主人公の義弟兼当て馬の俺は原作に巻き込まれないためにも旅にでたい

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義兄にドキドキするなんておかしい!!

13)何者

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「シャドウお願い。シェイドを助けてあげて」

「良いだろう。貸しひとつだな」

ぐったりとしているシェイドをシャドウの前に差し出す。まだ、不安しかないが、頼れるのはシャドウしかいないのだ。

シャドウはゆっくりと指を伸ばしシェイドの額に触れる。すると俺の分からない呪文をブツブツと唱え出す。

「な、何これ」

「こいつの封印された記憶だ。きっとこいつを本に閉じ込めたやつがかけたのだろう。普通であれば本人でさえ気づくことのできない。まあ、であればな」

目の前にシェイドを丸々取り囲むくらいの大きな魔法陣が現れる。色は金色で神々しい光を放っているそれは、今、傍にいない義兄を連想させる。

パリン

シャドウが目の前で拳を握り締めた途端、その魔法陣は粉々に砕け散った。すると、何かの束縛から解き放たれたかのようにシェイドの顔色が良くなっていく。

「シェイド!!」

「ナ…ハト…?」

俺は思わずシェイドに駆け寄り抱き上げる。さっきの苦痛が相当堪えたのか、まだぐったりしている。

「痛いところはないか?」

「僕っちは大丈夫なんだぞ。色々、忘れていたことを思い出しただけだ」

ニコッと笑って短い手で俺の頭を撫でる。さっきまで苦しんでいたくせに俺を子供扱いするなんて。さっきの魔法陣をシャドウが解いてくれたからだ。

「感動するのは良いが、我への感謝を忘れているのではないか?」

「……ありがとう」

「ん~?よく聞こえないな。ここ何年かで難聴になってしまったようだ。もう一度言ってくれるか?」

「あ・り・が・と・う!!!!!」

「まだまだ感謝が足りないな」

先ほどまでの険悪な雰囲気から打って変わって、いつものような軽口を言い合う。一応、シェイドを助けてくれたし、なんなら記憶も戻してくれたし、俺がこれ以上シャドウに怒る必要もないだろう。

「ナハト…こいつとはいつ知り合った?」

「どうしたの?シェイド?」

元気を取り戻したシェイドが俺の服をひっぱり、シャドウから距離を離そうとする。さっきまではシャドウのことを恐れていたのに、今はシャドウを敵視しているようだ。瞳孔が開き、鋭い牙を剥いて威嚇しているようだ。

しかし、シャドウはニヤニヤしてさらにシェイドを煽る。

「貴様を助けてやったのは我だというのに、何故そんなに敵対する」

「黙れ!!!元々は貴様のせいでこうなったようなものだろうが!!ナハトに近づくな!!」

「おお、怖い怖い。昔のに対して牙を剥くなんて。童、この悪魔をよく飼い慣らしているようだな」

「…え…?」

俺は信じがたい話を聞いてしまったのかもしれない。薄々気づいてはいたが、この目の前にいる影は只者じゃない。俺を遥かに上回る魔力量を持っていて、何百年も生きている人間。そんなやつがいたら全世界に噂は広まるだろう。なのに誰も目の前のこいつのことを知らない。

(一体何者なんだ。こいつは)



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