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1.東京の夜空
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地上ゼロメートルから見上げた月は、青白く冷たい横顔をしていた。
そんな月の温度よりも、今夜は地面の方が冷たいのかもしれない。
地面に寝袋一枚で接している背中が、凍り付くように寒い。
私の認識不足、寝袋ってもっと温かいものだと思っていた……。
自分自身が決断した詰めの甘さに、開始二時間で後悔をしてる。
寝袋の中から手を出して、スマホを確認した。
通常運転、誰からの連絡もなし。何とも虚しい。
『元気にやってる?』とか、『そっちはどう?』、ぐらいあってもいいのにな。
それって誰から? ああ、そうだ。
そんな親しい友達なんか、長いこといたことがなかった。
友達がいたなら、こんな風に公園のベンチの影に潜り込んで怯えながら眠ることもなかったはずだもんね。
助けて、なんて誰にも発せない自分のコミュニケーション能力の低さに、ほとほと嫌気がさす。
東京の冬がこんなに寒いなんて知らなかったなあ。
だって『東京はさ、雪はほとんど降らないし、零下にはならないんだよ』って、楽しそうに話してくれたでしょ?
悴む手に息を吹きかけて、二時間ぶりにリダイヤルをタップする。
『おかけになった電話番号は現在使われておりません。番号をお確かめになって、もう一度おかけ直し下さい』
何十回かけたって、同じガイダンスしか流れないのはわかっているのに、懲りもせずまたかけ直してしまうのだ。
会いたい、早く会いたい。あなたの声が聞きたい。
信じてる、信じてるから――。
あなたはきっと何か事情があって、私に連絡できないだけのだろう。
あんなに優しい人だから、トラブルに巻き込まれてるのだと思う。
『君の家族になりたいんだ』
その言葉を信じて、後いくつ不安な夜を過ごしたらいいの?
深夜近くになっても、公園を通る人影は絶えることのない都会。
時折すぐ側を歩く人の足音に、私がここにいることを気づかれないように身をすくめながら、夜空を見上げた。
東京の街は明るすぎて、星なんて数えるほどしか見えない。
同じ空なはずなのに、私が住んでいた町から見るのとは全然違う。
空には星がいっぱいあった方が、私は好きだな。
今夜から寝床に決めたのは、公園のベンチの後ろ側。公園を通る人たちからは死角となる場所だ。
ベンチが丁度いい影となり、電灯があたらない暗がりの地面に寝袋を敷き、小さくなって潜り込んだ。
朝まではここでやりすごして、明るくなったらベンチに腰かけて眠ろう。
この背中の凍てつくような寒さに比べたら、ベンチの方が暖かい気がするもの。
また一人誰かの足音が近づいてくる。
さっきまで通り過ぎた何人かと同様に、近づいては離れていくはずだと思っていた足音は、不意にベンチ前で止まった。
「やってらんねえつうの」
ドカッとその人が、ベンチに腰かけたようで、私は慌てて今まで以上に気配をひそめた。
男の人の声だった。
足元は革靴、スーツパンツ、そして黒っぽいコートがベンチの下から確認できた。
どうか気づかれませんように。
今更ながら、公園の入り口には痴漢に注意って看板があったことを思い出す。
どんなに地味で目立たない私であっても、二十代前半女性である以上、そういった人たちのターゲットになってしまうかもしれない。
このベンチに座った男性が、痴漢ではなくただのサラリーマンという可能性の方が高いかもしれないけれど、都会の知らない男性は、やはり怖いとしか思えないのだ。
息をひそめた私の頭上で、プシュッと缶のフタを開けたような軽快な音が響く。
続いてゴクゴクと喉を鳴らして何かを飲んでいる気配、少し漂うアルコールの匂い、これは多分ビールだ。
私がここにいることに気づかない男性は、はーっと、大きなため息をついて、
「なんで俺じゃねえんだよっ」
まるで行き場のない怒りを吐き出すように声を荒げた。
それに驚いた私は、悲鳴をあげるのを必死で堪える。
ここまでは完璧に気配を消していたはずだ、多分。
でも、その後がダメだった。
男性が放り投げた物体が、スロモーションのように放物線を描き、私めがけて落ちてくるのが見えた。
「え、ちょ? いっ!?」
寝袋の中、もがいても逃げきれないと悟って、落下に備えてギュッと目を瞑ることしかできなかった。
勢いよく落ちてきた硬いものが、寝袋から顔だけを出していた私のおでこに、コーンと小気味よすぎる音をたてて直撃して、カランカランと地面を転がっていく。
硬いものは、痛みだけじゃなく、ついでに顔面や髪にまで液体を降り注いでいった。
臭い、やっぱりビールだ、これ!!
必死に寝袋から両手を出して、顔を擦った。
「大丈夫ですか!? あ、あの、誰もいないって、や、いるわけないって思ってて。絶対わざとじゃなくて、ごめんなさい!!」
缶ビールを放った男の人が、私のもがく気配に気づき、青白い月を背負うようにしゃがみ込み、手を差し伸べてくれた。
その手が私に向けられたものだと理解するまで時間がかかった。
ああ、そうか、起き上がらせてくれようとしてるんだ。
ぼんやりとした思考の中、おずおずとその手を握った瞬間、冷え切った体に血が巡ったように思った。
人の温もり――。
今まで感じたことがないほど温かく感じたのは、私自身、この生活に限界を感じていたからだと思う。
「つうか、なんでこんなとこに寝袋で? ここって結構危ない場所だし。って、あの、」
優しい声色と心配してくれているこの人の目は、今私に向けられてるんだ。
そう思ったら、見る見る目の前が霞んでいく。
「う、うっ……うわーん……うえっ、わーん」
「え、ごめん! 痛かったよね? ホント、ごめん!!」
手を握ったまま大声で泣き出した私に、彼はオロオロしていた。
少しずつ泣き声が小さくなって落ち着くまで、そのまま側にいてくれた。
ようやく涙も引っ込んで、しゃくり上げながら見上げた月は、さっきより温かな色をしているように見える。
私一人だったなら、きっと月はまだ青白かった、そんな気がした。
そんな月の温度よりも、今夜は地面の方が冷たいのかもしれない。
地面に寝袋一枚で接している背中が、凍り付くように寒い。
私の認識不足、寝袋ってもっと温かいものだと思っていた……。
自分自身が決断した詰めの甘さに、開始二時間で後悔をしてる。
寝袋の中から手を出して、スマホを確認した。
通常運転、誰からの連絡もなし。何とも虚しい。
『元気にやってる?』とか、『そっちはどう?』、ぐらいあってもいいのにな。
それって誰から? ああ、そうだ。
そんな親しい友達なんか、長いこといたことがなかった。
友達がいたなら、こんな風に公園のベンチの影に潜り込んで怯えながら眠ることもなかったはずだもんね。
助けて、なんて誰にも発せない自分のコミュニケーション能力の低さに、ほとほと嫌気がさす。
東京の冬がこんなに寒いなんて知らなかったなあ。
だって『東京はさ、雪はほとんど降らないし、零下にはならないんだよ』って、楽しそうに話してくれたでしょ?
悴む手に息を吹きかけて、二時間ぶりにリダイヤルをタップする。
『おかけになった電話番号は現在使われておりません。番号をお確かめになって、もう一度おかけ直し下さい』
何十回かけたって、同じガイダンスしか流れないのはわかっているのに、懲りもせずまたかけ直してしまうのだ。
会いたい、早く会いたい。あなたの声が聞きたい。
信じてる、信じてるから――。
あなたはきっと何か事情があって、私に連絡できないだけのだろう。
あんなに優しい人だから、トラブルに巻き込まれてるのだと思う。
『君の家族になりたいんだ』
その言葉を信じて、後いくつ不安な夜を過ごしたらいいの?
深夜近くになっても、公園を通る人影は絶えることのない都会。
時折すぐ側を歩く人の足音に、私がここにいることを気づかれないように身をすくめながら、夜空を見上げた。
東京の街は明るすぎて、星なんて数えるほどしか見えない。
同じ空なはずなのに、私が住んでいた町から見るのとは全然違う。
空には星がいっぱいあった方が、私は好きだな。
今夜から寝床に決めたのは、公園のベンチの後ろ側。公園を通る人たちからは死角となる場所だ。
ベンチが丁度いい影となり、電灯があたらない暗がりの地面に寝袋を敷き、小さくなって潜り込んだ。
朝まではここでやりすごして、明るくなったらベンチに腰かけて眠ろう。
この背中の凍てつくような寒さに比べたら、ベンチの方が暖かい気がするもの。
また一人誰かの足音が近づいてくる。
さっきまで通り過ぎた何人かと同様に、近づいては離れていくはずだと思っていた足音は、不意にベンチ前で止まった。
「やってらんねえつうの」
ドカッとその人が、ベンチに腰かけたようで、私は慌てて今まで以上に気配をひそめた。
男の人の声だった。
足元は革靴、スーツパンツ、そして黒っぽいコートがベンチの下から確認できた。
どうか気づかれませんように。
今更ながら、公園の入り口には痴漢に注意って看板があったことを思い出す。
どんなに地味で目立たない私であっても、二十代前半女性である以上、そういった人たちのターゲットになってしまうかもしれない。
このベンチに座った男性が、痴漢ではなくただのサラリーマンという可能性の方が高いかもしれないけれど、都会の知らない男性は、やはり怖いとしか思えないのだ。
息をひそめた私の頭上で、プシュッと缶のフタを開けたような軽快な音が響く。
続いてゴクゴクと喉を鳴らして何かを飲んでいる気配、少し漂うアルコールの匂い、これは多分ビールだ。
私がここにいることに気づかない男性は、はーっと、大きなため息をついて、
「なんで俺じゃねえんだよっ」
まるで行き場のない怒りを吐き出すように声を荒げた。
それに驚いた私は、悲鳴をあげるのを必死で堪える。
ここまでは完璧に気配を消していたはずだ、多分。
でも、その後がダメだった。
男性が放り投げた物体が、スロモーションのように放物線を描き、私めがけて落ちてくるのが見えた。
「え、ちょ? いっ!?」
寝袋の中、もがいても逃げきれないと悟って、落下に備えてギュッと目を瞑ることしかできなかった。
勢いよく落ちてきた硬いものが、寝袋から顔だけを出していた私のおでこに、コーンと小気味よすぎる音をたてて直撃して、カランカランと地面を転がっていく。
硬いものは、痛みだけじゃなく、ついでに顔面や髪にまで液体を降り注いでいった。
臭い、やっぱりビールだ、これ!!
必死に寝袋から両手を出して、顔を擦った。
「大丈夫ですか!? あ、あの、誰もいないって、や、いるわけないって思ってて。絶対わざとじゃなくて、ごめんなさい!!」
缶ビールを放った男の人が、私のもがく気配に気づき、青白い月を背負うようにしゃがみ込み、手を差し伸べてくれた。
その手が私に向けられたものだと理解するまで時間がかかった。
ああ、そうか、起き上がらせてくれようとしてるんだ。
ぼんやりとした思考の中、おずおずとその手を握った瞬間、冷え切った体に血が巡ったように思った。
人の温もり――。
今まで感じたことがないほど温かく感じたのは、私自身、この生活に限界を感じていたからだと思う。
「つうか、なんでこんなとこに寝袋で? ここって結構危ない場所だし。って、あの、」
優しい声色と心配してくれているこの人の目は、今私に向けられてるんだ。
そう思ったら、見る見る目の前が霞んでいく。
「う、うっ……うわーん……うえっ、わーん」
「え、ごめん! 痛かったよね? ホント、ごめん!!」
手を握ったまま大声で泣き出した私に、彼はオロオロしていた。
少しずつ泣き声が小さくなって落ち着くまで、そのまま側にいてくれた。
ようやく涙も引っ込んで、しゃくり上げながら見上げた月は、さっきより温かな色をしているように見える。
私一人だったなら、きっと月はまだ青白かった、そんな気がした。
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