ハピネコは、ニャアと笑う

東 里胡

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第六章「博士の遺言」

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「アイル、チロル、こちらにいらっしゃい? これが何かわかっていますね」
「止めて! ヒューガに手荒な真似しないで!」

 研究所の人がこちらに向けたものは銀色の拳銃のようなもので、その先からは緑色のレーザービームが出ていた。
 そのビームの先が、ヒューガの心臓部分を光らせていて、引き金を引いたらそこに当るということを示しているようだ。
 一歩も動けなくなったヒューガの前にわたしの腕の中から飛び出したアイルちゃんが立ちはだかる。

「アイル!」

 チロルもあわてて、アイルちゃんの隣に並び立った。

「アタシが戻ればいいんでしょ! この人たちは本当に何の関係もないの。アタシが弱っていたのを助けてくれただけだから」
「お願いだよ、アイルから首輪を取り上げないで。ボクがずっとアイルに付き添って、他のペットには何も言わないように見張るから! なんだってするから、アイルを助けて」
「言うなっていうなら、もう二度と研究所の不利になるようなことは言わないから。アタシが人間の言葉を話せなくなるように、首輪を取り上げたってかまわない。だけど、ヒューガやメイちゃんに乱暴なことだけはしないで。お願い」

 アイルちゃんとチロルの必死な様子に、未来の研究所の人は、満足げに微笑んだ。

「アイル、こっちにいらっしゃい」
「行くな、アイル!」

 動こうとしたヒューガの額に、レーザービームが照準を変えた。

「行くから、止めて! ヒューガに、乱暴なことはしないで」

 アイルちゃんはピョンを跳ねあがり、白衣の男の人の肩に乗る。

「よし、いいこだ。さて、チロル、君には後始末をお願いしようか」
「え?」
「さっき、何でもやると言っただろう? だから君にお願いするよ」

 チロルに、なにをさせようと言うの?



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