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第七章「ハピネコは、ニャアと笑う」
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「そういえばね、メイちゃん」
「うん?」
わたしの膝の上に、アイルちゃんがちょこんと手を載せて見上げている。
「この間ね、博士のことで思い出したことがあったの」
「っぐ、」
横で変な声が聞こえて、ふと見たらお菓子を喉につまらせたヒューガがあわててジュースで流し込んでいるところだった。
「ヒューガ、大丈夫? もっとジュース持ってこようか」
「いや、もう、帰るし。そろそろ帰ろう、アイル」
そういうとあわてて、アイルちゃんを抱きかかえようとしたヒューガ。
「やだよ、さっき来たばかりじゃない!」
ペチンとヒューガの手を叩き、後退るアイルちゃんをかばうように、チロルが間に立ちはだかる。
「なんでだよ、ヒューガ! まだ三十分しか経ってないじゃん。もっとゆっくりしていけよ」
「ねえ、ひどいよねえ、もっとゆっくりしたーい! メイちゃんのママもゆっくりしてって言ってたじゃない!」
ニャーニャーニャーニャー、抗議の声をあげるチロルとアイルちゃんにヒューガがため息をつく。
「あ、もしヒューガが用事あるんなら、アイルちゃんだけでも置いてっていいよ? わたし、後でお届けするし」
「そうじゃなくて」
もう、と頭を抱え込むヒューガに首をかしげると。
ヒューガはアイルちゃんをにらむ。
「アイル、約束しただろ? メイには言うなって」
「あ! そうだったっけ?」
ペロッと舌を出してとぼけた顔をしたアイルちゃんに、わたしもチロルも首を傾げた。
「アイル、メイには内緒って、なんの話?」
「ほら、アタシたちの名前が特別だってことよ」
「なんだ、そのことー? なんで、メイにだけ内緒なの? ヒューガ!」
「アイルちゃんとチロルの名前って特別なの?」
「そーなの、そーなの!」
「うん?」
わたしの膝の上に、アイルちゃんがちょこんと手を載せて見上げている。
「この間ね、博士のことで思い出したことがあったの」
「っぐ、」
横で変な声が聞こえて、ふと見たらお菓子を喉につまらせたヒューガがあわててジュースで流し込んでいるところだった。
「ヒューガ、大丈夫? もっとジュース持ってこようか」
「いや、もう、帰るし。そろそろ帰ろう、アイル」
そういうとあわてて、アイルちゃんを抱きかかえようとしたヒューガ。
「やだよ、さっき来たばかりじゃない!」
ペチンとヒューガの手を叩き、後退るアイルちゃんをかばうように、チロルが間に立ちはだかる。
「なんでだよ、ヒューガ! まだ三十分しか経ってないじゃん。もっとゆっくりしていけよ」
「ねえ、ひどいよねえ、もっとゆっくりしたーい! メイちゃんのママもゆっくりしてって言ってたじゃない!」
ニャーニャーニャーニャー、抗議の声をあげるチロルとアイルちゃんにヒューガがため息をつく。
「あ、もしヒューガが用事あるんなら、アイルちゃんだけでも置いてっていいよ? わたし、後でお届けするし」
「そうじゃなくて」
もう、と頭を抱え込むヒューガに首をかしげると。
ヒューガはアイルちゃんをにらむ。
「アイル、約束しただろ? メイには言うなって」
「あ! そうだったっけ?」
ペロッと舌を出してとぼけた顔をしたアイルちゃんに、わたしもチロルも首を傾げた。
「アイル、メイには内緒って、なんの話?」
「ほら、アタシたちの名前が特別だってことよ」
「なんだ、そのことー? なんで、メイにだけ内緒なの? ヒューガ!」
「アイルちゃんとチロルの名前って特別なの?」
「そーなの、そーなの!」
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