そうじゃないですか」
カレシサン? カレシサンって名前の人?
「本当? じゃあ、先に帰らせてもらうね」
「はーい、お疲れ様でした!」
「皆も早く帰って今日は休もうね! あ、今度お菓子持ち寄って生徒会室で打ち上げしようね」
じゃあね~と手を振ったなっちゃん先輩は体育館の入り口で待っているカレシサンの横に並ぶとうれしそうな笑顔で帰っていく。
「あの人、誰ですか?」
「え? 見てわかんない? なっちゃん先輩の彼氏さんよ。最近、なっちゃん先輩から告白したらしいの、三年間ずっと好きだったんだって。って、私、この間うさぎちゃんにこの話したよね?」
え? 言ってた?
ポカンとする私の耳元で「ほら、相原くんがなっちゃん先輩に憧れてるって話した時に」と補足してくれて、そういえば明日香先輩まだ何か言ってた気がする、と思い出した。
コクハク? カレシサン……スキ、って、ええええ⁉
「なっちゃん先輩って、彼氏さんいたんですか?」
「だから、そう言ってるでしょ?」
明日香先輩が苦笑いしているけど、ということはよ。
会長、失恋しちゃってるってこと――!?
「さて、オレらもここで解散しよっか。あ、うさぎちゃん、悪いけど先に帰るって愁に伝えておいてくれる?」
「わ、わかりました」
「じゃあね、うさぎちゃん! 生徒会室の戸締りよろしくって相原くんに言っておいて」
「お先に失礼しますって伝えておいてね」
じゃあね、と三人は連れ立って歩いていく。
会長は、知っているのかな? なっちゃん先輩に彼氏さんができたこと。
三人を見送って、私は生徒会室へと走る。
突然体育館にひょいと顔を覗かせたのは三年生らしき男子生徒。
誰?
「うん、あと少し。生徒会室で解散だから」
「あ、なっちゃん先輩、大丈夫ですよ。どうせ、生徒会室行っても、今日はもうすることないし。ここで解散しましょ。彼氏さん、待たせちゃ可哀そうじゃないですか」
カレシサン? カレシサンって名前の人?
「本当? じゃあ、先に帰らせてもらうね」
「はーい、お疲れ様でした!」
「皆も早く帰って今日は休もうね! あ、今度お菓子持ち寄って生徒会室で打ち上げしようね」
じゃあね~と手を振ったなっちゃん先輩は体育館の入り口で待っているカレシサンの横に並ぶとうれしそうな笑顔で帰っていく。
「あの人、誰ですか?」
「え? 見てわかんない? なっちゃん先輩の彼氏さんよ。最近、なっちゃん先輩から告白したらしいの、三年間ずっと好きだったんだって。って、私、この間うさぎちゃんにこの話したよね?」
え? 言ってた?
ポカンとする私の耳元で「ほら、相原くんがなっちゃん先輩に憧れてるって話した時に」と補足してくれて、そういえば明日香先輩まだ何か言ってた気がする、と思い出した。
コクハク? カレシサン……スキ、って、ええええ⁉
「なっちゃん先輩って、彼氏さんいたんですか?」
「だから、そう言ってるでしょ?」
明日香先輩が苦笑いしているけど、ということはよ。
会長、失恋しちゃってるってこと――!?
「さて、オレらもここで解散しよっか。あ、うさぎちゃん、悪いけど先に帰るって愁に伝えておいてくれる?」
「わ、わかりました」
「じゃあね、うさぎちゃん! 生徒会室の戸締りよろしくって相原くんに言っておいて」
「お先に失礼しますって伝えておいてね」
じゃあね、と三人は連れ立って歩いていく。
会長は、知っているのかな? なっちゃん先輩に彼氏さんができたこと。
三人を見送って、私は生徒会室へと走る。
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