16 / 115
光の国に転生した闇属性の俺!?
15)公爵家の夜(2)
しおりを挟む
ゲームでの知識を絞り出す。簡単な知識から応用的な知識まで、自分の知り得ることを思い出すのだ。
例えば属性で言えば水は火に強く、火は風に強く、風には土に強く、土は水に強いという法則が基本的にある。
そして、闇や光はその法則から外れ、基本弱点は存在しない。闇と光は相殺し合う。もしかしたら兄のような光属性の人がいればこのバリアも消すことが出来るかもしれない。
(でも、今ここに兄はいないから…)
この前シャドウを呼び出した時を思い出す。呼び出すこともできるということは自分に取り入れることもできるのではないか?
「おとうしゃま、魔法って吸収できたりしゅるんですか?」
「う~ん他人の魔力は分からないが、戦場とかでは魔力枯渇に備えて魔力石から供給したりはするが…」
確かに、『リュミ騎士』をプレイしていた時も「魔力石」は無くてはならない存在だった。ここで、魔力は取り入れることが出来るということが分かった。
(自分の魔法を魔力として吸収できるかは分かんないけど…)
ピトッと自分の出した黒い膜に触れる。さっきは手のひらから出すイメージで黒い玉を出したから、次は吸収するような掴み取るようなイメージで触れてみる。
「ー戻って」
「ナハト?」
手のひらが少しだけぽわぽわとしてくる。ご飯を食べた時みたいにお腹が満たされる感じがする。
(これが魔力を回復してるってことか…?)
目を開けると、夜のように暗かった空が明るくなっていた。俺は魔力の吸収に成功したようだ。
「これは凄い。ナハト、どうしたんだい?」
「おとうしゃまが魔力は吸収できるってことを教えてくだしゃったので試してみたんです」
「なるほど、私の息子は私が思ってたより頭が良くて器用なようだ」
「ありがとう…ございましゅ」
よしよしと優しく頭を撫でてくれる。こんな風に誰かに褒めてもらうのは何度でも慣れないものだ。
「しかし、これからどうしたものか」
「ど、どうしたんでしゅか?」
「いいやナハトの才能がありすぎるから専門家の先生を雇おうかと考えていただけだよ」
それから「ナハトも疲れただろう?今日はもう部屋に帰って休みなさい」と部屋に返されてしまった。俺自身は特にそんなに疲れていないが、確かに今日は色々あったから考える時間は必要だ。
自分用の机に座って今日あったことを元に色々考えてみる。
(魔力は出すことも吸収することもできる。闇属性はかなり硬いバリアのようなものを作り出すことができる)
「そういえば…」
「僕の魔力ってどれくらいあるんだろう」
他の人の魔力はこのイヤリングを通してみることが出来るが、自分自身の魔力量というものは見ることが出来ない。
「もし見れたら自分の限界値とか、今できる魔法とか知れて楽なんだけどなあ…」
(やっぱり、自分が誕生日の時は兄に魔導書をお願いしようっと)
「ふわぁ、色々考えたらなんか眠くなってきちゃった」
少し昼寝をしようとベッドの上に寝転がる。この時の俺は今日の出来事が王国全体で騒ぎになっていることについて知る由もなかった。
この出来事は「闇に包まれた公爵家」として王国中に広まり、公爵家には闇属性の子供がいるという事も知れ渡ってしまったのであった。
例えば属性で言えば水は火に強く、火は風に強く、風には土に強く、土は水に強いという法則が基本的にある。
そして、闇や光はその法則から外れ、基本弱点は存在しない。闇と光は相殺し合う。もしかしたら兄のような光属性の人がいればこのバリアも消すことが出来るかもしれない。
(でも、今ここに兄はいないから…)
この前シャドウを呼び出した時を思い出す。呼び出すこともできるということは自分に取り入れることもできるのではないか?
「おとうしゃま、魔法って吸収できたりしゅるんですか?」
「う~ん他人の魔力は分からないが、戦場とかでは魔力枯渇に備えて魔力石から供給したりはするが…」
確かに、『リュミ騎士』をプレイしていた時も「魔力石」は無くてはならない存在だった。ここで、魔力は取り入れることが出来るということが分かった。
(自分の魔法を魔力として吸収できるかは分かんないけど…)
ピトッと自分の出した黒い膜に触れる。さっきは手のひらから出すイメージで黒い玉を出したから、次は吸収するような掴み取るようなイメージで触れてみる。
「ー戻って」
「ナハト?」
手のひらが少しだけぽわぽわとしてくる。ご飯を食べた時みたいにお腹が満たされる感じがする。
(これが魔力を回復してるってことか…?)
目を開けると、夜のように暗かった空が明るくなっていた。俺は魔力の吸収に成功したようだ。
「これは凄い。ナハト、どうしたんだい?」
「おとうしゃまが魔力は吸収できるってことを教えてくだしゃったので試してみたんです」
「なるほど、私の息子は私が思ってたより頭が良くて器用なようだ」
「ありがとう…ございましゅ」
よしよしと優しく頭を撫でてくれる。こんな風に誰かに褒めてもらうのは何度でも慣れないものだ。
「しかし、これからどうしたものか」
「ど、どうしたんでしゅか?」
「いいやナハトの才能がありすぎるから専門家の先生を雇おうかと考えていただけだよ」
それから「ナハトも疲れただろう?今日はもう部屋に帰って休みなさい」と部屋に返されてしまった。俺自身は特にそんなに疲れていないが、確かに今日は色々あったから考える時間は必要だ。
自分用の机に座って今日あったことを元に色々考えてみる。
(魔力は出すことも吸収することもできる。闇属性はかなり硬いバリアのようなものを作り出すことができる)
「そういえば…」
「僕の魔力ってどれくらいあるんだろう」
他の人の魔力はこのイヤリングを通してみることが出来るが、自分自身の魔力量というものは見ることが出来ない。
「もし見れたら自分の限界値とか、今できる魔法とか知れて楽なんだけどなあ…」
(やっぱり、自分が誕生日の時は兄に魔導書をお願いしようっと)
「ふわぁ、色々考えたらなんか眠くなってきちゃった」
少し昼寝をしようとベッドの上に寝転がる。この時の俺は今日の出来事が王国全体で騒ぎになっていることについて知る由もなかった。
この出来事は「闇に包まれた公爵家」として王国中に広まり、公爵家には闇属性の子供がいるという事も知れ渡ってしまったのであった。
1,355
あなたにおすすめの小説
【完結】悪役令嬢モノのバカ王子に転生してしまったんだが、なぜかヒーローがイチャラブを求めてくる
路地裏乃猫
BL
ひょんなことから悪役令嬢モノと思しき異世界に転生した〝俺〟。それも、よりにもよって破滅が確定した〝バカ王子〟にだと?説明しよう。ここで言うバカ王子とは、いわゆる悪役令嬢モノで冒頭から理不尽な婚約破棄を主人公に告げ、最後はざまぁ要素によって何やかんやと破滅させられる例のアンポンタンのことであり――とにかく、俺はこの異世界でそのバカ王子として生き延びにゃならんのだ。つーわけで、脱☆バカ王子!を目指し、真っ当な王子としての道を歩き始めた俺だが、そんな俺になぜか、この世界ではヒロインとイチャコラをキメるはずのヒーローがぐいぐい迫ってくる!一方、俺の命を狙う謎の暗殺集団!果たして俺は、この破滅ルート満載の世界で生き延びることができるのか?
いや、その前に……何だって悪役令嬢モノの世界でバカ王子の俺がヒーローに惚れられてんだ?
2025年10月に全面改稿を行ないました。
2025年10月28日・BLランキング35位ありがとうございます。
2025年10月29日・BLランキング27位ありがとうございます。
2025年10月30日・BLランキング15位ありがとうございます。
2025年11月1日 ・BLランキング13位ありがとうございます。
平凡な俺が完璧なお兄様に執着されてます
クズねこ
BL
いつもは目も合わせてくれないのにある時だけ異様に甘えてくるお兄様と義理の弟の話。
『次期公爵家当主』『皇太子様の右腕』そんなふうに言われているのは俺の義理のお兄様である。
何をするにも完璧で、なんでも片手間にやってしまうそんなお兄様に執着されるお話。
BLでヤンデレものです。
第13回BL大賞に応募中です。ぜひ、応援よろしくお願いします!
週一 更新予定
ときどきプラスで更新します!
【完結】我が兄は生徒会長である!
tomoe97
BL
冷徹•無表情•無愛想だけど眉目秀麗、成績優秀、運動神経まで抜群(噂)の学園一の美男子こと生徒会長・葉山凌。
名門私立、全寮制男子校の生徒会長というだけあって色んな意味で生徒から一目も二目も置かれる存在。
そんな彼には「推し」がいる。
それは風紀委員長の神城修哉。彼は誰にでも人当たりがよく、仕事も早い。喧嘩の現場を抑えることもあるので腕っぷしもつよい。
実は生徒会長・葉山凌はコミュ症でビジュアルと家柄、風格だけでここまで上り詰めた、エセカリスマ。実際はメソメソ泣いてばかりなので、本物のカリスマに憧れている。
終始彼の弟である生徒会補佐の観察記録調で語る、推し活と片思いの間で揺れる青春恋模様。
本編完結。番外編(after story)でその後の話や過去話などを描いてます。
(番外編、after storyで生徒会補佐✖️転校生有。可愛い美少年✖️高身長爽やか男子の話です)
なぜ処刑予定の悪役子息の俺が溺愛されている?
詩河とんぼ
BL
前世では過労死し、バース性があるBLゲームに転生した俺は、なる方が珍しいバットエンド以外は全て処刑されるというの世界の悪役子息・カイラントになっていた。処刑されるのはもちろん嫌だし、知識を付けてそれなりのところで働くか婿入りできたらいいな……と思っていたのだが、攻略対象者で王太子のアルスタから猛アプローチを受ける。……どうしてこうなった?
お決まりの悪役令息は物語から消えることにします?
麻山おもと
BL
愛読していたblファンタジーものの漫画に転生した主人公は、最推しの悪役令息に転生する。今までとは打って変わって、誰にも興味を示さない主人公に周りが関心を向け始め、執着していく話を書くつもりです。
転生したけどやり直す前に終わった【加筆版】
リトルグラス
BL
人生を無気力に無意味に生きた、負け組男がナーロッパ的世界観に転生した。
転生モノ小説を読みながら「俺だってやり直せるなら、今度こそ頑張るのにな」と、思いながら最期を迎えた前世を思い出し「今度は人生を成功させる」と転生した男、アイザックは子供時代から努力を重ねた。
しかし、アイザックは成人の直前で家族を処刑され、平民落ちにされ、すべてを失った状態で追放された。
ろくなチートもなく、あるのは子供時代の努力の結果だけ。ともに追放された子ども達を抱えてアイザックは南の港町を目指す──
***
第11回BL小説大賞にエントリーするために修正と加筆を加え、作者のつぶやきは削除しました。(23'10'20)
**
【本編完結】死に戻りに疲れた美貌の傾国王子、生存ルートを模索する
とうこ
BL
その美しさで知られた母に似て美貌の第三王子ツェーレンは、王弟に嫁いだ隣国で不貞を疑われ哀れ極刑に……と思ったら逆行!? しかもまだ夫選びの前。訳が分からないが、同じ道は絶対に御免だ。
「隣国以外でお願いします!」
死を回避する為に選んだ先々でもバラエティ豊かにkillされ続け、巻き戻り続けるツェーレン。これが最後と十二回目の夫となったのは、有名特殊な一族の三男、天才魔術師アレスター。
彼は婚姻を拒絶するが、ツェーレンが呪いを受けていると言い解呪を約束する。
いじられ体質の情けない末っ子天才魔術師×素直前向きな呪われ美形王子。
転移日本人を祖に持つグレイシア三兄弟、三男アレスターの物語。
小説家になろう様にも掲載しております。
※本編完結。ぼちぼち番外編を投稿していきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる