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第四章「らしくない、ヒューガ」
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学校を朝九時に出て、お昼までに戻ること。
帽子をかぶり、道路の端を歩き、水分補給はこまめに取ること。
保健係は全員の体調に気を配り、具合の悪い人がいたら必ず近くのお店などから学校に連絡をし指示を仰ぐこと。
リーダー、副リーダーは全員の行動に目を見張ること、統率すること。
タイムスケジュール係は、時間通りに動けるように気を配ること。
記録係は一人はタブレットで写真に収め、もう一人はメモにまとめること。
給食を食べたら、各班ごとに記録をまとめ、発表は翌日となる。
「ここまでの流れで質問がある人?」
校庭で班ごとに並び、先生方から説明を受ける。
うちの班は、最初に学校近くの西公園、龍王寺を周ったら、青葉池で休憩を取る。
それから工場跡地、最後に若葉神社を周ったら、学校に戻るルートだ。
タブレットを入れた手提げバッグを肩から提げていると、風もないのにカチャカチャと大げさに主張してくるキーホルダーと化したチロルがいる。
目だけはキョロキョロ動いているから、誰かに気づかれてしまわないかドキドキしちゃう。
お願いだから、静かにしていて!
「メイちゃんのキーホルダーって」
「ん、んん?」
「やっぱ、かわいいよねえ」
マオちゃんがジーっと見てくるから焦ってしまったけど、気づかれてないようで良かった。
だけど、もう一人マオちゃんと同じようにキーホルダーを見ている人がいた。
「なに? ヒューガ」
ヒューガから見えないようにキーホルダーを隠したら、「別に」とそっぽを向かれた。
今日のヒューガは、いつも以上にやる気がなさそうに見える。
「怪しいよ、アイツ」
わたしにだけ聞こえるような声で、チロルは話しはじめる。
「怪しいって、ヒューガのこと?」
「そう、アイツからアイルの匂いがするんだよ。アイツ、アイルのこと絶対知ってる気がする」
ヒューガの背中をにらむチロルに、昨日の朝のことを話そうかと思った。
ヒューガの知り合いのネコちゃんがケガをしていて、ご飯も食べない。
それって、もしかして?
「ちょっと、リーダーも副リーダーも、なにボケッとしてんのよ? 時間は限られているんだから、さっさと出発するよ」
ミサキちゃんに背中を押されて気付いたら、すでに他の班は出発していたようだ。
わたしたちも、あわてて出発をした。
帽子をかぶり、道路の端を歩き、水分補給はこまめに取ること。
保健係は全員の体調に気を配り、具合の悪い人がいたら必ず近くのお店などから学校に連絡をし指示を仰ぐこと。
リーダー、副リーダーは全員の行動に目を見張ること、統率すること。
タイムスケジュール係は、時間通りに動けるように気を配ること。
記録係は一人はタブレットで写真に収め、もう一人はメモにまとめること。
給食を食べたら、各班ごとに記録をまとめ、発表は翌日となる。
「ここまでの流れで質問がある人?」
校庭で班ごとに並び、先生方から説明を受ける。
うちの班は、最初に学校近くの西公園、龍王寺を周ったら、青葉池で休憩を取る。
それから工場跡地、最後に若葉神社を周ったら、学校に戻るルートだ。
タブレットを入れた手提げバッグを肩から提げていると、風もないのにカチャカチャと大げさに主張してくるキーホルダーと化したチロルがいる。
目だけはキョロキョロ動いているから、誰かに気づかれてしまわないかドキドキしちゃう。
お願いだから、静かにしていて!
「メイちゃんのキーホルダーって」
「ん、んん?」
「やっぱ、かわいいよねえ」
マオちゃんがジーっと見てくるから焦ってしまったけど、気づかれてないようで良かった。
だけど、もう一人マオちゃんと同じようにキーホルダーを見ている人がいた。
「なに? ヒューガ」
ヒューガから見えないようにキーホルダーを隠したら、「別に」とそっぽを向かれた。
今日のヒューガは、いつも以上にやる気がなさそうに見える。
「怪しいよ、アイツ」
わたしにだけ聞こえるような声で、チロルは話しはじめる。
「怪しいって、ヒューガのこと?」
「そう、アイツからアイルの匂いがするんだよ。アイツ、アイルのこと絶対知ってる気がする」
ヒューガの背中をにらむチロルに、昨日の朝のことを話そうかと思った。
ヒューガの知り合いのネコちゃんがケガをしていて、ご飯も食べない。
それって、もしかして?
「ちょっと、リーダーも副リーダーも、なにボケッとしてんのよ? 時間は限られているんだから、さっさと出発するよ」
ミサキちゃんに背中を押されて気付いたら、すでに他の班は出発していたようだ。
わたしたちも、あわてて出発をした。
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