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光の国に転生した闇属性の俺!?
73)いざ王宮へ!
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「お待ちしておりました。ナハト様」
王宮へ続くポータルを潜った先で待っていたのは若草色の長髪を後ろにまとめた糸目の男性だった。スタイルが良く、スラリと細身である。知的そうな雰囲気であるが、裏が読めない表情が陛下に少し似ていて怖く感じる。
「私は陛下の側近であるネイロと申します。陛下から話は聞いておりますのでここからの案内は私にお任せください」
「おや、ネイロじゃないか。最近見ないと思ったら陛下の側近になったのか?君はなんというかこういう王宮に縛られる…とかいうのは…」
ん?この糸目の側近さんは父の知り合いなんだろうか。それにしても会話の節々に違和感を感じる。
(この人が望んでここにいるわけではないような…)
「…言いたいことはわかりますよ、レナート様…。自分が皇后殿下と仲良いからと言って皇后陛下が逃げ出す手助けをしかねないという理由で側近になりました。逃げ足には自信があったんですけどね」
「「ああ…なるほど…」」
今の話を聞いただけでわかる。この人、陛下たちに巻き込まれたんだ。彼がこの国にいる限り皇后陛下はこの国を離れられないと思っているのだろう。ピクニックで見た感じだと少なくとも皇后陛下は皇帝陛下に対して好意を抱いているようだった。皇后陛下の気持ちよりも大きすぎる愛に問題があるんだろう。
「こほん。これ以上長話をしたら自分が陛下に怒られそうなのでそろそろ王宮の書庫に案内いたしましょう」
「ああ、よろしく頼むよ」
ネイロさんはきっと話すと面白いタイプなんだろう。もしかしたら王宮にいるほとんどの人が父と知り合いなんじゃないかと思うほど知り合いらしき人に出会う。騎士団の人や、魔導士の人、庭師の人までほとんどが父の知り合いだった。王宮に勤めているということはそれなりに優秀であるということだ。交友関係だけで父の偉大さがわかってしまう。
「あともう少しでございます。ナハト様は大丈夫でしょうか」
「さ、最近は鍛えているので大丈夫ですっ!」
意外と書庫に着くまでだいぶ距離があるものだ。足の長い父とネイロさんについていくには俺の体は小さすぎる。気にならないように一生懸命ついていったつもりだ二人の目は誤魔化せなかったのだろう。止まってみて気づいたが結構息が上がっている。
「気づかなくてすまなかったね。さあ、おいで」
父が手を伸ばして俺のことをヒョイと持ち上げる。俺はまだ4歳であると心の中で自分に言い聞かせて大人しく移動は父に任せることにした。少し歩くとただの壁の前に扉が現れた。これも魔法の類なのだろうか、王宮は見たことがないものがあってだんだん楽しくなってくる。
王宮へ続くポータルを潜った先で待っていたのは若草色の長髪を後ろにまとめた糸目の男性だった。スタイルが良く、スラリと細身である。知的そうな雰囲気であるが、裏が読めない表情が陛下に少し似ていて怖く感じる。
「私は陛下の側近であるネイロと申します。陛下から話は聞いておりますのでここからの案内は私にお任せください」
「おや、ネイロじゃないか。最近見ないと思ったら陛下の側近になったのか?君はなんというかこういう王宮に縛られる…とかいうのは…」
ん?この糸目の側近さんは父の知り合いなんだろうか。それにしても会話の節々に違和感を感じる。
(この人が望んでここにいるわけではないような…)
「…言いたいことはわかりますよ、レナート様…。自分が皇后殿下と仲良いからと言って皇后陛下が逃げ出す手助けをしかねないという理由で側近になりました。逃げ足には自信があったんですけどね」
「「ああ…なるほど…」」
今の話を聞いただけでわかる。この人、陛下たちに巻き込まれたんだ。彼がこの国にいる限り皇后陛下はこの国を離れられないと思っているのだろう。ピクニックで見た感じだと少なくとも皇后陛下は皇帝陛下に対して好意を抱いているようだった。皇后陛下の気持ちよりも大きすぎる愛に問題があるんだろう。
「こほん。これ以上長話をしたら自分が陛下に怒られそうなのでそろそろ王宮の書庫に案内いたしましょう」
「ああ、よろしく頼むよ」
ネイロさんはきっと話すと面白いタイプなんだろう。もしかしたら王宮にいるほとんどの人が父と知り合いなんじゃないかと思うほど知り合いらしき人に出会う。騎士団の人や、魔導士の人、庭師の人までほとんどが父の知り合いだった。王宮に勤めているということはそれなりに優秀であるということだ。交友関係だけで父の偉大さがわかってしまう。
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